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【資料】食

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昭和であった17  〜ご馳走様!夕食編 1 〜

昭和であった17 〜ご馳走様!夕食編 1 〜

さて、いよいよ昭和の時代の我が家のメインディッシュの話…
夕食のシェフはもちろん母である。
母のことをもう少し詳しく説明しておこう。

商家の長女として蝶よ花よと家事一切を手伝うこともなく甘やかされて我儘放題に育ち、母親(私の祖母)は店を守るに忙しく、父親は放蕩の挙句母が子供の内に早逝。
その為父と結婚した時には米を炊く方法も知らなかった…
戦災で実家の店は消失し、肝心の後ろ盾も失ってしまう。

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レアチーズケーキという不思議な言葉

レアチーズケーキという不思議な言葉

ケーキのことを書いたら、無性にケーキが食べたくなりました。

そこで昨日は日曜日だったので(雨が上がって外は久しぶりに快晴で、ピクニック日和でしたが、家の中で)娘と一緒にチーズケーキを作りました。

いつもは英語やマニアックなクラシック音楽のことばかり書いていますが、実はわたしは主夫歴20年の家庭料理のエキスパートです。

仕事が5時に終わると、台所に第二の仕事に出勤です。

特にチーズケーキには

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昭和であった15  〜ご馳走様!朝食編 〜

昭和であった15 〜ご馳走様!朝食編 〜

我が家は典型的な昭和のサラリーマン家庭である。
だが、振り返ってみるとその食生活は当時としては比較的贅沢で、同じ社宅の家庭とは少し異なっていたと思う。
それは父親の生い立ちに関わっている。
父は我々と違って恐ろしく育ちが良い。
戦前の財閥、男爵家の長男だった。
それが、徴兵で南方戦線に送られ、離れ小島に取り残され、食うや食わずの餓死寸前の状況を潜り抜けてきた。
戦後復員してみると、財閥解体で資産は

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とにかく「栗饅頭」で「おやつ問題」解決!そして、母の「想う」こと~

とにかく「栗饅頭」で「おやつ問題」解決!そして、母の「想う」こと~

今年5月から始まった、母の「介護施設ライフ」は、「食事の味付け」以外は、殆ど快適に過ごしている。

口が超えている母にとって、食事だけでなく、「おやつ」も不服で、全く手を付けない。

なので、私が、面会に行く度に、溜まった「おやつ」を回収してくる。

そして、母が好きそうな、「常温」で「日持ち」する「あんこ系おやつ」を補充してくる。

この時、外せないのが「栗饅頭」だ。

必ず、「栗饅頭」は、持っ

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フィンガーチョコ...

フィンガーチョコ...

私がまだ子供の頃、父は日曜やたまに早く帰宅した時には、家でよくウィスキーを飲んでいた。ウィスキーのツマミにはチョコレートを好んだ。
なので、我が家にはいつもチョコレートが買い置きされていた。
大人の洋酒のアテなので、ハーシーのキスチョコや輸入物のミントチョコで、父からお裾分けを少しもらう以外、子供は勝手に食べてはいけないものだった。

当時チョコレートは結構高価なもので、普通の板チョコでも一枚50

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