川勢

読書、音楽、芸術、猫が好きです。

川勢

読書、音楽、芸術、猫が好きです。

マガジン

  • 一方通行往復書簡⚠️

    痛車、痛バがあるならば痛noteがあっても良いじゃないか。 かれこれ一三年以上推しているロックバンドandropのフロントマンである内澤崇仁氏がデーリー東北さんにて連載している『音は空からことばは身から』を勝手に手紙として受け取り、勝手に返事を書く、新種のホラーです。ホラーですが、わりと真面目に書いています。あっ、よりいっそうホラーですね。

  • メンタルがやばいときは、本をひとかじり

    だめだ、どうしても気力が湧いてこない。 本の中には、救いの言葉がたくさんあるのに、本を読むことすらできない。 そんなときに救われる、笑える、トリッキー、やべえなこいつ、感動する、さまざまな一節をご紹介します。 毎週金曜更新(仮)。

  • はじめまして地球さん、私オレンジジュースです

    彼氏と別れて以来、すっかり恋愛とも疎遠になっていた寧々。 彼女の唯一の楽しみは、音声SNSで親しくなった人たちとの会話やオフ会だ。 ある日、寧々がホストのルーム闖入者が現れ……。 【登場人物】※()はSNSのハンドルネーム 岩月寧々(地球) 三七歳。三年前に別れた彼が原因で夜間摂食症候群に。音声SNSで仲間を見つけたことにより、現在は落ち着いている。彼氏なし。 串田留衣(OJ) 三二歳。友人の結婚式で酔って醜態を晒すなど、破天荒な部分もあるが素直で真面目な部分も。コントラクトフードサービス企業に勤務。レズビアン。 森 胡桃(もぐぐみ) 四〇歳。アメリカ留学中にベジタリアンに。家業の豆腐屋を継ぐ。独身。 関口 菖人(ショット) 三一歳。英会話教師講。ベジタリアン。 駒井 沙穂(Koma) 三一歳。双子の母。摂食障害。 内田 雄星(ゆうせい) 二〇歳。フレキシタリアン。ゲイ。

  • 「読むためのトゥルーイズム」を読み、『浮遊』を「読む」

    『文學界』にて連載がスタートした「読むためのトゥルーイズム」。この連載は、「文章をどう読んだらよいのか」を課題としている。 そこで、非常に読みやすく、おもしろいのだが、そこに書かれている内容を果たして私は本当に「読めて」いるのだろうか、と疑問がわく遠野遥さんによる『浮遊』に挑んでみようと思う。 このマガジンは、書評なんてとんでもない、とはいえ感想文でもない、そこに何が書かれているかを読むことを目的としたものである。

  • 大人だけど読書感想文

    書評という言葉を使うには、自分ごときの文書では少々憚れる。でも、面白い本が山ほどあるので誰かに伝えたい。 そうだ、読書感想文と言えば幼女を見守るあたたかい気持ちで流してもらえないだろうか?!と、そんな皆様の善意を期待してはじめました。

最近の記事

痛note往復書簡八通目

 このnoteは、いい音楽ばかり作るロックバンドandropのフロントマンである内澤崇仁さんの素晴らしさを吹聴していくことを目的とした連載です。  ついでにこの世にある素晴らしい書籍も紹介してしまえと目論んでおります。  欲張りさんです、私。  例えるなら、マックとバーガーキングを食べコカコーラとペプシを飲みつつケンタッキーとモスチキン、そしてクリスピークリームとダンキンドーナツを貪り喰うみたいな感じですかね。違います?  違いましたね!  まあ、さらに言うなら内澤さ

    • 痛note往復書簡七通目

      内澤 崇仁さま  九月のくせにめっちゃ暑いやん。なんなん、アホなん。なんて悪態をついたからでしょうか。  十月、寒いわ。  シャツに短パンやと全身ぶっつぶつの鳥肌でお目覚めよ状態です。というわけで毛布を出しました川勢です。こんにちは。  季節の変わり目、いかがお過ごしですか。内澤さんは現在ツアーの真っ最中ですね。androp主催のフェスもありましたし、疲労がたまっているのではないでしょうか。朝晩の寒暖差が激しいと体調を崩しやすくなってしまいますよね。風邪などの予防には

      • 痛note往復書簡六通目

        内澤 崇仁さま  秋ですね。ねえ秋でしょ? 九月、しかも下旬なんだから。と汗だくでソイアイスを食べながらこのお手紙を書いております。  とはいえ、あっちーなはやく涼しくなんないかな、とか言っていたらいつの間にか師走になっているのだからあらまびっくり!  秋、どこいったねん!   ってこの台詞を毎年言っている気がします。学習しない、わたくし。  というわけで、今回はそんな短い秋をもっと楽しめるような内澤さんのエッセイをテーマにしましょう。  さあっと冷えた空気がすり

