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ぬか床が可愛くて
ぬか漬けを始めて何年になるだろうか。
最初はよくあるジッパーバッグに入ったもので試しにやってみたけど、扱いにくすぎてすぐに諦めた。
それでもなんとなく諦めつかなくて同じものをもう1度買って、今度は大きめのタッパー容器に移してみたら、一気に扱いやすくなって半年以上は続いたんだけど、冬にあまりにも手をかけなさすぎて悪くしてしまい手放した。
それでも懲りずにまた同じ容器で始めて、1.2度ほどぬか床を殺しかけたけど、復活させながら続けられている。
今思えば、前回悪くした時も手をかければ復活できたと思う。
だから同じぬか床で少なくとも3年以上、トータルしたら5年は経つか経たないかという感じだろうか。
一応、発酵食については資格を取ったほど興味があったけど、日ごろから熱心な方ではないのでストイックにはやっていない。
ただ、ぬか漬けだけは、なんとなくどうにか続いている。
最初に念を押しておくけれど、私は決してマメな人間ではない。残念なほどに。
ぬか漬けというと、毎日せっせと混ぜて管理しないと大変というイメージがあるかもしれないけど、もちろんそんなことが私にできるわけがない。
実際にやっていない。
ざっくりとした説明だけど、発酵は温度が高いと進みやすく、低いと遅くなる性質がある。
だから、基本的には冷蔵庫管理。
水分と塩分だけ気を付ければ、冷蔵庫に1週間以上放置していてもダメにならない。
(ただしおすすめはしない)
ってゆうか小声で再生してほしいんだけど、旅行などでバタバタして1ヶ月以上放置してしまい、ぬか床にカビを生やしてしまったことがあるんだけど、ぬか床のすごいところはそれでも復活できることだ。
衛生観念がすさまじい現代の日本では1度でも1ミリでもカビが生えたら即廃棄みたいな感覚があるし、私もカビを恐れている1人だけど、ぬか床に関しては結構タフだ。(ただしカビの種類や状態にもよる)
これに関しては実際に体験してみないとなかなか信じられないかもしれない。
まあ失敗も重ねながら適当な管理でもそれなりにぬか床をお世話して、おいしいぬか漬けを楽しめるようになったのは、完全に文明の利器・冷蔵庫のおかげなのである。
ただ、さっきも言ったけど、発酵というのは温度にかなり影響を受ける。
冷蔵庫管理でぬか床が痛みにくいのは、温度が低いことで菌の活動が控えめになっているということでもある。
実際、同じ野菜を漬けても、冷蔵庫だと同じ漬かり具合にするのに常温の時の2~3倍ほど時間がかかる。
まあ言ってしまえば、ぬか床が本来の力を全力でに発揮できるのは常温の時なのだ。(一般的には25℃前後らしい)
ただし、温度が高くなると雑菌の繁殖も活発になる。
乳酸菌をはじめとした体に良いとされるぬか床の菌たちが元気であれば、雑菌の繁殖を抑えることもできるから問題ない。
そこで、良い菌を元気にさせるために、せっせと混ぜる必要があるのだ。
さて、ここからはあくまで私の個人的な経験談だけど。
冷蔵庫管理は確かにラクなんだけど、常温管理しているぬか床で漬けたぬか漬けの方が圧倒的に美味しい。
まずぬか床の様子が違う。
冷蔵庫管理だと当然冷たいし、みちっと詰まっていてしっとりしたペーストという感じなんだけど、常温管理だとぬか床がふわっとする。
そして、発酵による発熱もあり、ほんのりと温かい。
手を入れた時の、心地よさが段違いなのだ。ほわほわ~っとして、ものすごく気持ちいい。
そして、漬けあがった食材の旨味が濃い。まあ感覚の話なんだけどね。
冷蔵庫管理のは、寡黙で真面目な菌たちがせっせと発酵しました、みたいな静粛さがあるんだけど、常温管理のは、陽気でゴキゲンな菌たちが楽しく発酵しました!みたいな味がするんだよ。もうっ、伝われっ!!
だから寒い季節になると、冷蔵庫から出して常温管理にするようにしている。
冬の暖房の効いた部屋くらいが、結構ちょうどよかったりするので。
それに、面倒になったり飽きたりしたら冷蔵庫に戻せばいいし。
ちなみに今年は足しぬかをした3日前に冷蔵庫から出して、今日、足しぬか後初のぬか漬けを出した。
あーーーそうそうこれこれこれこれ!!!本領発揮してるわーーー美味しいわーーーー!!!!
ちゃんと元気だね。ああ可愛い。
相変わらずマメじゃない私だけど、これからもよろしくねえ。
※ちなみに今は野田琺瑯のぬか漬け美人という容器を使っています。やはり専用ツールだけあって超使いやすくておすすめ。