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ジャーナリング:自己理解と感情整理のための習慣

自己理解を深めること。それは、充実した人生を手に入れるための重要な鍵だと私は考えています。
私はうつ・適応障害を経験する中で、自分と向き合う時間を持ちました。その過程で、特に大きな助けとなり、今でも日々の生活に活きていると感じるのが、ジャーナリングを取り入れたことです。『ジャーナリング』という言葉を耳にしたことはあっても、実際に試したことがない方も多いかもしれません。本記事では、私の個人的な経験を交えながら、その魅力をお伝えしたいと思います。


ジャーナリングとは

そもそもジャーナリングとはなんなのだろうか。おそらく聞き馴染みのない人が多いのではないかと思う。
俗に「書く瞑想」とも呼ばれており、1日の終わりに書く日記とは異なり、頭に思い浮かんだタイミングで1日に何度も書き出す頭の整理方法である。

ジャーナリング(journaling)とは、頭に思い浮かんだことをありのままに「書く」ことで自分を知り、ストレスを軽減し、メンタルヘルスを高める方法。紙に書き出すと集中力アップが期待できるだけでなく、自分の考え方や感情、物事を客観視でき、そこから気づきや発見が得られます。さらに、ネガティブな感情の増幅を抑えてポジティブな感情をつくり出せるのです。

https://www.awarefy.com/coglabo/post/journaling#index_xa8MSKid

参考までに、私は「muute」というジャーナリングアプリを利用して自分の思考・感情の可視化に取り組んだ。このアプリは、Xのようにその時々の感情や思考を手軽に投稿でき、週に一回AIからのフィードバックも受けられるというものである。投稿の際に「嬉しい」「穏やか」「不安」などと言った感情を選択することができ、のちにバブルチャートなどで振り返りもできるため個人的にはお勧めである。

始めたきっかけ

私はうつ・適応障害を発症し、約半年間の休職をしていたのだが、その休職期間中に、ジャーナリングの有用性を身をもって感じることができた。

私がうつ発症に至ったのは、仕事が原因でそこには様々な要因が重なったことによるものだったと認識している。ただ、感情を抑圧する性格も遠因にあったのではと考えている。休職期間中、自分を見つめる中で、環境要因があったとはいえ再発を防ぐためにも、自己理解を深める必要性を感じて、自分の感情をありのまま書き出すジャーナリングを始めたのである。

私が行った取り組みは、毎日感情が強く動いたタイミングで、スマートフォンアプリにその時の感情と考えを言語化する、というものである。これを毎日続けることで自分の思考の癖やどんな時に不快感を感じやすいか、またどれだけ自分が感情を抑圧して生きているかを客観的に把握しようとしたのである。
その取り組みの中で、①思考の結論付け、②感情の可視化という観点で、個人的には有用性を感じた。

ジャーナリングの効果 〜①思考の結論付け

まず、①思考の結論づけという観点についてである。
私はうつ状態の際、不安や恐れ、苦しい記憶が頭の中をループし、それに思考が占有され頭が通常通り働かないという感覚が強かった。その時に不安感の強まりをさらに感じるケースが多かったのだが、ジャーナリングで少し軽減することができた。理由としては、おそらく自分の思考に対して、「今はこう考えていてこう思うことに対して不安だ」と一定の結論めいたものを出すことで、反芻思考を止められるからではないかと思う。
思考がループしてしまい、不安が強まるという状態は、程度の差はあれ誰にでも発生しうるものだと思う。そうした時にジャーナリングは非常に有効ではないかと思った。

ジャーナリングの効果 〜②感情の可視化(メタ認知)

続いて、②感情の可視化という効果である。
これは、①の結論付けを行う過程で出てくる感情表現をありのまま書き出すことで可視化、メタ認知する効果である。

私の場合は、毎日何度も書き込みする取り組みを続けることで、少しずつ思考の癖が見えてきた。具体的には感情表現が少なく物事を分析的に捉えることが多く、ネガティブに物事を見た時はその帰責性を自分自身に求める傾向が強いということである。ただ、その一方で書き起こす際には結論をポジティブな方向性で締めたいという思考が働くことも多かった。これらの思考の癖に気づけたこと、そして私の言語化のポジティブな方向性で締めたいという癖により、少しずつうつ症状の改善にも効いたように感じる。

自分の感情を抑圧していることに気づかず日々を過ごしているケースは社会人であれば特に往々にしてあるように思う。そうした時に、無意識に欲求や感情を抑圧していることに気づかないと、気づかないうちに膨大なストレスを溜めることになってしまい、うつや適応障害と言った精神疾患のリスクも高まるのではないかと思う。気づかない限り、何の対策も立てられず、抑圧状態が常態化してしまうからである。
そうしたリスクを防ぐためにも、自分の欲求や感情をありのまま書き出し、抑圧されているのであればそれを認識して対策を打つということができる点で、ジャーナリングは有用なのではないかと感じた。

また、私の場合は副次的な効果として、自分の自己実現欲求の解像度を上げることができ、次のキャリアについて、ありたい姿から検討し直すことができたこともプラスになったと感じる。

終わりに

結論として、感情をありのまま受け止めることを、ジャーナリングという手段により習慣化したことで、私の場合は人生の前進につながったと思う。
私の場合は鬱という特殊な状況で効果を発揮した話であった。鬱に対しては一時的な効果の発揮はあるがあくまで限界があり、薬物療法や認知行動療法などとの組み合わせが必要なことは注意が必要であるが、そうでない人には、日常における①思考の結論付け、②感情の可視化は有用だと感じた。
最近はジャーナリングもスマートフォンアプリ(muuteなど)で手軽にできるため、もし興味がある方にはぜひお勧めしたい。

私は、今回の経験を通して自己理解の重要性を再認識できたため、引き続きジャーナリングの継続等により自己省察を深めていきたいと思う。

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