        • 痛note往復書簡 五通目

           今回はケーキ特集です! あっ拝見内澤 崇仁さま  内澤さんへの手紙を性懲りもなく書いておりますが、読んでもらえそうにもないので、姑息にも撒き餌をしてみました。  内澤さん、ケーキお好きですよね!  特にチーズケーキ。    なるほど。わかりました。  今回はそんな内澤さんのためにチーズケーキ特集としましょう。  いまではチーズケーキはケーキ屋だけでなく、コンビニでも買える身近な菓子ですね。  ではチーズケーキの起源はいったいどういったものなのか、まずはさっと

        マガジン

        • 一方通行往復書簡⚠️
          9本
        • メンタルがやばいときは、本をひとかじり
          35本
        • はじめまして地球さん、私オレンジジュースです
          5本
        • 「読むためのトゥルーイズム」を読み、『浮遊』を「読む」
          4本
        • 大人だけど読書感想文
          29本
        • 記憶がぽろぽろ、備忘録。
          24本

        記事

          痛note往復書簡 四通目

          内澤 崇仁さま  往復書簡、だがしかし返事は来ない。  それでも毎週書いているお前メンタル最強って思うかもしれませんが、ちょっと来週はどうかな? 無理かな? って感じです。ご安心ください。  いやさ、だって毎回調べるのが大変な内容ばかりなんですよ、『音は空から言葉は身から』(デーリー東北)って。  ただ、内澤さんのエッセイのおかげで、エッセイとは言葉の計量であり、『エリア随筆抄』であり、自由詩でもあるということを知りました。  それから、煎餅は中国から伝わった(何で

          痛note往復書簡 四通目

          痛note往復書簡 三通目

           内澤 崇仁さま  はい、はじまりました。往復書簡なのに往復していない書簡。  この書簡はデーリー東北に内澤さんが連載されている『音は空から言葉は身から』に勝手に返信することを目的としています。  てなことで強引に三通目、いきまーす。 【前回までのあらすじ】  内澤さんの「エッセーとは何か。エッセーなのかエッセィなのか」という言葉からエッセイについて考えてみようというものでした。  そうそう、文筆家の村尾清一氏によると  とあります。  なるなる。内澤さんがエ

          痛note往復書簡 三通目

          『防メンやば本かじり』嘔吐編

           メンタルがやばいときは本をひとかじり。  防の字が増えました。  いきなりすみません。  なぜ防の字かというと、防災リュックに入れておく用の本を作りたいから。  きっと防災リュックが必要なときは、メンタルが激弱なことだろう。  なので、「うわーメンタルつえええええ」って言いたくなる台詞や、ポジティブな言葉がきっと飯よりほしくなるはずだ。  そこで、そういう言葉を集めた本がほしいと思ったわけである。  リュックに入れておいても邪魔にならない程度の薄さの本。  

          『防メンやば本かじり』嘔吐編

          痛note往復書簡 二通目

           内澤 崇仁さま  灼熱の八月、いかがお過ごしですか? 喉を痛めないためにエアコンは使用しないとおっしゃっていましたが、この酷暑。どうかご無理はなさらないように。  さらに三徹は当たり前の楽曲制作、時間節約のために食事は手が塞がれずに済む点滴が良い、などと超人的で驚異的なことも以前おっしゃっていらっしましたが、お体がかなり心配です。  エアコンを使用し(愛猫のためです。九……いや五割くらい)、一日も欠かすことなくアイスクリームをかぶ飲みしている私は怠惰するぎる己の生活に

          痛note往復書簡 二通目

          「メンやば本かじり」祈りのかたちは人それぞれ編

           メンやば本かじり、いちおうまだ続けておりますよ。  さて。  近頃、地震や台風と日本国内の自然現象による問題だけでもメンタルが弱ってしまう。  能登ではまだ避難所生活を送っている人が多くいる。今月も何とか僅かではあるが募金できそうだ。もちろん私の微々たる募金だけではほとんど意味はないが、募金そのものや、その額だけが解決策ではない。避難所生活で役にたつこと、たたないことの情報を収集し、拡散している人もいたりする。能登の「現状」をSNSで訴えてくれる人もいる。そこからさら

          「メンやば本かじり」祈りのかたちは人それぞれ編

          痛note往復書簡 一通目

          内澤 崇仁さま  突然「誰やんお前」的人間から手紙を出され、大変狼狽されていることでしょう。同じく、私も自分の奇行に狼狽しております。  二人で歯をがちゃがちゃいわせながらおわおわするのも良いのですが、まあまず落ち着きましょうか、あなたも私も(久生十蘭)。  さ、ここで遠藤さん! 出番です!  どうした、さらなる奇行かと抜刀したかもしれません。お待ちください(真剣白刃取りをミスりましたのでマジでお待ちください)。ここで言う遠藤さんとは遠藤周作氏のことです。  いかが

