【料理×栄養学×ボディメイク②】結局身体に良いの?悪いの?「牛乳」を徹底解説
日本の学校では牛乳がほぼ毎日のように給食で出てきます。
好き嫌い分かれる上に、身体に良い説と悪い説が混在していますよね。牛乳。
今回は、【料理×栄養学×ボディメイク的観点から牛乳を分析】していこうと思います。
●ボディメイクにおける牛乳の評価
さて、ボディメイク目線で見ると牛乳はどうなのでしょうか。
筆者が主観で評価してみました。
栄養素★★★★☆
調理法★★★★★
コスパ★★★☆☆
増量期★★★★★
減量期★★☆☆☆
栄養はそれなり。増量期には向いているものの、減量期は避けたほうがいい食材といえるでしょう。
これからは、各要素について見ていきましょう。
●牛乳の栄養素
例によってカロリーSlismで牛乳の栄養素を見てみます。
①炭水化物…乳糖に注意。
牛乳にそれなりの炭水化物が含まれます。
コーラ等の清涼飲料水の半分程度なので、そこまで多くないにしろ、ケトジェニックダイエット中などには注意が必要。
それだけではなく、乳製品に含まれる糖質は「乳糖」と呼ばれるもの。
日本人は乳糖を分解する酵素が少ない人が一定数おり(乳糖不耐症)、牛乳を飲むとお腹を壊す人はこれが原因と言われています。
乳糖不耐症の人は、無理に牛乳を飲む必要はありません。
他の食材で栄養素を摂取しましょう。
ちなみに、発酵させてヨーグルトにすると乳糖が分解されます。ヨーグルトについては次回取り上げます!
→乳糖について
②脂質…それなりに多い。が、これが牛乳の最大の長所!
牛乳のパッケージに「乳脂肪分3.6%」なんて書いているのを見たことがありますか?
これは、100gあたり3.6gの乳脂肪が含まれているという意味。
上記の栄養成分表は200mlでの数字なので、7g強の脂質が含まれています。
4.4牛乳とかは濃厚で美味しいですが、脂質が多いからだったのですね。
さて、スーパーには低脂肪乳や無脂肪牛乳が置いてありますが、あれはどうなのでしょうか。
結論から言うと、牛乳を飲むメリットがほとんどなくなるため、低脂肪乳や無脂肪牛乳はおすすめしません。全乳を飲みましょう。
では、乳脂肪の中身を見ていきます。
ぱっと見、飽和脂肪酸が多いことがわかると思います。
ちょっと栄養に詳しい方でしたら「飽和脂肪酸が多いということは心疾患のリスクとか高まるんじゃないの…?」と思われるかもしれません。
が、乳脂肪の場合、そんなことはないです。
乳脂肪は飽和脂肪酸の中でもエネルギーになりやすい「中鎖脂肪酸」、小腸の栄養になる「短鎖脂肪酸」が多く含まれているからです。
それらを取り除いてしまうことは、牛乳の最大のメリットを捨ててしまうことを意味します。
更には、乳脂肪の中には「CLA」が含まれています。
CLAとは、共役リノール酸といい、トランス脂肪酸の一種。
トランス脂肪酸は悪者のように扱われがちですが、自然界に存在するCLAは脂肪の吸収を抑えたり、体脂肪の分解を促進する効果があります。
ということで、全乳を飲むメリットがおわかりいただけたでしょうか。
もう一度言います。牛乳を飲むときは必ず全乳で。
→飽和脂肪酸について
③タンパク質…気休め程度だが、しっかりと含まれている
牛乳を発酵させて作ったヨーグルトの上澄み液が、ホエイプロテインの材料であるホエイ(乳清)。
ですから、当然ホエイの材料である牛乳にはタンパク質が多く含まれています。
もちろんアミノ酸スコアも100。
が、牛乳のタンパク質はあくまでオマケ程度に考えましょう。
タンパク質を摂る目的でしたら素直にホエイプロテインを摂ったほうがいいからです。
プロテインには、余計なカロリーを摂取せず、カゼインも含まれないので純度が高いというメリットがあります。
→味わいが牛乳に近い、ナチュラルなプロテイン
④ビタミン・ミネラル…カルシウムだけでなく他も豊富
ミネラルは10種類以上ありますが、カルシウムの認知度だけが異様に高いのは間違いなく牛乳の功績でしょう。
カルシウムはもちろんですが、他の栄養素も豊富。
ビタミンB2(脂質を代謝する)、ビタミンB12(赤血球をつくる)、モリブデン(貧血を予防する、プリン体を分解する)が特に多いようです。
人によっては、リンの過剰摂取なんかも気になるかもしれません。
基本的にミネラルは、多ければ良いというわけではないが、少ないと明確に良くないというものです。
リンの長期的な過剰摂取(一日800-1000mg以上)によって、腎機能の低下、副甲状腺機能の亢進、カルシウムの吸収抑制などが起こる可能性があります。
とはいえ牛乳だけでそんなに摂取できるものでもありませんから、一日1Lを毎日飲むとかでない限り大丈夫でしょう。
ちなみに、カルシウムはビタミンDとセットじゃないと力を発揮できません。
そしてビタミンDは脂溶性ビタミンなので、脂質と一緒に吸収されます。
カルシウム、ビタミンD、脂質が同時に含まれる牛乳の栄養効率の良さがわかりますね。自然ってすごい。
→ビタミン・ミネラルについて
●牛乳の調理法バリエーション
調理法が★5個になっていますが、なぜかというと注ぐだけでいいから。笑
牛乳を調理に活かす方法はそこまで多くなく、
・ヨーグルトにする
・ホワイトソースのように使う
くらいしか思いつきません。
しかしこの「ヨーグルトにする」が超優秀。詳しくは次回。
ちなみに世の中には「牛乳納豆茶漬け」という恐ろしい料理があるとかないとか。
●牛乳のコストパフォーマンス
牛乳はだいたい1Lで150-200円程度。
一本に含まれるタンパク質がだいたい30g強と考えると、コスパとして悪い選択肢ではないでしょう。
ちなみに巷で流行っているミルクプロテインは、100円強でタンパク質が15g程度。
これを飲むくらいならプロテインを飲めばそれでいいのですが、外出中に手軽に飲めること、脂質が含まれないことを考えると一応メリットはあるといえます。
●増量期
栄養満点であることから、増量期には最適。
乳糖や脂質の摂りすぎには気をつけましょう。
また手軽にカロリーが摂れる手段ではありますが、牛乳を飲みすぎて食事の量が減ってしまっては本末転倒(小さい頃の筆者)。
●減量期
炭水化物と脂質が共に高いこと、また無脂肪牛乳は上記の理由で避けるべきであることから、減量期の摂取はなるべく控えたほうがよさそう。
●まとめ
・基本的に栄養満点
・低脂肪乳ではなく全乳で!
・ヨーグルトとして食べるのが最適かも?
●終わりに
今回は賛否両論がある牛乳についてお話しました。
身長の話にはあえて触れなかったのですが、筆者は小さい頃から牛乳が好きで、両親の身長は普通ですが178cmあります(n=1)。
カルシウムは単体では効果を発揮してくれないので、「牛乳=身長が伸びる」という因果関係はないと思いますが、栄養満点なことから、成長期には飲んで損はしないと個人的には思います。
引き続き、栄養素的観点を含めて他の食材も解説していこうと思うので、よろしくお願いします。
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