【napo_fitness】トレーニング総論⑩ トレーニングが停滞したときに確認すべき筋肥大のファクター
「ベンチプレスが伸びない…」
「体重が増えない…」
男性トレーニーでしたらこんな悩みを一度は持ったことがあるのではないでしょうか。
そんなとき、皆さんは何を見直しますか?
トレーニングのメニューや重量?
それも間違いではありません。
…が、他にも見直すべきところはたくさんあります。
長年トレーナーをやっている人でも、「最近停滞してるんですけどどうしたらいいですか?」という質問に答えるには、直近数ヶ月の間にどの人がどのような生活を送っていて、どのようなトレーニングをしていたかを詳しく聞かないと判断できません。
人間の身体は、それほど多くのファクターが複雑に絡み合っているものなのです。
今回は、ボディメイクが停滞したときに見直すべき項目を整理してお伝えします。
「停滞した」と感じたときにはこの記事に立ち返り、一つひとつの項目をチェックしてみましょう。
●停滞とは、ホメオスタシスとは
そもそも停滞とは何であり、何故起きるのでしょうか。
私たちの身体は複雑にできており、様々な条件が噛み合わさるだけでなく、時間までも巻き込んで変化あるいは維持されていきます。
その中でも特に大切なのが、何度もnoteで話題に上げている「ホメオスタシス(恒常性)」です。
私たちの身体はちょっとやそっとのことでは変わらないようできています。
ケガをすれば傷口をふさごうとしますし、菌やウィルスが体内に入ってきたらそれを排除しようとします。
走って体の酸素が不足すれば、呼吸を激しくして多くの酸素を取り入れようとします。
ホメオスタシスが効果を及ぼすのは身体に対してだけではありません。
皆さんが簡単に転職したり、コロコロ友達を変えたり、毎朝のコーヒーの習慣をやめようとしないのは心理的なホメオスタシスによるものです。
これらは全て健全な生活を維持するために行われている活動です。
狩猟民族だった時代では、せっかく手に入れた安寧を手放すことは「死」に近づく行為だったので、人間は本能的に「安定」を求めているのです。
…話は逸れましたが、皆さんがトレーニングや食事管理をしているのは身体的な変化がほしいからですよね?
目に見える変化をするためには、このホメオスタシスを打ち破る必要があるのです。
トレーニングや食事管理はホメオスタシスを打ち破る立派な行動ですが、いつまでも同じ刺激を受けていると、その刺激にすら慣れてきてしまいます。
●チェック項目①食事内容が乱れていないか
まず最初のチェック項目は、食事内容です。
毎回の食事に気を遣うのは大変ですが、食事がいい加減なのにボディメイクで結果を出している人は一人も見たことがありません。
一時期頑張っていても”今”頑張っていないとダメです。気を抜いていないか、今一度チェックしてみましょう。
1.自分が今摂っているカロリーを把握する
増量や減量、皆さんそれぞれ目的があると思いますが、まずは、自分が今摂っているカロリーを把握しましょう。
筆者が散々口を酸っぱくして言っているように、ボディメイクが上手くいかない人はたいてい自分の摂取カロリーを把握していません。
餃子とハンバーグのどちらが太りやすいかなんて誰にもわかりませんが、600kcalと800kcalであればどっちが太りやすいか、誰でもわかります。
必ず定量化して比較しましょう。
2.同じ食事内容を3ヶ月以上続けている場合は、変えてみる
ここでホメオスタシスくんの登場です。
いくら消費カロリー>摂取カロリーにしたところで、それを長く続けていると、今度は身体が「こいつ全然カロリー摂ってくれへん…せや、カロリー節約したろ!」となってしまいます。
いわば、アンダーカロリー生活に身体が慣れた状態です。
これは増量期にも起こり得ます。
インスリン感受性が落ち、インスリンが効きづらくなってしまうのです。
ですので、増量や減量は長くても3ヶ月まで。
このホメオスタシスを脱却する手段としてチートデイという方法もありますが、あくまでそれは誤魔化しで、短期的な話。
疾病リスク等を考えても、3ヶ月を超えるような増量やダイエットは避けたほうが無難だと思います。
健康になるためのボディメイクで健康を損ねてもつまらないですからね!
