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#アイヌ
東京でアイヌとして生きるということ
2014年11月上旬。大学1年生だった私は人生最初の学園祭に興奮する同級生たちに見向きもせず、東京・中野で開催されたチャランケ祭りに参加した。
チャランケ祭りとは、1994年にスタートした、主に関東在住のアイヌとウチナーンチュ(沖縄の方々を指す。ちなみに海外では、沖縄の方々はOkinawanと呼称され、Japaneseとは別のグループとして認識されている。)が共同で開催しているイベントである。
アイデンティティとは、見た目ではわからないもの
北海道に行くと決めてから気になっていたことがある。アイヌ固有の言語である「アイヌ語」だ。
アイヌ語は日本語の北海道方言だと思っている方にたまにお会いするが、それは誤解である。日本語とは完全に独立した言語であり、両者間の関連性は認められていない。文法的には、語順は日本語に近いと感じる部分もある。だが、英語のような語順をとる場合がある。例えば、「イテキ ケレ」(触ってはいけない)は、「触る」という動
アイヌの人ってまだ藁の家に住んでるの?
アイヌ感謝祭から約2週間がたった2014年10月末。私は新千歳空港にいた。アイヌについて知りたいと思った私は無性に北海道に行きたくなり、具体的な行先を決めずにとりあえず飛行機に乗ったのであった。
高校2年の時、修学旅行で来て以来の北海道。その時は、時計台や洞爺湖などをありがちな観光地を巡っただけで、アイヌ文化に触れることはなかった。とりあえず来てしまったのでどこに行けばいいのか全く見当が付かず、
人間として付き合う覚悟はあるのか
少しの沈黙の後、私は口を開いた。
「私はよくお節介だ、鬱陶しいやつだ、と言われてきました。一時的なサークルでの関係、アルバイトでの関係、インタビューでの関係なんだから、どうしてまだ関わろうとしてくるのかと。それ以上の関係を望まない人ばかりでした。だから、あなたの発言は嬉しかった。」
そう。私はよくおせっかいだとか、鬱陶しいやつだと言われる。
一時的な関係は楽なのだ。表面的で綺麗な部分だけの関わ
アイヌのことを勉強してはいけない?
突然怒り出してしまった30代くらいのアイヌの男性。
私の発言で特に気に入らなかった部分は、「アイヌのことを勉強したい」と言ったことのようだった。
「これまで何人も俺は見てきたんだ。アイヌのことを勉強したいってインタビューに来て、いきなり差別の経験みたいなすごくプライベートな質問をしてきて。なんで赤の他人にそんな話をしないといけないんだよ。そんでもって、レポートを書き終えたら、卒論を完成させたら、