マガジンのカバー画像

エッセイ集

190
エッセイをまとめました。
運営しているクリエイター

2024年3月の記事一覧

【エッセイ】復活祭(1200字)

【エッセイ】復活祭(1200字)

今日2024年3月31日はキリスト教で最も重要な式典である復活祭(イースター)である。

イースターがなぜ最も重要か?それはキリスト教の神の一形態である子なる神イエス・キリストが十字架の処刑から三日後に甦った日曜日のまさにその日を祝うからである。

ちなみにキリスト教の神は「三位一体」という考え方で捉えられている。父なる神(ヤハウェ)、子なる神(イエス)、霊なる神(聖霊)の三形態があるというものだ

もっとみる
【エッセイ】心配事に火をつけろ(900字)

【エッセイ】心配事に火をつけろ(900字)

今回もラジオネタ。最近ラジオネタが多い。マスメディアの中でラジオは新聞と並ぶましな媒体だ。だからよく利用する。

昨日NHKの「ちきゅうラジオ」という海外の最新文化をポップに紹介するものを聴いた。生憎聞き逃し配信なし。おそらく音楽中心なので著作権の関係と思われる。その中でパキスタンの音楽番組から人気に火がつき、今やYouTubeで7.2億回も再生されているというウルトラヒットのPasooriという

もっとみる
【エッセイ】カフカの「変身」(800字)『アンケートあり』

【エッセイ】カフカの「変身」(800字)『アンケートあり』

カフカの変身が日本の代表的な特撮ヒーロー「仮面ライダー」誕生のキッカケだったのは有名な話である。カフカは安部公房や村上春樹などの超有名作家たちに多大な影響を与えている。そう考えるとこどもから知識人まで日本の文化にカフカが落とした影は凄まじい。

カフカの「変身」については高校生の時、孤独の中で国語便覧を眺めていて「ある日突然虫になった男の話」っていうことぐらいしか知らなかった。実際に全文を聴くまで

もっとみる
【エッセイ】無駄(1111字)

【エッセイ】無駄(1111字)

ネットの文章を読むか読まないかは15秒でジャッジされるので出だしの文章が大事だっていうようなXのポストを見たがハッキリ言う。その程度の忍耐力の人間に読まれるために僕は文章を魂を込めて書いているのではない。これを読んだ誰かひとりでいいので、記憶に留めてくれて、脳の構造を変えてくれればそれで本望だ。これは私がnoteやKindleで情報発信をはじめた頃からずっと変わらぬスタンスである。大勢に読まれなけ

もっとみる
【エッセイ】読書はメガネを取り替えるようなもの(1000字)

【エッセイ】読書はメガネを取り替えるようなもの(1000字)

月曜日に聴いた「絶望名言」の安部公房アーカイブをらじるらじるで何度も聴いている。こんなにも心に響いた内容のものはここのところなかった。今まで一度も読み切ったことがなかった安部公房作品を今度こそ読み切ろうと意気込んでいる。

20年ほど前に父の蔵書から手に取った安部公房の「カンガルー・ノート」を途中で諦めて以来読んでいなかった。しかし、「絶望名言」の影響で読み始めた「方舟さくら丸」は読み止まらない魅

もっとみる
【エッセイ】不思議な昆虫ユープケッチャ(500字)

【エッセイ】不思議な昆虫ユープケッチャ(500字)

昨日聴いた絶望名言の中で語られていた「ユープケッチャ」という安部公房が考えた架空の甲虫。小説「方舟さくら丸」作中に登場し、肢が退化し動き回れない代わりにその場でぐるぐる回り、自分の排泄物を食べ、1日かけて1回転するので時計虫とも呼ばれるとのことだ。そのゆっくりとした回転の中で食べた排泄物を消化管内で発酵し栄養を強化するので食べるのには困らないらしい。

ラジオの中で文学紹介者の頭木弘樹さんはこのユ

もっとみる
【エッセイ】解読不能な石板(700字)

【エッセイ】解読不能な石板(700字)

今朝、いつもよりも早く家を出てカーラジオをつけると、NHKのラジオ深夜便のワンコーナー「絶望名言」の安部公房の再放送が流れていた。安部公房は実にすばらしい方である。

素晴らしく良い回だった。若者風に言うと神回である。

絶望名言のすばらしい内容は私などが解説するよりは実際に聴くのが一番いい。40分ほどあるがぜひ聴いて欲しい。必ず損はしない人生の40分になる。今日、いつもより早く起きて職場に向かお

もっとみる
【エッセイ】ギリギリの人生(700字)

【エッセイ】ギリギリの人生(700字)

我が家は夫婦揃って持病があるため、必ず医療費が10万円を超える。国民皆健保のかなりの恩恵を受けている。ケンコーなみなさん、ありがとうございます。あと、若かりし頃病院にかからなかった自分にも感謝。

だから禄で生活しているが、行政年度末には必ず確定申告をする。そのほかにもふるさと納税やら寄附金(国境なき医師団)やらの控除も受けられるというのもある。しかし、あまりに薄給のためと高校生の娘がやっと控除対

もっとみる
【エッセイ】有益な話(800字)

【エッセイ】有益な話(800字)

いつも役にも立たぬことを書き連ねているので、時には実のある話をしよう。電車によく乗る方必見!

肌寒い日が戻ってきた。三寒四温。寒の戻りである。それも今週いっぱい。もう北風は東欧の彼方に帰って行くことだろう。

さて、今朝も寒かった。通勤の最寄駅構内に豆から挽いて淹れてくれる自販機がある。電車が来るまで少し時間があるのでそれでコーヒーを購入しようと思っていた。

しかし、ネスカフェのその自販機は大

もっとみる
【エッセイ】春の訪れ(700字)

【エッセイ】春の訪れ(700字)

仕事の日は毎朝6時に家を出るが冬の間真っ暗だった景色に色が戻って来た。春が徐々に顔を見せて来ている。

春というのは素敵な季節だ。しかし、自分の場合はスギ花粉症につき苦悩に満ちた時期でもある。処方された薬を服用しているがスギ花粉への反応が強すぎて薬が効かず毎年必ず鼻水に溺れそうになり眠れない日がある。まさに地獄である。

この世の地獄を感じる時、死後の世界に思いを馳せる。不朽の名作ダンテの神曲によ

もっとみる
【エッセイ】ノスタルジー(1000字)

【エッセイ】ノスタルジー(1000字)

故あって平日は実家に身を寄せている。生徒時代を過ごした地である。出身校の生徒をたまに見かける。否応なく少年時代の青春の日々を思い出すのだった。

・・・

中学生の時、文化祭で合唱コンクールがあった。合唱コンクール。合唱コンクール。女子が張り切るあれだ。ウンザリする。私はその頃、合唱に全く喜びを見出せず、魂の「た」の字の子音の「t」も込めていなかった。

合唱コンクールを巡って印象深い出来事があっ

もっとみる
【エッセイ】自らを追い込め(700字)

【エッセイ】自らを追い込め(700字)

お久しぶりです。

入院からの長期休業明けのnote仲間、菊地正夫さん(実弟と奇しくも一文字違い)からコメント欄にて励ましを受けて1ヶ月以上ぶりにエッセイを投稿することにした。

正夫さんの最新note

さて。ここしばらくプライベートが甚だしく忙しなかった。職を転ずることになった。現職を解雇されたからである(事業終了に伴う整理解雇)。現職は一年経ち、そろそろ慣れて来たのでいろいろ取り組んで行こう

もっとみる