●チェック項目②睡眠は確保できているか
次に見過ごされがちなのが、「睡眠」。
健康の三大要素は「運動」「食事」「睡眠」です。
筋肉は、休んでいるときにこそ成長します。
トレーニングを週5でやったとしても、せいぜい一週間に10時間弱。
それに対して、一日に6時間眠るとしても、睡眠は一週間に42時間。
健康のためにはできれば一日8時間は寝たいところです。
お忙しいサラリーマンにはなかなか難しいとは思いますが、頑張って寝るようにしましょう。
「睡眠の質」に関しての記事も作成中です!
●チェック項目③トレーニングボリュームは適切か
前回の記事でも少し触れましたが、「トレーニングボリューム」という考え方があります。
一般的にトレーニングボリュームを決める要素は「重量×rep数×set数」です。
基本的にはこのボリュームを増やしていくことが「漸進性過負荷の原則」というトレーニングの原則に繋がります。
なので、一週間前や一ヶ月前と比べて、トレーニングボリュームが増えているかどうかをしっかり確かめましょう。
増えていない場合、トレーニング量が少なすぎるか、回復量(食事・睡眠)が少なすぎると考えるべきでしょう。
●チェック項目④正しいフォームで行えているか
トレーニングボリュームを決めるファクターは「重量」「rep数」「set数」以外にもあると筆者は考えています。
それは、「可動域」「TUT(Time Under Tension=筋緊張時間)」です。
同じベンチプレスでも、胸につけないで行う(可動域を大きくする)とはるかにラクですし、4秒かけて持ち上げる(TUTを長くする)とはるかにキツいですよね。
要は、対象筋にどれくらいの負荷を乗せられているかです。
対象筋に負荷を乗せるために種目があり、正しいフォームがあるのです。
100kgのベンチプレスをやっているのに可動域が半分だったり、対象筋である大胸筋にあまり入らず補助筋である上腕三頭筋や三角筋にばかり負荷が乗っていては成長は見込めません。
自分が正しいフォームで行えているかどうか知りたい人はパーソナルトレーニングに行くのも一つの手です。
●チェック項目⑤トレーニングメニューはマンネリしていないか
食事と同じく、トレーニングにも「慣れ」がきます。
ベンチプレス40kg×10回はできるけど45kgになった瞬間ダメなんだよなあ…という人はたくさんいるのではないでしょうか。
食事も睡眠もしっかりとしているのにこの状態が一ヶ月以上続いている場合、40kg×10回の刺激に身体が慣れてしまっていると考えられます。
解決方法は、刺激を変えること。
1.高重量の刺激を与える
思い切って、50kgを1回、挙げてみましょう。
RM換算表によると、40kgが10回挙がると、53.3kgが1回挙がるようです。
その日は50kg×1回を3セットとかでもいいです。
「今日は高重量に挑戦してみる日!」と割り切ってみることも大事。
重量を挙げるためには、筋力だけでなく筋力を発揮するための神経系の発達も必要です。
普段扱わないような高重量に挑戦してみることで神経系が発達し、停滞を打破できるかもしれません。
ただし、怪我しやすいこと、筋肉と同じく神経も疲労することに注意。
MAX挑戦は月に一度程度に留めておきましょう。
2.高回数の刺激を与える
逆に、神経系が疲れてしまっているという可能性もあります。
その場合は、敢えて重量を20kgに落とし、回数を20-30回くらいに思いっきり増やしてみましょう。
不思議なことに、これをやるといつの間にか扱える重量が上がっているという経験が何度もあります。
今考えると、軽い重量を扱うということで神経系の疲労を抜きつつ、なおかつ筋肉に対して新しい刺激になったからなのだと思われます。
人間の身体っておもしろいですね。
3.他の種目に浮気してみる
そもそもベンチプレス自体の刺激に慣れている可能性もあります。
胸を鍛える種目はベンチプレスだけじゃなく、ダンベルプレス、ダンベルフライ、マシンチェストプレス、ケーブルクロスオーバー…と無限にあります。
それぞれの種目がそれぞれの特徴を持っており、要は使い分けが大事なのです。
また、詳しくは割愛しますが、人気の種目が効果が高いわけではないということも頭に入れておきましょう。
●まとめ
・停滞は「慢心」「慣れ」から起きる!
・食事、睡眠がしっかりできているか見直す。
・トレーニングを変えてみる。
●終わりに
停滞は誰にでも訪れるものです。
完璧にやったと思っていても上手くいかないのに、回り道してみると案外正解に近づいていたりする。
それがボディメイクのおもしろいところだと思います。
行き詰まったときにはこのnoteを思い出して、自分の生活やトレーニングを見直してみましょう。
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