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本当は面白い物理の授業

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「本当は面白い物理の授業」のnoteを集約しています。これから「物理を好きになって欲しい方向け」の内容です。
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#ベクトル

本当は面白い物理の授業 013  静止摩擦力

本当は面白い物理の授業 013 静止摩擦力

前回の授業では、「摩擦力」の概略について学びました。

今回は、「静止摩擦力」の詳細を説明します。

「計算方法を丸覚えする」ことは大変です。
それよりも、「摩擦力が発生する原理を理解する」ことに焦点を当てて学習しましょう。

それでは、例を挙げて、順番に考えていきます。

「012の授業」で「机の上に置かれた辞書」の「摩擦力」について、説明しました。
その例を使い、「静止摩擦力」が発生する理由に

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本当は面白い物理の授業 011  空気抵抗と落下運動

本当は面白い物理の授業 011 空気抵抗と落下運動

ここまで、「自由落下」「水平投射」「斜方投射」を勉強しました。

それらの計算では、「空気抵抗」を無視しました。

今回は、「空気抵抗がはたらく中での落下」について説明します。

皆さんも日常生活で、以下のようなことを感じたことがあると思います。

「新聞紙のような表面積の大きいものは、ゆっくりと落下する」

「卓球のピン球のような軽いボールも、ゆっくりと落下する」

それが、「空気抵抗」の影響で

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本当は面白い物理の授業 010  斜方投射

本当は面白い物理の授業 010 斜方投射

今回は「斜方投射」についての勉強です。

「水平投射」は、「物体を水平方向に投げ出す」ことでした。

一方、「斜方投射」とは、「物体を斜め上に投げ出す」ことです。

「水平投射」と「斜方投射」の考え方は全く同じです。
「空気抵抗」は無視できるものとします。

「ベクトル」の授業で記載したように、
①初速をX成分とY成分のベクトルに分解
②X成分を計算
③Y成分を計算
④X成分とY成分のベクトルを合

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本当は面白い物理の授業 009  水平投射実践編

本当は面白い物理の授業 009 水平投射実践編

それでは、
「水平投射」の理解を深めるために、数値を入れて計算してみましょう。

前回の投降で、「水平投射」の概念を勉強しました。

その時、導き出された式が以下になります。

それでは実践です。

高い建物の屋上から、水平にボールを投射します。
その時の初速は20m/sです。

ボールがどの様な軌道を描くのか計算します。
また、空気抵抗は無視できるものとします。

最後にボールの位置を図示します

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本当は面白い物理の授業 008  水平投射

本当は面白い物理の授業 008 水平投射

今回の授業は、「水平投射」です。

高校物理の「水平投射」の問題は、「空気抵抗を考慮しない」ことが前提条件です。

前回の授業でも記載しましたが、「空気抵抗」を考慮すると、極端に計算が難しくなるからです。

それでは、「水平投射」について考えていきましょう。

「水平投射」とは、「物体を水平方向に投げ出す」ということです。

「距離の長いキャッチボール(50m程度)」を想像してください。

ボール

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本当は面白い物理の授業 007  自由落下と重力

本当は面白い物理の授業 007 自由落下と重力

今回の授業は「自由落下」です。

なぜ、地球上の「物体」は落下するのでしょう。
それは、「物体」に「重力」が働いているからです。

そして、
「重力のベクトル」は,
常に「下向き(地球の中心方向)」を向いています。

「自由落下」とは、
「物体が『地球🌏の重力のみ』をうけて落下すること」です。

「『重力以外のいかなる影響も受けない』ので『自由』だ」と思って下さい。

そして、
落下している「物

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本当は面白い物理の授業 006   絶対速度と相対速度

本当は面白い物理の授業 006 絶対速度と相対速度

今回の授業は、「絶対速度」と「相対速度」です。

これらは、高校物理の初期で学びます。
「浅く考える」と容易に理解できます。
しかし、「深く考える」と段々ドロ沼にハマります。
非常に興味深い内容です。

例えば、あなたがF1レース会場のスタンドに座っているとしましょう。その目の前を車が走っています。

止まっているあなたから見た車の速度が「絶対速度」です。
この車が速度が300km/hだった場合、

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本当は面白い物理の授業 005  ベクトルの分解

本当は面白い物理の授業 005 ベクトルの分解

今回は、「ベクトルの分解」についての説明です。

その前に・・・
前回の授業で「ベクトルの合成」のイメージはつかめたでしょうか。

少しだけ、
「ベクトルの合成」についてのおさらいです。

川の流れに沿って泳ぐと、速く泳げます。
これは、「川の流速のベクトル」と「泳ぐ速度のベクトル」が同じ方向を向いているからです。

一方、川の流れに逆らって泳ぐと、なかなか前に進みません。
これは、「川の流速のベ

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本当は面白い物理の授業 004  ベクトルの合成

本当は面白い物理の授業 004 ベクトルの合成

今回は、ベクトルの感覚をつかむことに焦点を当てます。

ところで、
「物理が苦手かも」と思っている人に質問です。
本当に苦手なものは物理でしょうか。

物理が苦手という人の中に、
「言葉や数式で表現されたものを、絵や図などのイメージに変換すること」が苦手
という人はいないでしょうか。

「文字」を「文字」、「数字」を「数字」としてとらえると、物理は極端に難しくなります。

確かに、この能力も物理を

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本当は面白い物理の授業 003  ベクトルと三角関数

本当は面白い物理の授業 003 ベクトルと三角関数

第二回の授業で記載したように、
ベクトルは、その図自体が答えを示しています。

しかし、実際に手で図を描き、それを測定するには精度に限界があります。
そこで、計算する必要が出てきます。

ベクトル計算に必要な数学は何でしょう?

それは、「三角関数( sin, cos, tan )」です。

何故、三角関数が必要なのでしょう?

それは、「ベクトルをX方向とY方向の成分に分解する」必要があるからで

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本当は面白い物理の授業 002  もっとベクトル!

本当は面白い物理の授業 002 もっとベクトル!

第二回の授業も「ベクトル」についてです。

間違いなく、「ベクトルの理解」が「物理の理解」への近道です。
それでは、もう少し「ベクトル」の理解を深めていきましょう。

ベクトルは「量」と「方向」の情報を持っています。
それは、どういうことを意味しているでしょう?

「ベクトル」を図で表すと「矢印」になります。
「矢印の長さ」が「量」を表しています。
「矢印の向き」が「方向」を表しています。

この

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本当は面白い物理の授業 001  ベクトルとは?

本当は面白い物理の授業 001 ベクトルとは?

第一回は、ベクトルについての授業です。

何故、第一回の授業がベクトルなのでしょう。
それは、ベクトルの理解が、物理を理解を大きく左右するからです。

ベクトルについては、数学Bで習いますが、
「ベクトル」の概念を理解できているでしょうか。

「小学校の算数」では、数字を「りんごの数」や「鉛筆の長さ」など、「量」を表すものとして習いました。

「中学校の数学」では、「ー(マイナス)」という概念が出

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