松島花山

札幌に住む脳卒中片麻痺の重度身体障害者です。いろいろ不自由はありますが不幸でも可哀想で…

松島花山

札幌に住む脳卒中片麻痺の重度身体障害者です。いろいろ不自由はありますが不幸でも可哀想でもありません。毎日楽しく生きています。  アメーバブログにてみんつちというハンドルネームで「われは河の子」というタイトルのブログを掲載中です。札幌市の障がい当事者講師として講演活動をしています。

最近の記事

臓腑(はらわた)の流儀 忘却の仇花 最終回

俺が皆に見せた画像がこれだ。  写真はお借りしました  殺人博士 推理小説が楽しくなる ©️金子登 kkベストセラーズ 1976年 「先生、これがこの一連の事件のいわばネタ本なんです。タレント本や占い本でベストセラーを連発した株式会社ベストセラーズが、昭和50年代に若年層向けに刊行したワニの豆本シリーズの一冊で、推理小説が楽しくなるとの副題通りに、ミステリーのトリックのネタバレや、実際に起こった殺人事件の手法などを紹介していました。  その中でも特筆とされるのが毒につ

    • 鋼のボディ

       私は2017年の10月に突然の脳出血の発作で倒れ、以来車椅子生活ですが、倒れる半年前に、全国各地のデパートでオーダーメイドインソールのイベント販売をやっていた55歳の時には、 このような鋼のボディをしていました。  中年になっても腹筋は割れます!

      • 臓腑(はらわた)の流儀 忘却の仇花 その8

        あの忌まわしいクラス会の一週間後の土曜日、「モツ男爵」から3ブロックしか離れていない同じ本町のラウンジ『ノーマ・ジーン』に再び俺たちは集った。死んだジンとミッツを除く全員が参加した。  事件の全貌とその解明を俺から聴くために。  本当は皆んな事件翌日の日曜日にでも聴きたかったのだろうが、ショックを受けた木下先生が、やはり大事を取って循環器科病院に2泊の検査入院をしたり、俺やミッキィは翌日も事情聴取を受けたりしていたので、皆んなへの説明が遅れてしまった。ミッキィのクラブ『アン

        • 臓腑(はらわた)の流儀 忘却の仇花 その7

          毒殺?犯人?一体どういうことなの?孝ちゃん説明してよ」 「そうだそうだ孝一郎、出し惜しみはなしだぜ!名探偵らしく派手にやってくれ」 「うるせぇオリハラ!お前が死ななかったことに感謝するんだな」 「な、何を…」 元不良は沈黙した。 「ミッキィ、お前が今一番心配なことは何だ?」 「心配なことって…」 「これが食中毒じゃないかってことと、もしやこの店に責任があるんじゃないか?それがスキャンダルになるんじゃないかってことじゃないのか?」 「ああ、言われてみれば確かにその通りだわ。で

        臓腑(はらわた)の流儀 忘却の仇花 最終回

          臓腑(はらわた)の流儀 忘却の仇花 その6

          キャーッ!」  また誰かが悲鳴を上げた。しかし泣こうが叫ぼうがジンは帰らない。まして医者が死を宣告したのだからなおさらだ。  遠くのテーブルの連中も集まって来た。オリハラが興味深かそうにジンの顔を指で突ついたので腹が立った。ふと、木下先生の顔が蒼白になっているのに気がついた。 「ミッツ、先生を診てくれ。心臓がお悪いらしい」 ミッツは頷くと、早速鞄を持って先生の側に寄った。そして鞄から聴診器を出して先生の胸の音を聴いた。何でも出てくる。まるでドラえもんである。 「大丈夫。心臓

          臓腑(はらわた)の流儀 忘却の仇花 その6

          007

          #私の作品紹介

          臓腑(はらわた)の流儀 忘却の仇花 その5

          ああ、確かに俺はうんこ垂れだ。それがどうした!昔から皆んな知ってる事じゃないか!」  それまで談笑していたジンが突如そう叫んで、プラスチック製のジョッキをテーブルに叩きつけた。中にわずかに残っていたビールが白い飛沫となって周囲に飛んだ。女たちの悲鳴がそれに被さり、宴席の反対側で先生を囲んで話に興じていたグループも一斉にこちらを振り向いた。  「今さらそれがなんだっていうんだ!あれで俺がどれだけ傷付いたと思ってるんだ!  中学の時までは仕方がないと思っていた。皆んな同じ小学

