アグア 『短編小説.詩』

はじめまして。アグアです。 お話をずっと書きたいと思っていましたが、なかなか踏み込めず…

アグア 『短編小説.詩』

はじめまして。アグアです。 お話をずっと書きたいと思っていましたが、なかなか踏み込めずズルズルと日々が過ぎてしまって…。 「短編」フィクション小説や詩を細く長く書き綴れたらいいなぁと思っています。疲れたら呟いたり、好きな言葉も書きたいと思います。よろしくお願いします。

最近の記事

青い香り(詩)

夕方5時過ぎ 金木犀の香りに誘われて 鼻を空に突き上げる 住宅街の雑踏の中 私の胸のザワザワするものが動き出し 身体の隅々まで走り回る 公園で子ども達が風を切る 料理店の裏口から遠い異国のスパイスが香り 今まで食べた料理を思い浮かべながら 私の思考を奪っていく… 踏切の警告音 コン、コン、コンとリズムよく鳴り響く 踏切を足早に渡る青年達 金木犀の香りが声を運ぶ 「合唱の練習をしよう」と誘う青年に 友が答える… そして空に向かい友と歌い歩く 大

    • 一瞬を永遠に【短編小説】

       突然恋に落ちたあの日から10年が経ってしまった。あの時の事を時々思い出す。  そんな時、厳しく長い冬を耐え、やっと芽が顔を出した蕾が暖かな太陽を浴びて膨らみ、花が咲く瞬間の様なエネルギーが私の身体を包み虹色に熱くなる…。私は思いっきり手を伸ばし、身体を抱きしめる。愛おしく彼を思って…今でも…。  あの日は夕方から雨が降り始め、秋の空気をいっそう冷たくしていた。  友達の雪乃とお祭りに出かけた帰り道に後ろから声をかけられた。「もう、帰るの」…と低くて透き通る優しい男性の

      • 棘(詩)

        言葉の投げ合いが続き 小さな棘が彼と私の心の奥底に ズサズサと突き刺さる 些細な日常の埃がいつの間にか 積み重なっていた 彼の怒りの塊が彼自身を殴ったかのように みるみる憎しみに満ちた形相に変化した 怒りの電波を帯びた部屋の物たちが 宙に舞いグサリ、グサリと身体を傷つける 言葉は熱で燃え尽き灰になって ユラユラと茜色の夕焼けに吸い込まれた 何が言いたかったのか…言えたのか… わからない 夕焼け空、私の頭上にカラスが一羽 私が悪いとばかりに鳴き叫ぶ

        • ステップ(詩)

          ドアを開けた瞬間に 私の頬に秋かぜが吹く 火照った体の熱がサラサラと 小川の様な優しさで 一気に流されていく… 体の芯からつま先まで身体を確かめる様に… 私はスカートの裾を少し襷上げ コンクリートのステージで踊り出す つま先を上げ無重力の中でのステップしていた いつからだろう… 夕焼け色のライトが私を照らした 汗と一緒に私の黒髪が顔にくっついていた 黒い仮面がゆっくりとはがされ 私の心がしっかりと叫んだ 胸がすくほどかっこいい1日だった…と

          雨(詩)

          雨の夜 私の身体はチョコレートに溶けていく 甘くて苦い気持ち 屋根に当たる雨音 トントン…トン…トン… 時を少しずつタイムスリップさせる 私の奥に眠っている記憶が目覚める 花のように笑う彼の笑顔 互いを探るような口づけ 温もりが繭のように私を包む そして私は静かに 満ち足りた気持ちで眠りにつく

          あの日のこと

          4月から中学生になった。クラスには小学校 からの友達が1人、薫ちゃんが居たので何とか小さな居場所を作ることができた。 中学校の世界は薄っすらと化粧をした人、背が高く胸板が厚い人など、不揃いな人間がたくさんいる。先輩とすれ違う時の汗とコロンの匂いに私の鼓動が敏感に動いた。 コンクリートの校舎は冷たく、爪で引っ掻いた様な跡がいくつもある3階建ての建物。小学校の校舎と変わり映えしないのに私の身体はゾワゾワする。 私の教室は1階だったった。休み時間、ぼーっと窓際の席に座っていた

          初めまして。

          初めまして。こういうのを書くのは初めてなので、お見苦しい所も多々あると思いますが温かい目で読んでもらえたらなと思います。 そもそも、文書を書くのは苦手で頭の中が整理されずに悶々とする事が多くて… 皆さまに読んでもらうことで、自分の中にあるイメージした物や形、気持ちや言葉を書いてスッキリとさせたいと思っています。 今のところ…主にフィクションの短編小説、言葉探しなどを緩く書いていこうと思います。 よろしくお願いします。