#46 ぐるりのことと
梨木香歩「ぐるりのこと」読み終わり。かなり好きだ。
梨木香歩のエッセイって、具体的な描写と抽象的な思考のバランスとか、現実の出来事と背景の教養のバランスとかが心地よい。簡単に言うと教養を感じる。
知人で、好きな作家のタイプとして「亡命作家」というくくりを使っている人がいるのだけど、梨木香歩にはそんな匂いを感じる。どこにも亡命してないけど。
本の中で、エドワード・サイードの自伝「遠い場所の記憶」や、欧州のジプシー民族ロマのルポルタージュ「立ったまま埋めてくれ」を紹介していて、それも読んでみたい。
ところで、橋口亮輔監督の同名映画はこの本が元ネタだったようだ。大好きな映画のひとつ。