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バカみたいだと思った。
1年前、バカみたいだと思った。
そんな恋愛をしてた。
短編小説みたいで、あっけなくて、はじめから終わりが決まってたみたいなそれだった。
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2年前くらいだった。
はじめて出会ったその人は、なんだか全てが素敵な人のように感じた。声も雰囲気も優しかったし、なにより面白い人だった。
その人が言ったことに対して爆笑する なんてことはなかったけれど、いつもクスッと笑ってしまうような、そんなことを言う人だ
すればするほど、恋は下手になった。
好きなんて、うまく言えない。
愛しているだなんて、わかんない。どんな色なのかも、どんな味なのかも、私にはわからない。
私は、いつだって別れを切り出す方だった。あるときは「別れよう」と言い、あるときは「元の関係に戻ろう」だなんてひどくずるいことを言った。いつだって別れを切り出していたのは、傷つく覚悟がなかったんだろうなと今ならわかる。いつだって傷つくのが怖かった。
目を見ていてもどこか私じゃな
勝手に君が幸せになりますように。
初めて会ったのは、よく晴れた日 だった気がする。たしか七月四日。まだ梅雨も明けていない木曜日。遠い昔のように思えるのは、金木犀の匂いに 秋を教えてもらえたからかもしれない。
君はよく笑う人だった。そのくせ、なんだか瞳の奥では何を考えているのかわからないような人だった。瞳の奥にある悲しみに似た何かを 隠すようにして笑う人だなと思ったのを今で覚えている。知ったように言うなって言われるかもしれないけれ