          臓腑(はらわた)の流儀 忘却の仇花 その5

          臓腑(はらわた)の流儀 忘却の仇花 その4

          メインのモツ鍋もあらかた空になりかけた頃、ビールピッチャーを手に折原博之が隣にやって来た。既に席は乱れ放題といった有り様だった。  あちこちでてんで勝手に会話が弾んでいるようだったが、窓の外遠くでやたら消防車のサイレンが鳴り響いていたのが気になった。中学の時、火事で学校を丸焼けにしていた思い出を持つ俺たちは皆その音を嫌った。俺も嫌な記憶が脳裏をかすめ、オリハラに気づくのがやや遅れた。 「よう孝一郎、まだビールでいいか?」 「ああ、俺はそろそろ冷や酒もいいかなぁ?」 「そうか、

          臓腑(はらわた)の流儀 忘却の仇花 その4

          横溝ワールド

          20代の頃は金田一耕助でしたが、身体障害者になってからは、 スケキヨになってしまいました🤣  切り絵でも横溝ワールドです。

          横溝ワールド

          切り絵 宇宙恐竜

          1967年 ウルトラマン 最終回 「さらばウルトラマン」より宇宙恐竜ゼットン

          切り絵 宇宙恐竜

          臓腑(はらわた)の流儀 忘却の仇花 その3

          こうしてクラス会は本町のモツ鍋屋「モツ男爵」二階座敷にて開催された。会場には定刻の午後7時に全員が集合した。幹事としていち早く準備をしていたミッキィによると、なんと担任だった木下先生が一番乗りだったそうだ。  俺は会場1階玄関前の歩道で、タクシーを降りたミッツこと佐賀光顕と鉢合わせした。  医者らしく黒革の鞄を抱えていた。しかし今や総合病院の理事長であり市会議員も務める彼が、現在どれくらい医療の現場にいるのかはわからない。よほど暑いのか、しきりにハンカチで顔の汗を拭っていた。

          臓腑(はらわた)の流儀 忘却の仇花 その3

          臓腑(はらわた)の流儀 忘却の仇花 その2

          クラス会は盆の最中の土曜の夜に決まった。盆中なんてという声もあったようだが、先生の都合の良い日を最優先させた結果だった。  そもそもこんなものは日程だけ無理にでも決めて、それに各人都合を合わすのが一番だ。  そして会場は、加賀谷組がやっている(やらせている)話題のモツ鍋屋に決まった。  ケースケとは、小学校が違ったので、奴はこのクラス会と直接の関係はないが、なにかミッキィの罠に嵌ったような気がする。もちろん『アンバサダー』と、姉妹店『ノーマ・ジーン』を仕切るミッキィがモツ鍋屋

          臓腑(はらわた)の流儀 忘却の仇花 その2

          興福寺阿修羅像

          #私の作品紹介

          興福寺阿修羅像

          臓腑(はらわた)の流儀 忘却の仇花 その1

           「ねぇ孝ちゃん、ジンが見つかったわよ!」 カウンターの陰でノートパソコンに何やら数字を打ち込んでいたミッキィがふと顔を上げて俺に向かって言った。開店前のクラブ アンバサダーにはまだ客は入っていないし、スタッフたちもそれぞれ開店準備に余念がないので、発せられた言葉の向かう先は、一人カウンターでジョニ赤のオンザロックを飲んでいる俺以外にはなかったのだが。 「ジンって誰だ?今抱えている調査対象者関連にそんな人物いたっけな?」  さすがに若い頃のようには飲まないが、それでも今宵

          臓腑(はらわた)の流儀 忘却の仇花 その1

          臓腑(はらわた)の流儀 その8 最終回

          ぶっ殺してやる!」 シンジはそう叫ぶと、右腰の辺りで腰溜めに構えたマキリごと俺の左脇腹に体当たりした。 ヤクザの使う典型的な刺殺法である。 ドンという激しい衝撃とともに、腎臓の辺りに痛みを感じた。デブシンジの右肩が俺の左の大胸筋にめり込むように押しつけられていた。 俺は右手に握り込んだサマルカンドのタイルを素早くポケットから抜き出すと、右肘を鋭角的に折りたたんだまま、拳をシンジの水月(みぞおちの急所)に思いっきり突き上げた。立っちゃん直伝のショートアッパーが重い肉の壁

          臓腑(はらわた)の流儀 その8 最終回

          2020年の挑戦

          #私の作品紹介

          2020年の挑戦