蛇はフランス語でserpent (セルパン)、むかではズール語でションゴローロ
蛇はフランス語でセルパン
フランス語のセルパンには ① 蛇という意味の他に ② 蛇型の楽器という意味があります。このこと教えてくれたのはこの写真です。
記事によると橋本さんはもともとチューバ奏者で、フランス留学(1998年)時にセルパンと出会い、その奏法を学んだとのこと。
この写真を見て、私はどこかで見たことがあるような気がしていました。そして思い出しました。映画「ロシュフォールの恋人たち」に映っていたのです。(このフランス映画は1967年の作品ですが、今見ても楽しめます。あの「ラ・ラ・ランド」の監督も影響を受けたと語っています。)
この映画の登場人物の一人、ダム氏の楽器店の白い壁に掛けられているのです。黒くてS字のようにクネクネとした形で、隣にはバイオリンに似た弦楽器がかかっています。1967年頃は、セルパンはフランスでも忘れられていた楽器のようですが、その形がユニークなので映画の一場面の背景に使われたのでしょうか。ぜひ観て確かめてください。
ついでにserpent を英和辞典で引いてみると
⚫︎the Serpent の形で(エデンの園の邪悪な)ヘビ
⚫︎セルパン(昔使用されたヘビ状の低音木管楽器)
⚫︎ヘビ花火
などがありました。
セルパンはネットで買うことができるようです。
いずれにしても、いつかセルパンの音色を聴くことができたらいいですね。
むかではズール語で
ションゴローロ
「南アフリカ、スワジランド、モザンビークを周遊した『ションゴローロ・エクスプレス』は、ヨハネスブルクをたって十日目、ジンバブエのビクトリア・フォールズ駅に到着した。」フォト・ジャーナリストの櫻井寛さんの連載「世界途中下車」(日本経済新聞2003年 平成15年5月)ビクトリア・フォールズ駅の項はこのように始まっています。
列車の走る様子を初めて見たズール族がむかで、ズール語でションゴローロと呼んだということから名付けられたということです。
この地のむかでは、きっと大きくて、広い大地で、のびやかに暮らしているに違いないでしょう。でもできれば出会いたくない生物です。何か怖いという思い込みがあります。
でも違う面もあるのですね。もう15年くらいも前でしょうか、中日新聞の日曜版の絵手紙のコーナーに、確か中学生の男子の作品で「むかでは大地の王様だ」(記憶が曖昧ですが)という言葉とともにむかでが描かれていて、今でも記憶に残っています。私の勝手な想像ですが、家族で農業をされていて、代々、そんなように伝えられてきているのではと思いました。むかでの違う面を知ることができました。
私は、人生の後半に初めてむかでを見ました。山を開発した所に住んでいるので、元々の住人(?)のむかで、いのしし、他にやもりとたまに会うのは、しょうがないかな、いや、こちらが後から入り込んで来たので、すみません、お邪魔します、という気持ちでいるようにしています。
むかでは驚かせなければ静かに去っていくようですが、ある時うとうとしていて、素足に触れられて、その瞬間まず私自身が驚き、手で払い除けようとしたので、むかでも驚いたのでしょう、その結果、刺されたのか噛まれたのか、チクリと感じましたが、保冷剤を肌に当てて、ことなきを得ました。
むかでは日本語では漢字で百足と書かれます。ついでに他の言語ではどういうのかをスマートフォンの翻訳機能で調べてみました。
・英語 centipede 100+足
・フランス語 Mille-Pattes ( ミルパット)1000+足
・イタリア語 centopiedi 100+足
・ドイツ語 Tausendfüßler 1000+足
・ロシア語сороконожка 40+足
たくさん足のある生物と捉えられているようです。
櫻井さんによると、スペインにはイモムシのニックネームのある列車もあるとか。ここで、いつか地中を走るだろう列車のネーミングについて考えてみましたけれど、地中なので、もぐら(土竜)ぐらいしか思いつきません。そういえば故ダイアナ妃が確か「愛・地球博」にお越しになって、リニアモーターの列車に乗られた際 ”smooth as silk“という感想を述べられたと記憶しています。この連想から、例えば「絹の帯」とか「サテンのリボン」とか滑らかな布地の愛称もいいかなと思った次第です。
*この投稿のむかで(百足)及び以前に投稿した際に使用したいのししの画像は、知人のTさんの篆刻です。