          痛note往復書簡 一通目

          痛noteはじめました

           【前口上】  痛バ、それは推しの缶バッジやキーホルダーを大量にバッグにつけること。  私がこの言葉を知ったのはつい最近のことである。ちなみに、痛車は知っていた。  なぜ人は推しを推すことを自分だけのものにできないのだろう。  推しという概念が脳内に存在しない人はきっとそう思うにちがいない。勝手に家でこっそりやってろこのタコ助! 世間に向けてアピールすんな! そんな声が聞こえてきそうだ。  よろしい。いかにも至極まっとうな意見だ──と、いやあ、そいつは言えねえなあ。

          痛noteはじめました

          「メンやば本かじり」最後に真面目は勝つ編

           メンやば本かじり、久しぶりの投稿である。とくに誰も読んでいないので久しぶりかどうか誰も(私自身もさっぱりなのだ)わからない。  わからないから、あたかも連投のふりができる。ああ私はこれっぽっちもさぼっちゃいない何て真面目な人間なんだ! と記憶改竄で自画自賛できる。自画自賛をするとやる気も出てくる。おや、一石二鳥だ。  そうそう鳥といえば、本日8月10日は焼き鳥の日、だったそうだ。焼き鳥といえば、鳥類学者の川上和人さんによる『鳥肉以上、鳥学未満。』が読みたくなる。  い

          「メンやば本かじり」最後に真面目は勝つ編

          『はじめまして地球さん、私オレンジジュースです』第五話「何ものかが語る本ものの愛」岩月寧々編

           家を出る寸前まで、電車の中で、そして集合場所であるレンタル会議室のビルの前で、私は携帯を凝視する。見ているのは、みんなの写真。今日会うもぐぐみさん、ショットさん、ゆうせいさん、komaさん。  私が人の顔を認識する能力が低いことに気づいたのは随分と遅く、高校生になってからだった。中学生までは移動手段は自転車のみで、インドア派な私は出かけることがほとんどなかった。もし出かけたとしても、常に萌音と一緒だった。萌音はクラスの人気者だったので、出先でクラスメイトに会えば向こうから声

          『はじめまして地球さん、私オレンジジュースです』第五話「何ものかが語る本ものの愛」岩月寧々編

          『初めまして地球さん、私オレンジジュースです』第四話串田留衣編「悪役令嬢症状」

           虫の知らせ、とは少し違うのかもしれない。でも、昔から最悪なことが起こるときは兆候があった。小学校からの帰り道、ぼとりと鈍い音をたてて足元に雀が落ちてきた。周囲に人影はなく、おそらく空から落ちてきたんだろう。アスファルトの上で雀は暫く痙攣したあと、剥製のように硬直してしまった。怖くなって走って家に帰り、手も洗わずにリビングへ向かった。すると携帯を握りしめたまま呆然と突っ立っている母がいた。「留衣、おじいちゃんが……」そう言って母が泣き崩れた。  祖母のときもあった。友達とでき

          『初めまして地球さん、私オレンジジュースです』第四話串田留衣編「悪役令嬢症状」

          『はじめまして地球さん、私オレンジジュースです』第三話「影響は私の栄養になるのか」岩月寧々編

           やめなよ みんながいじわるみたいで 萌音 かなしい   本当に、来たんだ。 「この間はすみませんでした」  OJことオレンジジュースさんは、ルームに参加するなり開口一番謝罪の言葉を述べてきた。いやべつに、謝ることは悪くない。むしろ素直で良いことだ。ただ、彼女の謝罪を受け入れたくない自分がいた。 「いえいえ、むしろこうやってルームのメンバーが増えるのは嬉しいです、ね、地球さん」もぐぐみさんはきっと私がすぐに返事ができないと察したのだろう。代わりに破天荒な新参者をうまく対処し

          『はじめまして地球さん、私オレンジジュースです』第三話「影響は私の栄養になるのか」岩月寧々編

          『はじめまして地球さん、私オレンジジュースです』第二話「清算するには凄惨を」串田留衣編

           オ オ オーレンジジュース   オレンジジュースを搾り出す  私の体から 「はじめてですか?」  キューブリックの『2001年宇宙の旅』ぜったい好きでしょ、と声に出しそうになった。出さなかった、と思う。白を基調とした近未来的な壁と床、そしてアンティーク調のソファと受付カウンター。中途半端だったらかなり如何わしい雰囲気になるけど、ここは徹頭徹尾やりきっている感じ。キューブリックへのオマージュ映画のセットと言われても納得できる。ううん、違う。そんな軽いものじゃなくて、この空

          『はじめまして地球さん、私オレンジジュースです』第二話「清算するには凄惨を」串田留衣編