川瀬流水

川瀬流水(かわせ・りゅうすい)といいます。民間伝承や歴史が好きなおじいちゃんです。 ライフワークとして災害を中心とした民間伝承を学んでいます。仕事の傍ら、大学に通って学び直したりもしましたので、そのあたりのこともお伝えできれば、と思っています。

川瀬流水

川瀬流水(かわせ・りゅうすい)といいます。民間伝承や歴史が好きなおじいちゃんです。 ライフワークとして災害を中心とした民間伝承を学んでいます。仕事の傍ら、大学に通って学び直したりもしましたので、そのあたりのこともお伝えできれば、と思っています。

最近の記事

ヒガンバナの花咲く里山~秋の風景➀~

川瀬流水です。10月に入ってもなお、蒸し暑い日々が続きましたが、先日は、一気に冬の到来を思わせるような寒さに見舞われました。寒暖の差の激しさには、驚かされるばかりです。 神戸・裏六甲の山麓にあるわが家の周りには、庭木として、キンモクセイを植えておられるお家が多くみられますが、今月中旬頃、満開となりました。 英語名のひとつとして「Fragrant olive」と呼ばれるとおり、柑橘系の芳しい香りが街中に満ちて、朝夕の寒さを忘れさせてくれました。 今月に入って、六甲山系の西

    • 月に棲むもの                      ~美しい夜空の向こう側~

      川瀬流水です。10月を前にしても蒸し暑さが続き、秋が無くなってしまうのか、と心配する日々を過ごしましたが、次第に収まりつつあるようです。 ふと、夜空を見上げると、月はクールな輝きを見せ始めているように感じられます。 今年の旧暦 8月の十五夜は、 9月17日(火)、望月(満月)は、翌日の 9月18日(水)、でした。このうち、中秋の名月は、 9月17日を指します。 夜空に輝く月は、不思議な力を持っています。我々は、潮の満ち引きにみられるように、月の力と我々の日々の生活は深く

      • 夏の思い出~夏越の大祓~

        川瀬流水です。今年は、異常なほど蒸し暑い夏が続きました。ということで、少々時季はずれですが、我が家にこもって、形ばかりの夏安吾(げあんご)を過ごさせていただきました。   まだまだ残暑は厳しいですが、9月を迎えるにあたり、今年の夏の思い出ということで、投稿させていただきます。   昨年は、4度もコロナの予防接種を受けたにも関わらず、今年7月、とうとうコロナに罹ってしまいました。   幸い安静にしていましたので、大したことはありませんでしたが、改めて感染症の恐ろしさを感じとるこ

        • 都市の清流・住吉川を巡る~六甲南麓の災害文化探訪~ 第3回 清流に育まれた酒の故郷

          川瀬流水です。六甲南麓を流れる都市河川随一の清流、住吉川を取り上げ、上流部から河口域までを通して巡る旅を続けています。   今回の旅では、流域に大きな被害を与えた86年前の阪神大水害と、流域を彩る豊かな文化の双方に着目しながら、各地を巡っています。   前回は、大水害による被害の中心エリアを一気に巡りましたので、少し長い旅となってしまいました。 , 最後となる第3回は、少し趣きを変えながら、JR・阪神国道から河口までの下流域をみていきたいと思います。 参考に、住吉川周辺図を

          都市の清流・住吉川を巡る~六甲南麓の災害文化探訪~                         第2回 谷崎潤一郎ゆかりのJR界隈

          川瀬流水です。前回から3回にわたり、六甲南麓を流れる都市河川随一の清流、住吉川を取り上げ、上流部から河口域まで通して巡る旅に出ています。   引き続き、流域に大きな被害を与えた86年前の阪神大水害と、流域を彩る豊かな文化の双方に着目しながら、旅を進めてまいります。   第2回目である今回は、阪急からJR・阪神国道までを中心に、みていくことにしましょう。なお、住吉川周辺図として、下記のとおり、JR以北、JR~河口、の2種類を添付させていただきます。  前回の最後に訪れた甲南大

          都市の清流・住吉川を巡る~六甲南麓の災害文化探訪~                         第2回 谷崎潤一郎ゆかりのJR界隈

          都市の清流・住吉川を巡る~六甲南麓の災害文化探訪~           第1回 新緑が美しい阪急以北

          川瀬流水です。6月も下旬となり、例年より大分遅くなりましたが、神戸もようやく梅雨入りとなりました。   この季節の六甲山は、アジサイの花が咲き始め、新緑が陽光に照り輝いて、とても美しい風景を醸し出します。   六甲南麓には多くの河川が流れていますが、山が海の近くから急角度でせり上がっているため、いずれの河川も短く、急傾斜で流れ下る形となっています。   とくに、六甲山頂(931メートル)の南に源を発し、ほぼ南北にまっすぐ流れ下って、大阪湾に至る住吉川は、その代表的なものと言え

          都市の清流・住吉川を巡る~六甲南麓の災害文化探訪~           第1回 新緑が美しい阪急以北

          「33年に一度の秘仏公開『摩耶山天上寺』三面四臂十一面観音?」のなかで、ご紹介いただきました

          やんまあ様、標記のご投稿のなかで、「対岸の空海 第2回 摩耶山と女人守護」をご紹介いただき、ありがとうございました。 2019(令和元)年に行われた、33年に一度の秘仏公開の様子を知ることができ、大変興味深く読ませていただきました。 これからも、取り上げていただけるよう励みたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

