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介護業界における外国人採用の現状と課題

介護業界における外国人採用の現状と課題【2,501字】 

 日本の介護業界は、急速に進む高齢化社会の中で深刻な人手不足に直面しています。この問題は、労働人口の減少や介護ニーズの増加によって加速しており、今後さらに深刻化することが予測されています。

 政府や関係機関の推計によれば、2023年には約22万人の介護職員が不足しているとされ、2025年にはその数が32万人、そして2040年には69万人に達すると見込まれています。

 これらの数字は、介護業界が今後ますます困難な状況に陥ることを示唆しており、業界全体で早急な対策が求め、様々な取り組みが行われています。

 現状では、介護施設の60%以上が職員不足を感じており、86%以上の企業が人材確保に苦戦しています。

 人材不足はサービスの質低下や過労によるスタッフの離職率の増加につながり、結果として介護施設の運営そのものが危機に瀕するリスクがあります。

 このような状況を打破するために、外国人労働者の採用が一つの解決策として注目され続けてきました。

 しかし、外国人を介護職として受け入れることには、高度なコミュニケーション能力や命を預かるという責任の重さから、多くの介護事業者が良い意味での慎重な姿勢を取っています。

介護職に従事する外国人が持つ在留資格は主に以下の4つに分類されます。

❶EPA介護(※次回の投稿にもう少しまとめます)

 経済連携協定(EPA)に基づくこの資格は、フィリピン、インドネシア、ベトナムの3国からの介護福祉士候補者が対象となっています。

 候補者は一定の条件を満たせば在留期間の延長が可能で、最終的には介護福祉士としての資格取得を目指します。
 この制度は、労働力不足を補うだけでなく、日本と提携国との関係強化にも寄与しています。

❷介護ビザ

 これは、日本国内の介護福祉士養成施設を卒業し、国家資格を取得した者に付与される在留資格です。この資格を持つ者は、日本で無期限の在留が可能であり、家族の帯同も認められています。

 介護ビザは、長期的に安定した介護人材を確保するための重要な手段とされていますが、日本語能力や文化的な適応が求められるため、取得には一定のハードルがあります。

❸特定技能:介護

 これは、技能実習を終えた外国人が介護分野で働くために取得できる在留資格です。特定技能を取得するには、一定の技能や日本語能力を証明する必要があり、そのために試験が実施されます。

 特定技能の導入は、より柔軟に外国人労働者を受け入れるための政策として位置づけられていますが、その運用には、適切な指導とサポート体制が不可欠です。

❹技能実習:介護

 技能実習生として介護分野で経験を積み、一定期間日本に滞在できる資格です。この制度は、母国での介護福祉に関する資格や経験を持つ者が対象で、日本での実務経験を積むことで、母国に帰国後もその知識と技能を活かすことが期待されています。

 しかし、技能実習制度には労働環境の改善や人権保護の観点からの課題も指摘されています。

 2019年から2023年の5年間で、日本は約6万人の特定技能を持つ外国人労働者の受け入れを目指してきました。そして、2024年から2028年の5年間には、さらに13.5万人の受け入れが目標とされています。

 これは、日本の介護業界が直面する深刻な労働力不足を緩和するための重要なステップですが、この目標が達成されなければ、介護業界はさらなる労働力不足に直面し、最悪の場合、経営危機の恐れがあります。

私からみた経営数値からの介護事業経営は、収益性が構造上低くく制度改正の荒波は、日本政府からの支援に乏しい歴史だったと思います。

 特に、医療業態の病院経営からの複合的な介護事業についても、病院経営そのものの高度医療検査機器の設備投資や増床(病棟の拡大)など、投資コストが多額となり、保守費や維持費など、人件費以外の費用も、多きな割合となり、固定的にかかってしまう構造があるため、介護事業への資金の運用が、計画通りに進まないというような課題があります。

 現在、日本には約8万人以上の外国人が介護職に従事していて、次の内訳が目安となると思います。(4種の在留資格内での変更手続きがあるためいつも変動しています)

❶EPA介護福祉士・候補者在留者数:3,186人(うち資格取得者587人)
※2024年3月1日時点(国際厚生事業団調べ)
❷在留資格「介護」在留者数:9,328人
※2023年12月末時点(入管庁)
❸技能実習在留者数:14,751人
※2023年6月末時点(入管庁)
❹特定技能在留者数:28,400人
※2023年12月末時点(速報値)(入管庁)

介護分野における特定技能協議会運営委員会
令和5年度第1回(R6.3.27) 資料2

 このような状況下で、介護事業者が適切な人材を適切な事業所に配置することが求められています。しかし、外国人労働者を受け入れるだけではなく、その後の教育やサポート、さらには職場環境の改善が必要不可欠です。

 特に、外国人労働者が長期的に日本で働き続けるためには、生活面でのサポートや、キャリアアップの機会提供が重要となります。

 また、外国人労働者の受け入れに関するもう一つの重要な課題は、日本社会全体での理解と受容です。外国人労働者が増加する中で、彼らが円滑に働ける環境を整えるためには、地域社会や職場での日本人との協働が不可欠です。文化的な違いを理解し、相互の信頼関係を築くことが、外国人労働者の成功と日本の介護業界の発展に繋がる、つなげられると考えています。

 まとめると、介護業界は今後、ますます深刻化する人手不足に対処するために、外国人労働者の活用が不可欠な状況にあります。

 しかし、その受け入れにあたっては、事前の教育や適切なサポート体制の整備が求められています。今後も外国人の力を借りながら、介護の質を維持し、さらなる発展を遂げることが期待されます。

 また、外国人労働者が日本の介護業界で長期的に活躍できるよう、働きやすい環境を整備することが、業界全体の持続可能な成長を願っています。

 私たちも、今までは、個別に特殊な相談支援が多い現状でしたが、今年は、特にワンツーマンで、札幌、石狩圏、関東圏で教育支援の要請があり、職場の仲間たちからの本格的な展開の要望が強くなりました。

 この流れから、アイアジアグループとして、介護業界の課題に取り組み、活発に取り組むこととなりました。

 みなさまにお伝えいたします。


彼は一年間の特定技能の農業から
特定技能の介護に転職することになり
帯広シュアハウスで最後のお別れをしました
私たちを逆に応援してくれた1人です
大阪なんばへ旅立ちました。
彼の将来を期待して涙はいらなかったです。


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