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本当は面白い物理の授業 003 ベクトルと三角関数

第二回の授業で記載したように、
ベクトルは、その図自体が答えを示しています。

しかし、実際に手で図を描き、それを測定するには精度に限界があります。
そこで、計算する必要が出てきます。

ベクトル計算に必要な数学は何でしょう?

それは、「三角関数( sin, cos, tan )」です。

何故、三角関数が必要なのでしょう?

それは、「ベクトルをX方向とY方向の成分に分解する」必要があるからです。



それでは何故、ベクトルをX方向とY方向に分解する必要があるのでしょう?

それは、「色々なベクトルをX方向とY方向の成分に分けると、考え易い (計算しやすい)」からです。

ベクトルは、「量(長さ)」と「方向」の情報を持っています。そして、その「方向」は様々です。その向きを、仮に設定したX方向とY方向に分解して考えると計算しやすいのです。

そして、物理で三角関数を使うには、その意味をしっかりと理解しておく必要があります。

三角関数も図で理解する
これが1番の近道です。

それでは、
sinθ,cosθ,tanθ」は、
何を表しているのでしょう?

出来るだけ簡単な言葉で説明すると、
・これらは三角形の各辺の長さの比率を表しています
・この三角形はθと90°の内角を持っています
・θ=0°、90°、180、270°では三角形になりません

やっぱり、わかりにくいですね。
それでは、図に書いてみましょう。

①X軸とY軸の原点を中心にして円を描きます。
②X軸の正方向から角度θだけ移動した位置に半径を示す線を引きます。この円の半径を「r」とします。
③「半径rの線と円の交点」から「Y軸に平行な線」をX軸方向へ引きます。この線の長さを「y」とします。
④「線yとX軸の交点」から原点に線を引きます。この線の長さを「x」とします。

この図は、教科書で見たことがあると思います。

内角θと90°を持つ三角形ができましたね。
各辺の長さは、r、x、yです。
そして、辺「x」と「y」は、必ず直交します。

イメージしてみてください。
上図から「θ」を変化させると、「y」も「x」も変化します。しかし、「r」は一定です。


sinθは、内角θと90°を持つ三角形の辺の長さ「r」に対する辺の長さ「y」の比率』を表しています。

これを式にすると
sinθ = y/r
になります。rに対するyの比率を表してますね。

X方向の比率はcosを使って表します。
cosθ = x/r

例えば、ベクトルの長さが「r」だとすると、
Y方向の成分(長さ)は、
 r × sinθ
= r × y/r
= y

X方向の成分(長さ)は、
 r × cosθ
= r × x/r
= x


ベクトルの「X方向の成分」と「Y方向の成分」を取り出せました。

本当は面白い物理の授業004へ続く

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