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「集中」が失敗を招く?なぜ医療業界はミスを減らせず、航空業界は進歩したのか?|『失敗の科学』に学ぶリスクマネジメントの本質
たぶん、2回連続になると思うのですが、2冊の本をご紹介します。1冊目は『失敗の科学』でもうひとつは『多様性の科学』です。
なんで今ご紹介かというと、この2冊の本についてはオーディブルが2月末までしか読み放題で読めないのです!え、読み放題のオーディブルもそんなことあるの?と思われるかもですがどうやらあるようです。
今紹介しとかなければ!ということで紹介します。(2月28日までです)
3月以降、オーディブルの提供があるかどうかわからないので、Kindleのリンクも併せてご紹介します。
失敗の科学と多様性の科学はマシュー・サイドさんという方が書かれた本ですが、異なるようで関係する内容だと思います。
『失敗の科学』の方はその道のプロたちが失敗を起こす過程を振り返りどうすれば良いのかといことがわかりやすく書かれていました。いくつか印象に残ったものを上げていきたいと思います。
集中は時間の概念を忘れさせる|集中があだとなる失敗
本書で紹介した2つの失敗事例が印象深かったです。ひとつは、医療における失敗事例です。ベテラン医師がある処置にこだわりすぎてしまい時間切れとなり患者さんを亡くしてしまったケース。
もう一つは、航空機の失敗事例です。着陸の際、車輪がでているかどうかの確認に時間がかかりすぎてしまい、燃料切れで墜落してしまったケースです。
どちらのケースも傍からみると、さっさと気持ちを切り替えて緊急処置をすれば犠牲者など出ないケースです。しかし、残念ながら失敗するケースは起きてしまうのです。
そこには、「集中」がありました。どちらもベテラン医師でありベテランパイロットなのですが、原因追及に集中してしまったのです。集中は良いことのようにみえるけど、実は集中にはメリットとデメリットが存在します。
このデメリットの一つに時間を忘れてしまうことにあります。よくゾーンに入るという表現があると思います。これは時間を忘れて没頭することを意味しますが、緊急事態にそれをしてしまうと大切な初動が遅れ取り返しのつかないことになってしまうのです。
よく集中しろ!と仕事の場面でありますが、必ずしもよくないのだなと思い至ったのです。
誰でも意見を言い合える環境にあるか否かでも変わる
ベテランがいることは安心です。ときにはすごい権力を持ってしまうこともあります。しかし、これが危険になることもあるようです。
ベテランで圧倒的な影響力を持つ場合、その人に意見することが難しくなります。周りもその人だから大丈夫。そんな雰囲気になります。
それが冗長されると、「あ、間違っているかも」と思うときも意見を言い出しにくい雰囲気になります。また、意見を言えたとしても周りが取り合ってくれないこともあります。
組織における心理的安全性を確保といいますが、何でも言い合える雰囲気なチームでないと大きな失敗をしてしまう温床になってしまうようです。
根本原因は組織がオープンループになっているかにかかっている
本書では、失敗の代表事例を医療現場と航空業界で対比しています。どちらも犠牲者が出る大失敗です。しかし、その後によって違いがでてきます。
医療業界は今でも昔と変わらず医療事故が発生しています。他方航空業界は失敗がどんどん少なくなっており、飛行機は交通手段の中でももっとも安全な手段にまでなっています。
この違いはなにかというと、組織がクローズドループかオープンループどちらになっているかによっているようです。
医療現場はクローズドループです。手術現場は限られた人が行っており執刀医を頂点として手術が行われます。そこではその医師の腕にかかっていて、文句を言う雰囲気があまりありません。
一方航空業界はオープンループです。いろんな人が携わって飛行機を飛ばします。そのため、失敗事例はとことん表にだされ、研究され次へと生かされていくのです。
チームとしてもそうなのですが、組織・人事の面でも失敗が表に出た方が評価される組織ルールにしていくことで、失敗を糧に発達する組織になっていくようなのです。
科学には反証があるから進歩する
失敗の科学というタイトルから、科学ととらえると失敗は進歩していきます。科学がもっとも発展する分野であるという所以は必ず反証が伴うからのようです。
今の信じられている真実はいつでも仮説なのです。科学的に証明されているというのは、今のところ真実のようだということです。
たとえば、天動説と地動説があります。(アニメの「チ。」がおもしろいですwちょっとそれしまった・・・)
天動説の頃は、それが世界の真理とされていたのです。しかし、そこでコペルニクスやガリレオなどにより地動説により反証されることによって常識がかわりました。(実際は命がけみたいですけども)
このように、科学は常に仮説であり、常に反証の機会があるため常に進歩しているようなのです。発展には重要なしくみなのです。
ということで、今日は失敗の科学の本について書いてみました。ちょっと中途半端ですけど、もしかしたらまた書き直すかもです🙇
3行日記:ほしい本はオーディブルでも購入しましょうということかな
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以前オーディブルで読み放題だった本です。「仕事は楽しいかね?」という本ですが、もう利用ができません。利用できない場合は購入すればよいようですが、取り扱いが無くなっているので購入もできません。
非会員なら購入しか選べませんが、購入さえすればずっと聞くことができるのかもしれません。意外と知らない読み放題会員のデメリットなのかもしれませんね。もうちょっと調べてみようかと思います。
1年前:noteでジャンプリンクを作っていたようです
noteのリンク機能を工夫すると、タブのように作ることができます。ただし新しいタブで開いてしまうのでちょっとなーですが、見た目はそれっぽくなって自分では満足しているようです。
こんな風に、お気に入りの作品の紹介をするのもいいですね。
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『多様性の科学』もどうぞ
続きが書けましたので多様性の化学もどうぞ
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