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ほんのひととき編集部が気になった記事

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ここでは、旅と本のウェブマガジン「ほんのひととき」の編集部が気になったnoteをまとめています。おもに、旅や文化歴史にまつわるもの、本や書店を紹介したもの、ほんのひとときの記事を…
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#おでかけ

夏の琵琶湖があまりにも「夏」だった

夏の琵琶湖があまりにも「夏」だった。憂鬱なほどに暑い日、その暑さを乗り越えた先には、「外に出てよかったなぁ」と思える景色に出会う。 「あまりにも夏」という言葉には、例えば、果てしなく続く入道雲や、太陽に照らされてキラキラ光る水面、容赦なく差し込んでくる強い日差し、木陰にいるとたまにふっと吹く風、外で食べるアイス、ゆらゆらと風にそよぐ稲穂、くっきりと空との境界を見せる山の稜線、強い日差しに顔を向けるヒマワリ……。そんな景色が思い浮かぶ。 外に出たくない気持ちを奮い立たせて(

想像以上の美しさ。日本で唯一の博物館に行ってみた

突然ですが、皆さんは美術館や博物館めぐりは好きですか? 数年前に語学留学でイギリスに滞在していた頃、とくに驚いたのは、多くの美術館などが入場無料だったことです。 もともと芸術好きだったこともあり、現地ではほぼ毎週末、美術館めぐりをしていました。「芸術が身近にある」という生活は、とても贅沢だったと振り返ります。 そこで今回は、地元の少しニッチな(?)博物館めぐりの記録をシェアしてみたいと思います。 ・・・ 今回訪れたのは、日本で唯一の大工道具の専門博物館である「竹中大

京都の夏を楽しむ │ 下鴨神社 みたらし祭

祇園祭の前祭が終わって、すっかり空気が梅雨から夏へと変わった。京都の夏は暑い。本当にうんざりするほど暑い。 けれど、そんな夏の京都にはたくさんの神事がある。神社やお寺が多いからか、いたるところでお祭りが行われているように思う。そのひとつが、下鴨神社のみたらし祭、通称足つけ神事だ。 うだるような暑さが少し和らいできた夕方に、糺の森を抜け下鴨神社へ向かう。少しずつ夕方から夜へと移りゆく空気を感じて、この移り変わりは「夏だなぁ」と思わせてくれる。 「足つけ神事」ともいわれてい

文学から富山に触れる場所:高志の国 文学館

こんにちは GWに岐阜から富山のルートで回った建築探訪。 伝統的な地域のお話が続いたので、 今回は巡ったうちの一つ、現代建築を訪ねたお話をしていこうと思います。 訪ねた先は富山県富山市にある「高志の国文学館」という公共施設。 そこは存在感が際立つ建築とはまた違った、周囲の環境に溶け込んでいるような建築でした。 それでは、 少しの時間、お付き合いいただけると嬉しいです。 |高志の国文学館とは 富山市街地の中心にある「高志の国文学館」 実際に訪れてみると大通りから中

春の京都の片隅を歩く。桜の行方を追いかけ彷徨う日には

4月1日。新生活にドキドキしたり、そうでなくてもなんとなく背筋がピンとしたり。フリーランスで特に環境に変わりはない私ですら、「新しい区切りだな」と思えるこの時期が好き。4月1日、桜の開花も進みつつあり、そして京都の天気予報は大きな晴れマーク。いいスタートを切るためにも、始まりにふさわしいこの日を、桜巡りDayに充てることとした。 気づいたら、1日で10キロ近く歩いていた。歩こうと思って歩いたわけではなく、桜を追い求めていたら、歩いていたのだ。バスは混雑していてあまり乗る気に

京都が大好きな私が、さらに大好きでたまらない場所について。丸太町~出町柳~鴨川

京都が大好きでたまらずに移り住んでしまった私だけれど、その京都の中でも、とりわけ大好きなエリアがある。それが、神宮丸太町~出町柳~下鴨神社のあたりだ。地図でいうと、鴨川が左右に分かれて、賀茂川(西)と高野川(東)に分岐するちょうどそのあたり。 晴れた日には、ついこのエリアを散歩したりカフェにふらっと立ち寄りたくなったりする。数ある大好きな京都のエリアの中でも、特別視したくなるほどにお気に入りのエリアなのだ。 今日はそんな大好きな場所で過ごすお気に入りの時間、場所をまとめて

行きたい場所を繋いでいく自転車旅。

私が京都を好きな理由のひとつに、自転車でどこにでも行ける、というものがある。京都の街はコンパクトにぎゅっとまとめられていて、道は碁盤の目状に広がっているので、道に迷うこともなく、北へ南へすいすいと進める。鴨川を走り抜けば、信号もなく快適に風を感じられる。自転車で走るには実に快適な街だ。 春の訪れをひそかに感じる日々。実際はまだ寒いけれど、冷たい空気のなか太陽に照らされて揺らめく木陰や澄んだ青空を見ていると、外に出たくてたまらなくて、いつのまにか新しい場所へと足を運んでいる。

遺跡レポ:飛鳥の「石舞台古墳」と「酒船石」の不思議な魅力。祭祀の謎に触れる?!

