赤 アカ aqua água•••水
以前、名古屋で入院していた母親を見舞うために、よく名古屋市営地下鉄を利用していました。赤池行きという線です。何度も乗っていましたが、ある時ふと赤池って池の水が、鉄分が多いとか何かの理由で赤い色をしているのかな、と気になって、愛知県日進市にある赤池町を調べました。けれど、池の水が赤いなどと言う情報はありません。
赤のつく地名、人名を探してみましたところ、赤池の他に、赤井、赤川、赤瀬川、赤江、赤堀、赤沢、赤津など、並べ上げてみると、赤にくっついている言葉は、それぞれ水に関係しているものが結構多いように思われてきました。
赤城、赤木、赤崎、赤坂、赤塚など、水と関係があるかどうかは分からないものもありますが、赤色とも考えにくいですし、明るいという意味があると聞いたことがありますが、これもぴったりしないように思います。
そういえば、高校の古典の授業で習った、「徒然草」のどこかに閼伽棚(あかだな)という言葉がありました。調べてみましたら第11段に、「・・・閼伽棚に菊、紅葉など折散らしたる、さすがに、住む人のあればなるべし。」が出てきます。
古語辞典を開くと、
閼伽棚とは、/閼伽を置くための棚/ 閼伽とは、/梵語の音訳、価値あるもの、供え物の意/で、
① 仏に供えるもの。また、それを盛る器 ② 特に、仏に供える水 (③は省略します。)とあります。
水は
ラテン語ーaqua
イタリア語ーacqua
ポルトガル語ーágua
(セルジオ・メンデスとブラジル66 が歌う「おいしい水」『ポルトガル語ー“água de beber”』と言う曲がすごく流行りました。1966年頃でしょうか、アガジベベーと聞こえました)
英語で水はwaterですが、
aquarium /水族館/
aquarius /みずがめ座/
これらはラテン語が起源ですね。
以下は私の想像です。
〈アカという言葉は多分遠い西の方から 水の意味で伝わり、最初は仏教の世界で尊いものとして扱われていたものが、時が経つにつれ閼伽から赤へと漢字の表記が変わり、水に関わるものと結びつけたら、今風に言えば、なんだか、おしゃれで、格好いい感じがして、一般の人々に広がった。(赤という漢字の成り立ちについても調べたほうがよさそうです)〉
赤神神社、阿賀神社など、アカの音を含む名称の神社があります。起源を知りたいですね。また、明石海峡に面した漁業の盛んな明石は赤しではないかしら、とか興味は尽きませんが、またどこかでこれらが水と関連があるかもしれない、という話に出会うことを楽しみにしましょう。
では黒、クロはどうでしょうか。
カラ・ホトーーー内蒙古自治区にある遺跡で、モンゴル語で黒い城
カラコルムーーー13世紀のモンゴル帝国の首都。私はエベレスト登山との関連でよく耳にした覚えがあります。ネットで調べると、モンゴル語、テュルク語で黒い砂利、砂礫とあります。
カラアザールーーーヒンディー語で黒い熱を意味する
これくらいしか見聞きしたことがありませんが、カラ→クロと転訛、なまって日本まで伝わった可能性はないでしょうか?