臓腑(はらわた)の流儀 白狐のお告げ その10
翌七日月曜日、孝一郎は九時ちょうどに緑川の携帯に電話をかけた。
「昨日お訪ねしました水島ですが、あと二時間ほどで小山さんと一緒にお伺いして、ご寄進を納めたいと思いますのでよろしくお願いします」
「はぁ、それはお早いことで大変結構でございます。
お仕事の方はよろしいんでございましょうか?」
「はい。こうなったら一刻も早い方が気持ちが安心するような気がいたしまして。仕事の方はこんな真冬の正月開け早々は建設屋にとってそんなに大きな案件もありませんし、私がデスクにへばり付いている必要