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本当は面白い物理の授業 002 もっとベクトル!

第二回の授業も「ベクトル」についてです。

間違いなく、「ベクトルの理解」が「物理の理解」への近道です。
それでは、もう少し「ベクトル」の理解を深めていきましょう。

ベクトルは「量」と「方向」の情報を持っています。
それは、どういうことを意味しているでしょう?

「ベクトル」を図で表すと「矢印」になります。
「矢印の長さ」が「量」を表しています。
「矢印の向き」が「方向」を表しています。

この「矢印」は、ただの記号ではありません。
この矢印にベクトルの全ての情報が入っているのです。


物理では、このベクトルが「速度」であり「力」であったりします。

そして、皆さんはベクトルの「足し算」や「掛け算」をするために、色々な公式を覚える努力をしていると思います。
しかし、「実際に図を描いて寸法を測ると、答えが出る」のです。


それでは、次の問題に対して図を書いてみます。

「西から東へ4m/sの速度で流れている川を、静水で3m/sの速度がでるボートで南から北へボートを向けて進もうとしています。陸にいる人から見たボートの速度はいくらでしょう」

「静水でのボートの速度3m/s」を「3cmの垂直な方向のベクトル」で描きます。
「川の速度4m/s」を「4cmの水平な方向のベクトル」で描きます。
それらを合わせたベクトルを描くと、「斜め上を向いたベクトル」になります。これを測ると「5cm」です。

つまり、「陸から見たボートの速度」は「5m/s」ということです。
また、「矢印の方向」は「ボートが進んでいる方向」を表しています。

計算する必要はなかったですね。図や絵を描く重要性がわかったと思います。

今回の授業で言いたいことは、
ベクトルの図は、その図自体が答えを示している
ということです。

それでは、何故計算方法を勉強するのでしょう???

それは、
「手で図を描いて寸法を測る作業を省略する」
「手で図を書いて寸法を測るには、精度に限界がある」
からです。

つまり、皆さんがやっている計算は、「矢印の線の長さ」と「矢印の方向」を正確に出すためです。

「矢印の長さ」と「矢印の方向」を数学的に計算することが、「ベクトルは難しい」と錯覚させています。

そして、テストでは、この計算ができないと点が取れないことがあります。

物理が難しいと感じている人は、数学Bの基礎に戻りましょう。

「結局、数学か…」と思う人もいるかもしれません。
しかし、数学Bの基礎だけ理解できれば、高校物理の大部分は対応できます。

そして、この数学Bも絵と図で理解できます。
物理も数学Bも、
「『何故その公式になるのか?』を、図を描いて理解することが重要」です。

本当は面白い物理の授業003へ続く

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