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書籍レビュー

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#海外文学

書籍レビュー『1984』ジョージ・オーウェル(1949)「考えること」を他人に預けてはいけない

書籍レビュー『1984』ジョージ・オーウェル(1949)「考えること」を他人に預けてはいけない


70年以上前に描かれた
超管理社会数々の作品に影響を与えた
有名な作品です。

ずいぶん前から気になっていて、
ようやく読むことができました。

物語の舞台はタイトルのとおり
「1984年」、

世界は「ビッグブラザー」
と呼ばれる総統が統治する
超管理社会となっています。

「テレスクリーン」という
送受信機によって、
市民の生活は常に監視され、

少しでも政府に反するような
言動は許されませ

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書籍レビュー『解錠師』スティーヴ・ハミルトン(2009)運命を狂わせる類まれなる才能

書籍レビュー『解錠師』スティーヴ・ハミルトン(2009)運命を狂わせる類まれなる才能

かわいらしい表紙に惹かれて本書の表紙を見た時に、
ビビッとくるものを感じました。

これまでに
表紙やタイトルに惹きつけられて
思わず手に取った本が

ものすごく自分に合う本だった
というのは、何度かありましたが、

これもまたそんな一冊でした。

『解錠師』とは、
なんとも渋いタイトルですが、
表紙のかわいらしさが
それを中和している印象ですね。

原題は『The Lock Artist』、

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書籍レビュー『BOOKMARK 翻訳者による海外文学ブックガイド』金原瑞人、三辺律子・編(2019)旬の海外作品をお届け

書籍レビュー『BOOKMARK 翻訳者による海外文学ブックガイド』金原瑞人、三辺律子・編(2019)旬の海外作品をお届け


海外の小説は難しい最近、小説のレビューが書けていません。

最後に書いたのは、2月、
池波正太郎の『剣客商売』ですね。

それ以降も小説を
読んでいないわけではないんです。

必ず、何かしらの本は
読んでいるのですが、

私としては、
ちゃんと感想を伝えられる作品、

特にオススメしたい
作品のことを書きたいので、

なかなか難しいんですね。

小説のレビューも
心掛けていることがありまして、

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書籍レビュー『短くて恐ろしいフィルの時代』ジョージ・ソーンダーズ(2005)争うことがバカらしくなる

書籍レビュー『短くて恐ろしいフィルの時代』ジョージ・ソーンダーズ(2005)争うことがバカらしくなる

独裁者フィルの時代note では現在、読書感想投稿コンテスト
「読書の秋2021」が開催中です。

課題図書に指定されていた全84冊のなかで、
もっとも興味を引き付けられたのが本作でした。

紹介文にある
「熱狂的な演説で民衆を煽る独裁者フィル」
「国民が6人しかいない小国をめぐる
 奇想天外かつ爆笑必至の物語」
という一文が興味をひきます。

タイトルと装丁も簡潔で素晴らしいです。

読みはじめ

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