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freestyle読書日記

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「おまえたち、私と一緒に祈りたいのかね?」「僕たちが決してお祈りをしないことは、ご存知のはずです。そうじゃなくて、僕たちは理解したいんです。」 (アゴタ・クリストフ「悪童日記」)
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2020年5月の記事一覧

#59 I Loves You, Porgyと文法と

今週はニーナ・シモンのLittle Girl Blueを何回も聴いていた。 “I Loves You, Porgy”という…

#58 孤独の歴史と夜の歴史と

緊急事態宣言解除されたけれどしばらくはリモートワークが続きそう。 移動が制限された自粛期…

#57 書くことは失敗すること

上の記事を読んで、ある動画を紹介したくなった。米国のジャーナリストのタナハシ・コーツが「…

#56 マイケル・ポーランと幻覚剤と意識の起源と

マイケル・ポーラン”How to change your mind”の日本語版が出たと知った。これは面白い本。…

#55 嫌われ者とコレミチ君と

芥川龍之介の短編をいくつか読む。 Kindleの「378作品→1冊」みたいな全集で読んでいるのだけ…

#54 アートとサイエンスと三体問題と

「ストーリーとしての競争戦略」読み続き中。経営学って科学なのか、みたいな話を昨日書いたが…

#53 ストーリーと生存者バイアスと

楠木健「ストーリーとしての競争戦略」読み中。 各論としての市場分析や製品分析ではなく、人に語りたくなるようなストーリーのある企業戦略が大事、という本。 なのだけど、経営学系の本はどうしても生存者バイアスがかかっているように思ってしまう。成功した企業はこれをしていた!と語る本は多いけれど、同じことをして失敗した企業が見つかればいくらでも反証ができるように感じる。 そもそも経営学におけるデータやサンプルの扱い方って、どうなっていると「科学的」と見なされるのだろうか。もう少し

#52 理由のない場所と悲しみの味と

イーユン・リー「理由のない場所」読み終わり。 何回か前に書いたがこれは著者の16歳の息子が…

#51 世界と私の100冊と

ブログの方に、世界の様々な「名著100冊」リンク集と私的なベスト100冊のまとめを作った。 世…

#50 データの量と意思決定と

一週間おわり。最近仕事していて思うのは、とにかく一日の仕事が終わったときに、上機嫌でいた…

#49 イーユン・リーと重いテーマと

イーユン・リーの新作「理由のない場所」を購入。 イーユン・リーは生きている作家で最も好き…

#48 リスクと命の価値と

ぐるぐるいろんな本を読み中。今のデックは以下。 ・Notes from apocalypse ・リスク(サイエ…

#47 けものたちと日はまた昇ると

安部公房補完計画として読んでない作品読み始める。「けものたちは故郷をめざす」から。 あと…

#46 ぐるりのことと

梨木香歩「ぐるりのこと」読み終わり。かなり好きだ。 梨木香歩のエッセイって、具体的な描写と抽象的な思考のバランスとか、現実の出来事と背景の教養のバランスとかが心地よい。簡単に言うと教養を感じる。 知人で、好きな作家のタイプとして「亡命作家」というくくりを使っている人がいるのだけど、梨木香歩にはそんな匂いを感じる。どこにも亡命してないけど。 本の中で、エドワード・サイードの自伝「遠い場所の記憶」や、欧州のジプシー民族ロマのルポルタージュ「立ったまま埋めてくれ」を紹介してい