【連載小説】「さくら、舞う」 #2 歌の力を信じて
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前回のお話:
3.<ユージン>
その後、さくらさんが画家をしていること、売れずに苦労していること、父親とはずっと会っておらずどんな人かも忘れかけていることは教えてもらった。しかし情報はそれだけで、二時間ほどいたうちの大半はオレと麗華さんのおしゃべり。さくらさんはそれを聞くだけだった。向こうがそれを望んでいたのが最大の理由だが、さくらさんの口数の少なさには正直びっくりした。
彼女の背中を見送りながらその話をすると、麗華さんは「やっぱり?