いのべえ雑記帖

言葉(日本語、外国語)に関心がある70歳代女性です。新聞の切り抜きから閃いたり、世の中の動きの中から生まれた言葉に感じたことなどを書いて行きたいと思います。一時期いのししとよく出会い、興味を持ったことから、いのべえという名前を付けました。

いのべえ雑記帖

言葉(日本語、外国語)に関心がある70歳代女性です。新聞の切り抜きから閃いたり、世の中の動きの中から生まれた言葉に感じたことなどを書いて行きたいと思います。一時期いのししとよく出会い、興味を持ったことから、いのべえという名前を付けました。

最近の記事

2024年ノーベル経済学賞にダロン・アセモグル氏ら

 先日ノーベル経済学賞の受賞者が発表されました。マサチューセッツ工科大学のダロン・アセモグル教授、サイモン・ジョンソン教授、シカゴ大学のジェームズ・ロビンソン教授の3氏です。受賞理由は「制度がどのように形成され、国家の繁栄に影響を与えるかの研究」です。 い   この切り抜きは10年前のもので(日本経済新聞 2014年1月20日)、ダロン・アセモグル氏の研究を紹介しています。当時、ざっと目を通した際に、何か捨てがたく感じたのでしょう、後日ゆっくり読むつもりで保存していました。

    • マディソン郡の橋ーcovered bridges

       前回投稿した「大阪 水の都」の中で取り上げた四ツ橋、この四ツ橋を舞台にした江戸の恋愛コメディー「四ツ橋心中」というお芝居を偶然二十年近く前になるでしょうか、観ていました。四ツ橋のことなど何も知らないし、特別の興味もなかった頃で、桂三枝(現在の桂文枝)さんの軽やかな身のこなしと、かとうかず子さんの艶やかな立ち姿が印象に残っています。  そういえば、橋と恋愛の物語、結構ありますね。 <橋と男女の恋愛をテーマにした作品>  ①「哀愁」  1940年の映画 原題は “Wate

      • 水の都 大阪

        大阪というと、食い倒れ、お笑いの町というイメージが今では強いように思いますが、歴史を遡れば、少なくとも江戸時代から大阪は水の都でした。  「幕末の駐日英国公使がヴェネチアにたとえた日本の都市といえば、大阪のことだった。河口の三角州に築かれ、縦横に堀川が流れる八百八橋の街。…」(日本経済新聞 2005年 11月12日)。記憶の引き出しにこのことがずっと残っていました。  まず英国公使のことを知りたくて、初代公使オールコックについての本(『オールコックの江戸 初代英国公使が見た

        • 骨抜きにされた私たち

          骨と骨粗鬆症のことを書いていきます。  骨太の方針、経済対策とよく耳にしますが、骨太とは一体どんな状態でしょうか。骨細もあるのでしょうか? こんな疑問を持つのは私が骨粗鬆症(骨を壊す働きが、骨を形成する働きより高まって、その結果骨がスカスカになって、脆くなる症状/粗鬆とは大雑把で粗いこと)の対象者(高齢者)だからです。実際骨密度を測ると低めです。骨粗鬆症になって骨折したら寝たきりになる😖と魔女の呪い🧙‍♀️のように世間に拡まっていて、放ってはおけません。  まずは敵を知る

          重ね言葉あるいは重複表現ーnote 『「頭痛が痛い」について思ったことー あんだぁ』を読んで

          (重ね言葉という言い方で進めます)  テレビ、ラジオ、YouTubeなどで耳にした、あれ、なんだかおかしい、と頭に引っかかった言葉を My雑記帖(なんでもノート)にメモするようにしているのですが、重ね言葉がいくつかありました。 尽力を 尽くす 一緒に 同行する 実感を 感じる 炎天下の 下 今の 現状  どのような時にこの重ね言葉を聞いたかまではメモしていなかったのですが、一つ記憶しているのは「尽力を 尽くす」で、これは家族のスキャンダルについて、多くの関係者に囲まれ、質

          重ね言葉あるいは重複表現ーnote 『「頭痛が痛い」について思ったことー あんだぁ』を読んで

          「もしトラ」ならぬ「もし寅」 寅さん、紐付けるってわかりますか。

           寅さんは銀行口座は持っていないと思うけれど、国民健康保険証は持っていると仮定してみます。時空を超えた想像です。  ある日、帝釈天の源公から、「なんだかよくわかんないけど、健康保険証を紐付けるんだって」と聞いて、寅さん、葛飾区役所へ出かけました。マイナンバーカードという言葉はどこかへ消えてしまっています(カタカナに弱そう)。寅さん、窓口で「保険証のどこに穴開けるんだい。このお守りに結びつけてほしいな。」などと言って係の人を驚かせます。  こんな想像をしてしまうのには訳があり

          「もしトラ」ならぬ「もし寅」 寅さん、紐付けるってわかりますか。

          ある代議士(広瀬徳蔵)の日常

           20年も前の新聞記事ですが、当時どんな気持ちで取っておこうと思ったのか、私自身も覚えていませんが、議員の方々の行動が話題になっている令和の今、じっくり読んでみようと思いました。 *記事を太字で写し、その後に私の感想などを書きました。 夜更けの読書  白川 静(しらかわ・しずか=中国文学者) 私が広瀬徳蔵先生の事務所に玄関番として住み込んだのは、大正十二年(1923年)の暮近い頃で、先生は翌十三年の選挙で代議士に当選された。私の最初の仕事は、その選挙で、下使いに走り廻るこ

          ある代議士(広瀬徳蔵)の日常

          赤 アカ aqua água•••水

           以前、名古屋で入院していた母親を見舞うために、よく名古屋市営地下鉄を利用していました。赤池行きという線です。何度も乗っていましたが、ある時ふと赤池って池の水が、鉄分が多いとか何かの理由で赤い色をしているのかな、と気になって、愛知県日進市にある赤池町を調べました。けれど、池の水が赤いなどと言う情報はありません。  赤のつく地名、人名を探してみましたところ、赤池の他に、赤井、赤川、赤瀬川、赤江、赤堀、赤沢、赤津など、並べ上げてみると、赤にくっついている言葉は、それぞれ水に関係し

          赤 アカ aqua água•••水

          ”What Have They Done To The Rain ?” /雨を汚したのは誰?