【写真10枚】  京都駅から近畿日本鉄道でおよそ1時間半。日本人の心の故郷といわれる飛鳥がある。飛鳥駅から自転車を借りて約10分走れば、石舞台古墳だ。 石舞台古墳の内部へ  蘇我馬子のお墓と言われる石舞台古墳。7世紀に作られた、日本最大級の方墳だ。  天井に使われている巨石は77トン、総重量は2,300トンと推定されている²  石材は3キロほど上流にある峰のふもとから運ばれたらしい。ソリのような運搬道具を用いたことがわかっている¹。 名前の由来  天井に使われた石

牧野富太郎さんの植物画に興味津々

12月8日、姉と一緒に東京都練馬区にある牧野記念庭園へ行きました。2022年4月に高知の牧野植物園へ行き富太郎さんの描いた植物たちを見て、その素晴らしい観察力と絵での表現力に感動してしまいました。 高知の植物園は平坦ではなく広い園内の道を上ったり下ったりして、結構体力が必要でした。それも楽しさのひとつでしたが。 練馬区の庭園はこぢんまりとしていて、お家のお庭という感じ。その中で育っているいろいろな種類の植物たちが秋色に染まっていてとても綺麗でした。 富太郎さん自身が実際にいた

秋の尾道旅。忘れたくない景色に何度も会いにゆく

2泊3日の尾道旅。秋の心地よく揺らめく海風に吹かれながら、晴れた日々を慈しむように歩いた3日間。秋も深まっているというのに、つい目を細めてしまうような強い日差しの中で、海と空と風と路地と街の空気とをしみじみと味わった3日間の記録です。 街と海ホテルと夕日しまなみ海道

京都暮らしの紅葉巡り。グラデーションで移り変わる日々。

京都暮らしの紅葉巡りの記録。赤や黄色、緑、オレンジ。彩り豊かなグラデーションの景色を眺めるのが大好きだ。 晴れた日には、太陽の光で葉の影がゆらゆら揺れる。真っ赤な燃えるような紅葉もいいけれど、私はいろんな色が入り交ざった「あいまい」の景色を楽しんでいたい。今年も大好きな街・京都で、たくさんの紅葉とその街の空気を味わった、その記録を。 四季の移り変わりが美しい、智積院春夏秋冬、どの季節に訪れても美しい景色に出会える智積院。20回以上行ったことがあるけれど、紅葉のピークの時期

現実を忘れられる尾道の360°パノラマと、うさぎとのふれあい

私が旅の土産として購入している「ご当地マグネット」を紹介している「旅の土産はマグネットシリーズ」 今回は、厳島神社で有名な広島県・宮島で購入した「しゃもじマグネット」を当時のエピソードをまじえてご紹介します! ……といいたいところですが、 現地を訪れたのが10年以上も前なこともあってか、当時の宮島の写真が一切見つからず…… そこで今回は、同時期に訪れた広島県・尾道とうぎ島として知られる大久野島について軽く紹介したいと思います! ※なぜ宮島=しゃもじについてはこちら👇

秋麗の宮島【写真30枚】

あまり旅行を好かない私でも秋になると旅に出たくなるもの。 例年は京都へと通っていましたが、以前のように観光客も戻ってきたこと、京都内でもさすがに行く所もなくなってきており今年は広島に行ってみることに。 秋の宮島にはどんな光景が広がっていたのか写真30枚とともにお届けします。 宮島口桟橋から始発のフェリーに乗り込み宮島フェリーターミナルへ 今年は暖かいといえども、早朝のフェリーは流石に寒い。しかし、この寒さを感じながらぼっーと水面にきらめく朝日を見るのが意外と心地よかっ

『海の街について.』、ZINEを製作しました。旅暮らしの愛おしい日々について。

【エッセイ&写真集『海の街について.』を製作しました!&販売します】 かわいい正方形のZINEです。私が旅暮らしをする中で出会った、忘れられない海の街について。9の街の空気を、私が見た景色と、私が味わった感情、すなわち写真と言葉で40ページにわたってお届けします。 表紙にはあえて文字を入れていません。正方形で、大好きな街の写真を入れたらとてもかわいくなったので、そのままポストカードのように部屋に飾っていただくのもいいかなと思います! このnoteの最後に、料金やくわしい