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木曜日の読書

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#読書の秋2022

鷺沢さんのこと~群ようこ著『この先には、何がある?』~

群ようこさんが自身の作家人生を振り返った自伝的エッセイ『この先には、何がある?』(幻冬舎…

アンマchan
2年前
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取り壊される校舎が卒業していく彼女たちによって再生していく逆説~朝井リョウ著『少…

高校の卒業式というのはとても特別だ、と朝井リョウ著『少女は卒業しない』(集英社文庫、2015…

アンマchan
2年前
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街の小さな映画館が超絶な挑戦をしてしまった話~映画『こころの通訳者たち』~

いわゆる「健常者」と云われる人たちからすれば、単純に「健常者」と「障がい者」とに二分され…

アンマchan
2年前
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「校正」という仕事~牟田都子著『文にあたる』~

朝日新聞2022年10月24日付朝刊に「文化庁の21年度国語世論調査」についての記事が掲載されてい…

アンマchan
2年前
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心に一人のナンシーを~ドラマ『ナンシー関のいた17年』&書籍『評伝 ナンシー関』~

NHK総合で2022年10月17日に放送された『ヒロイン誕生』は、ナンシー関さんの人物像を若手俳優…

アンマchan
2年前
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ストリート"アート"??(小説風)

 朝の通勤で最寄駅まで向かう途中、潰れてしまった商店の下りっぱなしのシャッターにスプレー…

アンマchan
2年前
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ロマンティック・ラブ・イデオロギー

タレントのryuchellさんが自身の(一方的な)事情でpecoさんと離婚したことに対し、『「ぺこがかわいそう」「りゅうちぇるは無責任すぎる」』などの批判・非難がなされているという報道を目にした(文春オンライン 2022年9月8日配信『《りゅうちぇる&ぺこ離婚“大炎上”のワケ》「わかりやすい」は罠!りゅうちぇる批判の陰にひそむ「ロマンティック・ラブ・イデオロギー」のトラップに注意せよ』。以下、記事と記す)。 予め断っておくが、本稿は、お二人の選択云々の是非ではなく、あくまで

ドラマ化決定! ~源孝志著『グレースの履歴』~(2024年 第42回向田邦子賞受賞)

「映画ナタリー」2022年8月31日付配信の記事によると、源孝志著『グレースの履歴』(河出文庫、…

アンマchan
2年前
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イッセイミヤケ「一枚の布」

2022年8月5日、ファッションデザイナーの三宅一生氏が逝去された。 私は以前の拙稿にも書いた…

アンマchan
2年前
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夏休みと死~湯本香樹実著『夏の庭-The Friends-』~

夏休みを舞台とした児童文学には、長い夏休みの間に一歩大人に近づくといった成長物語が多いが…

アンマchan
2年前
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失って気づく「甲子園」~早見和真著『あの夏の正解』~

「聖地」「魔物が棲む」 高校野球に関する「甲子園」のイメージは、一般の人にも浸透している…

アンマchan
2年前
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皇后陛下とモスラと八王子

2022年7月25日付のFNNプライムオンラインで「愛子さま 飼育の蚕公開 皇居内で養蚕作業参加」…

アンマchan
2年前
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「最愛の子ども」の正体を考える~松浦理英子著『最愛の子ども』~

松浦理英子著『最愛の子ども』(文春文庫、2020年。以下、本作)を読了して、タイトルでもある「…

アンマchan
2年前
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美術鑑賞で"目の見えない人"と"見える人"が歩み寄る~川内有緒著『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』~

以前の拙稿『"目が見える"からこそ「世界の片面"すら"見えない」……だから歩み寄れる』で、伊藤亜紗著『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(光文社新書、2015年)を引用しながら、『"目が見える人"は「死角」によって必然的に見えないモノがあり、"見えない"という点において"目が見えない人"と変わらない』から『両者は歩み寄れる』のではないか、と書いた。 そして唐突に、それまで登場していなかった「白鳥さん」という人の言葉を引用して、拙稿を結んだ。 しかし実は、拙稿を結ぶため