           これは1960年代に、Joan Baez /ジョン・バエズの歌でよくラジオから聞こえてきた歌のタイトルです。核実験によって大気中に放出された放射性物質 が雨に混ざって降ってきて、大地を、人を汚す、そして滅ぼす。そんな内容の歌を静かに、優しい声でジョン・バエズが歌っていました。当時、放射能、ストロンチウム90という核実験に関わる言葉は小学生でも知っていて、私が小さい頃は、雨に直接あたってはいけない、雨にあたると頭がはげてしまうと信じていたように思います。この歌をなぜ今思い出し

          ”What Have They Done To The Rain ?” /雨を汚したのは誰?

          蛇はフランス語でserpent (セルパン)、むかではズール語でションゴローロ 

          蛇はフランス語でセルパン  フランス語のセルパンには ① 蛇という意味の他に ②  蛇型の楽器という意味があります。このこと教えてくれたのはこの写真です。  記事によると橋本さんはもともとチューバ奏者で、フランス留学(1998年)時にセルパンと出会い、その奏法を学んだとのこと。 この写真を見て、私はどこかで見たことがあるような気がしていました。そして思い出しました。映画「ロシュフォールの恋人たち」に映っていたのです。(このフランス映画は1967年の作品ですが、今見ても楽し

          蛇はフランス語でserpent (セルパン)、むかではズール語でションゴローロ 

          「増税が国を滅ぼす」アーサー・B・ラッファーほか著

           お菓子の空き箱にためていた新聞の切り抜き。そろそろ捨てなくてはと整理していたらこの本の紹介記事が目に留まりました。私は経済政策とかよく理解できていないし、すごく関心があるわけではないのにどうしてこの本の紹介記事を取っておいたのか、15年ほど経った今ではまったく覚えていません。刺激的なタイトルが気にかかったのでしょうか。丁度増税、減税と言う言葉が飛び交っている 2023年12月の現在、この切り抜きを捨てる前に、紹介記事を紹介しておこうと思いました。  私は映画を観ることが好

          「増税が国を滅ぼす」アーサー・B・ラッファーほか著

          コロナの時代の言葉

          2020年頃から2023年5月(コロナが感染症法上5類に分類されるまで)までをコロナの時代とすると、この頃いろいろなメディアで専門家、政治家、自治体の首長の方々が感染を防ぐための方策を発表していました。その時に使われた言葉について感じたことです。 濃厚接触 濃厚接触と聞いてすぐに頭に浮かんだのは、なぜだかわかりませんが、「濃厚なラブシーン」という言葉です。ですから絶対、手くらいは触れていたに違いないと思っていました。でも違っていたようです。 濃厚という言葉は辞書によれば 

          コロナの時代の言葉

          人間を助けるいのしし ❸

           人を助けたいのししとして有名なのは京都の護王神社です。以前その前を通ったことがあったのですが、その時は 時間もなく、お参りできませんでした。外壁にかけてあった神社の由来を記した案内を読んで、いのししの群れが和気清麻呂の一行を道案内をしたという大まかなことしか記憶に残っていませんでした。ところが、なんとなんといのししのお導きでしょうか、ついに訪れるチャンスがやってきたのです。知人が京都で個展が催すというので、出かけることにしました。地図で画廊の場所を確かめていると、護王神社が

          人間を助けるいのしし ❸

          人間を助けるいのしし ❷

           先日 映画『ロスト・キング 500年越しの運命』を観てきました。YouTubeのおすすめと言うのですか、イギリスでの公開前の予告編が届くようになり、とても楽しみにしていました。内容はあちらこちらで解説やレビューを見る事ができますのでここでは触れませんが、いのししが登場するのです。と言っても実物ではなく、映画の最後近く、ロスト ・キングであるリチャード 3世が戦いに赴く場面で、持っている旗に白いいのししが描かれているのです。実際に白いいのししがいたのか、それとも単にデザインと

          人間を助けるいのしし ❷

          人間を助けるいのしし ❶

          いのししがニュースになるのは、ほとんどが農作物が被害にあったとか、コンビニで買ったお弁当の入ったレジ袋を盗られたとか、害獣扱いされるケースが多いけれど、もちろんそうではない話も有ります。 『暮しの手帖』誌には子供の小さい頃からずっと長い間お世話になってきました。いよいよ処分しようと思ってざっとページをめくっていましたら、藤城清治さんの影絵でおなじみのお話(お話 香山 多佳子)の中に「黄金のいのしし」というお話が載っていました。こんなお話です。  大昔のこと、オランダの人び

          人間を助けるいのしし ❶

          いのししとの出会い

          25年ほど前から六甲山を切り開いた辺りに住んでいます。何年か前に市の条例でいのししへの餌づけが禁止されて、今ではその姿を見ることは少なくなりましたが、それまでは夕方によくいのしし(1頭だったり7〜8頭の群だったり)と出会い、通り過ぎるのを、息をひそめて待ったりした事がよくありました。暗い時間帯に車のテールランプに照らされたその毛並みは艶やかで、まさにけものです。家族連れらしき集団は、子供のうり坊をはじめ大小様々なサイズで、足の長さとか歩く速度も違っていると思われるのだけれどま

          いのししとの出会い