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外国人技能実習制度の変革と新制度への移行
はじめに
外国人の技能実習生の多数の失踪を受け、政府の有識者会議が、第12回目が開催されて、現行の技能実習制度の廃止と新制度の導入を検討しているとの、報告書のたたき台をまとめて、2023年10月18日発表となりました。
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技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議
参考資料
新制度では外国人を最大3年で専門技能を持つように育成し、特定技能制度を維持する一方で、技能と日本語の試験に合格が必要とされます。また、別の企業への「転籍」が1年以上の勤務と一定の技能及び日本語の能力を持つ者に限り許可される方針です。
今日は、その動向について、まとめながら、書いていきたいと思います。
失踪問題を解決へ
1. 現行の技能実習制度の課題
2023年に入り、外国人の技能実習生の失踪が相次ぐ問題となっています。技能実習制度は、外国人が、最長5年間、日本で働きながら技能を学ぶ制度ですが、不適切な扱いや違法な低賃金、長時間労働が問題となっており、去年は9006人の技能実習生が失踪したという深刻な状況が発生しています。
2. 新制度の概要と目的
このような状況を受け、政府の有識者会議が動き出し、現行の技能実習制度を廃止し、新しい制度の導入を提案しています。新制度の大きな特徴として、外国人が原則3年間で一定の専門性や技能を持つ水準にまで育成されることが、目標とされています。
特定の分野、例えば介護や建設などの専門知識が要求される技能制度は維持されますが、これには技能と日本語の試験の合格が必要とされる新たな条件が付与されます。
3. 転籍の条件緩和
従来、技能実習生の転籍は原則認められていませんでしたが、新制度では1年以上の勤務後、一定の技能と日本語の能力を持つ者は同じ分野内での転籍が可能となります。
私は、実務上の経験から、1年目からのやむを得ない転籍が認めれてきた事例について、お話しして来ました。私たちのこのスタンスは、これまで通り継続できると考えています。
ただ、2年目からの実習生が、不適切な労働環境から脱却するため、原則的なルールを示すことは、私たちにとっては、大きな妥協ですが、良い方向だと思います。
4. 実習生の経済的負担軽減策
多くの実習生が、母国の送り出し機関や仲介者に高額な手数料を支払って、来日している現状に対応し、日本の受け入れ企業が一定の負担をする仕組みが導入される予定です。
国策としての方向を示さなかったことについては、費用負担を受益者負担の受入れ企業にのみ、負担させる方向について、革新的ではないと考えています。
5. 有識者からの評価と提言
日本国際交流センターの毛受敏浩執行理事は、新制度の大枠に対しては評価的な見解を示しています。しかし、転籍の中立性や安全性に関しては、政府が中心となって対応すべきとの意見もあり、今後の議論や調整が必要とされています。
6. 日本の労働市場との関連性
日本は現在、人口減少とともに人手不足の問題が顕在化しており、外国人の労働力がますます重要となってきています。この新制度は、日本の労働市場における外国人の役割や位置付けを再定義するものとなることは、日本では広く望まれることで、議論が、活発になることを期待しています。
7. 現行制度の背景と課題
技能実習制度は、1993年に始まり、国際貢献を目的として導入されました。前身の研修制度では、外国人研修生が、雇用契約がないまま、労働していることを、闇のものとするのではなく、技能実習制度に変換したものでした。
しかし、その実態は、理想を追う制度となり過ぎて、実態にそぐわない、労働環境の厳しい業種での安価な労働力確保という形になりがちで、目的と実態の間に大きなギャップが存在していました。
8. 転籍制度の見直しの背景
転籍制度の見直しは、実習生の人権を守るためのものとして提案されています。有識者会議は年内に最終報告書をまとめ、小泉法務大臣に提出する方針だと報道されています。
今後の技能実習制度の変革、新制度への移行について、私は、外国人実習生の権利保護と、失踪の中に隠れている外国人実習生の義務を明確にする論点も、活発に議論される必要があると思っています。
さらには、日本の労働市場の健全な発展のため、国際的にも期待されるものです。
今後は、日程が明示されていないですが、パブリックコメントの期日を明らかにして、実務に真摯に取り組んでいる人たちの意見を集約する必要があると思います。
日本は、将来の日本の社会のために、
より良いしくみを構築できるはずです。
お読みいただき、本当にありがとうございます。
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