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本当は面白い物理の授業 010 斜方投射

今回は「斜方投射」についての勉強です。

「水平投射」は、「物体を水平方向に投げ出す」ことでした。

一方、「斜方投射」とは、「物体を斜め上に投げ出す」ことです。


「水平投射」と「斜方投射」の考え方は全く同じです。
「空気抵抗」は無視できるものとします。

「ベクトル」の授業で記載したように、
①初速をX成分とY成分のベクトルに分解
②X成分を計算
③Y成分を計算
④X成分とY成分のベクトルを合成
の手順を踏んで計算します。

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ここで・・・

高校生の時、私は思いました。

「何故、この手の物理の問題は「水平方向(X成分)」と「鉛直方向(Y成分)」に分けて計算するのだろう?」

結論は以下になります。

地球上の物体は常に「重力」の影響を受けます。

よって、

「『重力』の影響を受ける『鉛直方向』と、『重力』の影響を無視できる『水平方向』に分けて考えると、運動の現象(運動のルール)を分けて計算することができる」

ということです。つまり、計算しやすいのです。


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「水平投射」では、
「水平方向」は「等速」で、「鉛直方向」は「自由落下(初期は上昇)」という法則に基づいて運動しています。

以下が考える上でのポイントです。

①初速(速度)の分解
ボールを「斜方投射」した速度(初速)を「水平方向」と「鉛直方向」に「分解」します。

 初速: Vo
   投射角: θ
 水平方向の初速: Vox = Vo cosθ
 鉛直方向の初速: Voy = Vo sinθ

②水平方向速度の計算
「水平方向」の速度は、「空気抵抗」を無視するため「等速」になります。

 水平投射の速度: Vx = Vox
                               = Vo cosθ
   水平方向の位置: X = Vo cosθ・t

③鉛直方向速度の計算
「鉛直方向」の速度は、初めは上向きです。しかし、「重力」により途中で下向きになります。常に速度は変化しています。

   鉛直方向の速度: Vy = Voy - gt
                               = Vo sinθ - gt
   鉛直方向の位置: Y = Vo sinθ・t - 1/2 g t^2

④速度の合成
ボールの速度を出す場合は、再度「水平方向」と「鉛直方向」の速度を「合成」します。

   V = √(Vx^2 + Vy^2)

※「水平投射」は「水平方向」の初速しかありません。よって、①のステップがありません。


「投射」の問題は、色々な形式で問題を出されますが、どれも根本的には同じです。

何故なら、同じ物理現象を取り扱っているからです。

よって、何度も同じような問題を反復練習して解き方を覚えるのではなく、その物理現象自体を理解することが大切です。

物理で重要なことは、「公式を覚えること」ではなく、「考え方を考える練習」をすることです。

そうすれば、もっと物理が面白くなります。
また、勉強の効果も出やすくなります。

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