          「33年に一度の秘仏公開『摩耶山天上寺』三面四臂十一面観音?」のなかで、ご紹介いただきました

          対岸の空海                     第2回 摩耶山と女人守護

          川瀬流水です。空海さんの聖地、高野山から、大阪湾をはさんだ対岸に、六甲山が位置しています。この山並みにも、空海さんの足跡が数多く残されています。  前回は、再度山(ふたたびさん)を取り上げましたが、今回は、摩耶山(まやさん)について、みていきたいと思います。 摩耶山は、再度山と同じく市街地の近くに位置していますが、標高702メートルと再度山よりひとまわり高く、急傾斜でせり上がります。 摩耶山は、祖先の霊(祖霊)が宿る聖なる山として、六甲山系の信仰の中心的な役割を果たして

          対岸の空海                     第2回 摩耶山と女人守護

          「#アウトドア記事まとめ」に追加いただき、ありがとうございました

          川瀬流水です。今回「対岸の空海 第1回 再度山と山岳信仰」を追加いただき、ありがとうございました。これからも、頑張って投稿していきたいと思います。

          「#アウトドア記事まとめ」に追加いただき、ありがとうございました

          対岸の空海             第1回 再度山と山岳信仰

          川瀬流水です。今年は、弘法大師空海(774~835年)の生誕1250年にあたります。   これを記念して、奈良国立博物館で特別展 「空海 KUKAI-密教のルーツとマンダラ世界」(4.13~6.9)が開催されるほか、様々なメディアでも、その偉大な生涯をたどる企画が組まれています。   空海に関わるスーパースポットといえば、真言密教の聖地である高野山金剛峯寺(こんごうぶじ)、根本道場である京都の東寺(教王護国寺)が真っ先に思い浮かびます。   大阪湾は、古代から現代に至るまで、

          対岸の空海             第1回 再度山と山岳信仰

          「今、このnoterが面白い」に、ご紹介いただきました

          今回「春よ来い」をご紹介いただき、ありがとうございました。 前回の「神戸ルミナリエ、第2回漆黒の異界」に続き取り上げていただいて、とても励みになります。

          「今、このnoterが面白い」に、ご紹介いただきました

          春よ来い

          川瀬流水です。北但馬の香美(かみ)町村岡から、湯村温泉で有名な新温泉町へとつながる旧国道9号沿いに、「春来峠」(はるきとうげ)があります。 標高400メートル、但馬の原風景と言われる有数の豪雪地帯で、つづら折りの坂道が続き、古代より山陰道の難所として知られていましたが、新しい国道(春来トンネル)ができて、現在は静かな山里となっています。   峠を中心とする集落は、元々「椿村」と呼ばれていましたが、これが「春木村」となり、さらに「春が来るのを待つ」という意味に転化して「春来村

          境界の向こう側~お彼岸に邪気を祓い、避災招福を願う~

          川瀬流水です。今年の春分の日は。3月20日(水)でした。春分は、太陽が真東から昇って真西に沈み、昼と夜の長さが同じになるという、1年のうちで最も重要な季節の変わり目のひとつです。   春分を中日(ちゅうにち)として、前後3日間を含む7日間は、春の「お彼岸」(おひがん)と呼ばれます。   彼岸という言葉は、サンスクリットのパーラミター(波羅蜜多)に由来し、迷い多き現世(こちら側の岸)から、悟りを得るための修行をへて到達する浄土(向こう側の岸)をさします。   お彼岸に行われる行

          境界の向こう側~お彼岸に邪気を祓い、避災招福を願う~

          災害と怪異

          川瀬流水です。東日本大震災が発生した2011(平成23)年3月11日から13年が経ちました。亡くなられた方々に深く哀悼の意を表するとともに、いまだ不自由な生活を余儀なくされておられる方々に、一日も早い日常が戻ってくることを願っております。   このような災害が起こると、前ぶれと思われるような異常現象が話題になることがあります。カラスが集団で鳴き騒ぎ姿を消した、海上に明るい光の筋が見えたなど・・・   私は、阪神淡路大震災で似たような現象を経験しました。屋外で飼われていた隣家の

          災害と怪異

          陳舜臣生誕100年に寄せて              第2回 自然が溢れる美わしの街よ

          川瀬流水です。前回は、神戸ゆかりの作家、陳舜臣(1924.2.18~2015.1.21)の生誕100年にちなみ企画されたミステリーツアーに沿って、小説『三色の家」に描かれた神戸の街の姿を取り上げました。 今回は、彼が神戸に寄せた思いについて、みてみたいと思います。   『三色の家』では、主人公の陶展文は大学卒業後中国に帰国しますが、1年前に発表された第7回乱歩賞受賞作『枯草の根』(かれくさのね)のなかでは、50歳になった彼が神戸で中華料理店「桃源亭」を開いています。 今回

          陳舜臣生誕100年に寄せて              第2回 自然が溢れる美わしの街よ

          陳舜臣生誕100年に寄せて                        第1回 小説『三色の家』の街          

          川瀬流水です。今年の2月18日は、神戸ゆかりの作家、陳舜臣(1924.2.18~2015.1.21)の生誕100年にあたります。   私は、広島県南西部の海辺の町、呉(くれ)市の生まれですが、神戸には、就職と同時に移り住みました。「海にも山にも近い。これが、神戸のキャッチフレーズ」と陳舜臣は述べていますが、海に向かって開かれた雰囲気はよく似ています。 生まれ故郷に似た心地よい街の暮らしに包まれながら、読み親しんだのが陳舜臣でした。今でも最も好きな作家の一人です。   私は、

          陳舜臣生誕100年に寄せて                        第1回 小説『三色の家』の街