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『防メンやば本かじり』嘔吐編

 メンタルがやばいときは本をひとかじり。

 防の字が増えました。

 いきなりすみません。

 なぜ防の字かというと、防災リュックに入れておく用の本を作りたいから。

 きっと防災リュックが必要なときは、メンタルが激弱なことだろう。

 なので、「うわーメンタルつえええええ」って言いたくなる台詞や、ポジティブな言葉がきっと飯よりほしくなるはずだ。

 そこで、そういう言葉を集めた本がほしいと思ったわけである。

 リュックに入れておいても邪魔にならない程度の薄さの本。

 てなわけで、第一回『防災リュックメンやば本かじり』はサルトルの『嘔吐』の一節から。

 主人公アントワーヌ・ロカンタンが鏡に映る自分をじっと見つめたときに出てきたこの言葉。

(鏡のなかに)私の顔が映っているのだ。(…)この顔が、私にはさっぱり理解できない。(…)私には、それが美しいのか醜いのかさえ決められない。たぶん醜いのだろう。人にそう言われたことがあるから。しかしそれも私には響かない。結局のところ、そんな種類の性質をこれに与えられることに、ショックを覚えるくらいだ。まるで土くれか岩の塊を美しいとか醜いとか言うように。

『嘔吐』(人文書院)ジャン-ポール・サルトル著鈴木道彦訳

 他人から醜いと言われようが、そんなものは響かない!

 つええええ!

 そうだ、これくらいの精神で今日から生きていこう。


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