明治のはなし(あきつしま)31
明治30年
1897年、日本はついに金本位制を導入した。これにより日本の経済は世界経済と接続され、急速な成長への礎が築かれることとなった。明治の人々は、新たな貨幣制度によって、日本がさらなる発展へと踏み出す姿を目の当たりにし、自信と誇りに胸を膨らませていった。
その一方で2月、朝鮮では高宗が慶運宮(徳寿宮)に還宮した。しかし、慶運宮の裏門はロシア公使館に直接通じており、この動きが単なる慶運宮への還宮ではなく、ロシアの保護下に入る暗示と見られ、周囲の国々に不安を抱かせた。慶