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外国人特定技能制度の動向について


はじめに


2019年4月からの外国人特定技能制度の創設は、日本の労働市場に変革的な影響を与えて来ました。この制度が導入されてから4年が経過して、多くの分野で外国人労働者の受け入れが進んでいます。しかし、新型コロナウイルスの影響や各業界の需要の変動が、この制度にも影響を与えてきました。
コロナ禍が終息した状況下で、2023年8月時点での最新の動向とその背後にある要因、さらには今後の展望について書いていきたいと思います。

1.特定技能在留資格者数の最新状況

出入国在留管理庁のウェブサイトによると、特定技能在留外国人数についての最新の公表データは、四半期ごとに発表されてきましたが、2023年3月以降の数値は、集計作業が終わっていないようで公表されていません。
札幌出入国在留管理局総務課にも問合せましたが、まだだということです。

令和4年(2022年)12月末時点で、特定技能在留外国人数(速報値)で130,923人となっています。特に、飲食料品製造業での需要が高まっています。この増加は、新型コロナウイルスの感染拡大が一定程度収束したこと、ワクチン接種が進んだことが影響していると考えられます。
また、この感染拡大が終息して、景気の回復や観光客の訪日も回復し始めたことも大きな影響です。

分野別の動きについても、数値として、統括部門となる農水省からも厚生労働省、国土交通省からも、現在も公表されていいません。

外食業
新型コロナウイルスの影響で外食需要が減少したことが影響していますが、最近では徐々に回復の兆しを見せています。新しい食文化の導入や多様な食品の提供が、この回復をサポートしています。
宿泊業
観光業は新型コロナウイルスの影響で厳しい状況にあったが、国内外からの観光客が増加し、回復に向かう傾向が見られます。特に、地方都市への観光が活発化しています。
飲食料品製造業
巣ごもり需要やテイクアウト、デリバリーの需要増加が影響しています。さらに、新たな食文化の導入や多様な食品の生産にも寄与しています。


2.政府の対応

日本政府は、新型コロナウイルスの影響を受け、各分野での受け入れ枠を見直して来ましたが、2023年の数値情報がないため、最近がどうかを検証できないです。
特に飲食料品製造業などでは、需要が高まっているため、受け入れ枠をさらに拡大する方針を打ち出して来ました。
これにより、業界全体の労働力不足が、解消されていく方向へ動いたことも、振り返ってみると、前政権の大きな決断だったことは、歴史的にも、評価されるものだと思います。

現在は、『技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議』が7月31日に第10回が開催されて、最終報告をすべくとりまとめをしている最中だと思います。

技能実習制度の廃止や新制度に注目が集まっていますが、一方で、特定技能が来春で5年を経過することが、迫っています。

特定技能1号から2号への変更申請が、活発化する中で、特定技能制度の枠組みの中の、永住権申請の実務換算期間の見直し、家族帯同や子育て、教育などの課題の改善策、解決策の実施へ、対応策が、加速することも、しっかり見ていかないとならないと思います。

3.今後の課題と展望

1.持続可能な制度設計

既得権益の保守層との調整が、行われていると思います。特に、長期的な視点での制度設計が求められています。「外国人技能実習制度⇒新制度へ」

2.技能実習制度の新制度移行による外国人就労者制度の統合と連動

特定技能外国人制度」と「外国人技能実習制度⇒新制度へ」との調整や制度それぞれの存在意義、又は、共通要素の統合や改善が必要です。
これにより、現在の技能実習制度よりも、より広い産業分野と職種で、より効率的な労働力の確保が可能となることを、願っています。

3.実習機構及び地方入国管理局での審査手続きの簡素化や体制の整備

技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議(第 10 回)(論点 5~9)にて、有識者会議の構成委員の一人である鈴木直道北海道知事は、提出資料 (2023.7.31 北海道)の中で、

『○ 論点7:国の役割について』
国の役割に関する道内の状況(道が独自に実施した調査、ヒアリング等) 北海道が、関係者に行ったヒアリングで、

・入国者増加により、実習機構及び地方入国管理局の審査に時間が掛かり、予定していた時期に入国できず、事業計画に支障が生じることがある。

・外国人の入国や転職に際し、年々申請書類が増えている上、書類の提出先が多く、作成する書類の内容も非常に煩雑であり、資料 作成に時間が掛かり、実習実施者・監理団体の負担となっている。

との声が多く聞かれたことから、審査の簡素化や負担軽減などの対応をお願いしたい。

と意見を述べています。また、

北海道としては、これまでも、実習生の円滑な入国の必要性について、提案してきたが、今後、人材確保と人材育成を目的とした新たな制度の 創設や特定技能2号の分野拡大によって、国内の外国人労働者の増加が、見込まれることから、入国時のみならず、入国後の在留資格更新等の手続きの遅れが生じないよう、地方における手続きの簡素化や体制の整備などが必要ではないか。

と意見を述べています。

私たちの現場の声を、伝えて頂いて、改善につながることを期待しています。

4.緊急時の対応策

新型コロナウイルス以外にも、自然災害や経済危機など、外国人就労者に対しても、平常時からの緊急時の対応策が必要です。これにより、制度自体の持続性が、安全に確保され、事故死などの危険から日本人も外国人も守ることが出来ます。

5.最後に

特定技能外国人制度は、今後も日本の労働市場に多大な影響を与えるでしょう。新型コロナウイルスの影響が色濃く出て、影響が多い現在と、この感染拡大が終息して、景気の回復や観光客の訪日も回復し始めた現在と、複雑な側面が共存する現在に、この特定技能制度が、どのように進化していくのか、その動きに着目する必要があります。

各分野を所管する省庁がこれまでに業界団体にヒアリングを行い、いずれも「特定技能2号」への移行が可能な制度変更を希望して、改訂が行われました。

日本政府は、今後も「特定技能2号」を活用し、海外からの優秀な人材の受け入れを進めることで、日本の経済成長やグローバル競争力の向上を目指しています。

今後もこの制度の動向をしっかりと分析し、その影響を予測していく必要があると考えています。

日本は、将来の日本の社会のために、
より良いしくみを構築できるはずです。

お読みいただき、本当にありがとうございます。


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