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愛国者学園物語 第4部

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「愛国者学園物語」はこの第4部で終わる。 日本人至上主義を子供に叩き込み、反日勢力と戦うことを教える愛国者学園に「モンスター」が入学した。次第に成長する彼女と、物語の主人公であ…
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#マスコミ

それぞれの思惑 愛国者学園物語 第240話 

「疲れたぁ!」居酒屋で美鈴はくたびれた。 その様子を見て根津は楽しそうに笑い、ビールのジ…

多事総論 愛国者学園物語 第238話

強矢は負けじと言った。 「 真理はいつも一つです。それは愛国心です。愛国心がない日本人は…

愛国心証明というもの 愛国者学園物語 第236話

 美鈴たちと強矢たちの討論は、水と油を混ぜるような仕事だった。彼らは 愛国心とは何かの定…

リトルヒトラーガール その1 愛国者学園物語 第234話

(2398字) 美鈴のテレビ出演はこれが初めてではない。かつて、勇ましい愛国少年の作文が…

開戦前夜 その1 愛国者学園物語 第232話

(1784字) 美鈴は根津と何度も話し合い、信頼出来る仲間として、「愛国砲弾」に臨む(のぞ…

コールドアイズ 愛国者学園物語 第231話

(2603字) ホライズン東京支局のある上司によれば、根津は良い男ではないらしい。  彼…

あの番組に出ろ 愛国者学園物語 第230話

(2164字)  ジェフが言ったこと、それは、美鈴に「愛国砲弾」に出演せよ、だった。言葉より早く、美鈴の視線がジェフの心を貫いた。 「正気ですか?」 「ああ、正気だ」 美鈴は激しい気持ちでジェフをにらんだが、やがて、自分の言葉に気づいた。 「すみません、言い過ぎでした」 「わかってる、気にするなよ。君も礼儀正しい日本人だな、褒め言葉として」 美鈴はそれに答えなかった。 ディスプレイ越しに数秒、お互いを見つめ合ってから、美鈴は言った。 「冗談言わないでください。あんな番組に

聖なる国防軍事件 愛国者学園物語 第226話 

 (1373字) 週刊まさかによる「愛国疲れ」の特集が終わって間もない頃、日本社会は大き…

眠れない強矢 愛国者学園物語 第215話

 その記事「強矢さんのライオン狩りとその背景」は、ホライズンの読者からは好評をもって受け…

オラクル来たる 愛国者学園物語 第214話

 人々がライオン狩りの興奮を忘れたころ、ホライズン東京支局に 「オラクル」が届き、いつも…

ホライズンのクレド 愛国者学園物語 第211話

   ファニーの本のおかげで、三橋美鈴はさらに有名になり、日本人至上主義者たちはその名を…

美鈴はとまどう 愛国者学園物語 第210話

 美鈴は一連の出来事を、ただ信じられずにいた。 礼儀正しく大人しいはずの日本人が、フラン…

ファニーの怒り爆発 愛国者学園物語 第200話

 この小説の読者は、親日家のフランス人女性ファニー・ジョフロワを覚えておられるだろうか。…

出会いと別れ 愛国者学園物語 第199話

 そんなある日。美鈴のもとに意外な人物がやって来た。欧米の文化に詳しい作家・ 田端彩子(たばた・あやこ)である。彼女はキリスト教徒であるからか、キリスト教神学の深い知識を持ち、それを深めるためにドイツの大学に留学していたこともあった。加えて、ラテン語、英語、フランス語、ドイツ語に堪能(たんのう)という才女である。  また彼女は「活火山」と言われるほど短気であり、それをあるテレビ局関係者が面白がって、コメンテーターに採用したところ、巧みなコメント、意義深い意見を素早く繰り出