【再掲】80年代の音楽シーンを辿る旅Vol.1 〜ニューウェーブとオールドウェーブの集結地アメリカ
過去の音楽記事を全て書き直してみます。過去記事はそのまま残します。かなり加筆しているので、新しく楽しんでいただけると思います。暫くしたら有料にいたします。ぜひ、改めてお読みいただければ幸いです。
80年代という時代
80年代というのはどういう時代だったのでしょうか?
これから過去に書いた音楽の歴史の記事を改修していくにあたり、やはり起点はこの80年代にしようと思いました。
というのも、やはりこの時代が2022年になろうとする時期から振り返っても、一つの大きな分水嶺だったと思うからなのです。
何故かといえば、この時期、以下の視点でそれぞれエポックメイキングな出来事があったから。
政治と景気、テクノロジー、文化・カルチャー、、
そして音楽というジャンルの細分化、日本においては第2次上京ムーブメントが発生。
ある意味変革に向かう時代と言えます。
さて、この音楽史のまとめは大きく分けて、以下の項目になる予定です。
(過去記事はすべて書き直して再掲載いたします。更新順はランダムになります)
・黒人主体の音楽と白人主体の音楽が交わったアメリカの地
・マーケティング以前の音楽の流行(戦前)
・ロックンロール誕生のきっかけとなったアーチストとその生涯
・60年代を駆け抜けたビートルズとジミ・ヘンドリクス
・70年代を彩ったレッド・ツェッペリン、ディープパープル、ブラックサバス、プログレッシブロックとその分類
・70年代後半のパンク・ニューウェーブ
・70年代後半からのテクノ
・80年代のメタル復興ムーブメント(NWOBHM)
・80年代のロックシーン
・90年代のロックシーン
・90年代までのブラックミュージック
・90年代のMTVのアンプラグドブーム
(その他、特定の音楽のジャンルや、特定のアーチスト、日本の文化&音楽史も別で修正記載いたします。)
では、80年代について見て行きます。
一言でいうと「きらびやかで、明るい、誰もが前向きだった時代」といえるかもしれません。
80年代のスタート:レッド・ツェッペリンとジョン・レノン
80年代の始まりは伝説の終結からのスタートでした。
(70年代が始まるタイミングで伝説が世を去ったのと奇しくも似ています。90年代にも同様の事があったわけで、これは歴史の妙といえます。
70年代の開始の時には、ジミ・ヘンドリクス、ジャニス・ジョプリン。バンドでいうと、ビートルズやサイモン&ガーファンクルが活動をやめました。
90年代の開始の時には、社会主義の崩壊、東西ドイツ統一、日本も元号が変わるなどの歴史的瞬間だったせいか、各方面で伝説の終焉がありました。
たとえば、クラシックだとカラヤン、バーンスタイン、ジャズだとマイルス・デイヴィス、ロック系だとフレディ・マーキュリー、日本だと美空ひばり、石原裕次郎、松田優作、手塚治虫といった伝説が消えていきました。。)
1980年。英国出身のブルーズを基調としたバンド、レッドツェッペリンが長いロックの歴史の中でも最高といわれるドラマーの死亡に伴い解散。
また、太平洋戦争の発火点となった真珠湾攻撃と同じ日、1980年12月8日にこの年から活動を再開していたジョン・レノンが暗殺されました。
この二つの余りにも大きな喪失から1980年代はスタートしました。
政治と景気:1985年の出来事~新テクノロジー・インターネットの誕生
1985年、映画バックトゥザフューチャーが公開された年に、90年代以降の世界経済を変革するような大きな3つの出来事がありました。
1、ゴルバチョフの出現とペレストロイカによる冷戦崩壊の幕開け
2、マイクロソフトがWindows Ver.1を発表
3、プラザ合意(金本位制度の廃止)により結果的に日本のバブル景気へ
冷戦崩壊、インターネット、円高誘導による長期的な日本経済の低迷(失われた20年の起点)。。1985年の出来事が、いまだに世界に大きな影響を与えている事象を生み出したんですね。
この背景には、1980年代初頭までの米国の双子の赤字からの脱却の必要があったわけです。
また、英国でも同様に60年代~70年代にかけて「英国病」と揶揄された経済危機からの脱却に迫られていたという背景があります。
両国がこの時期、レーガンとサッチャーという著名なリーダーを生み出したのも必然的なことだったのかもしれません。
米国では日本のハイテク産業に勝つためにこの分野に投資をしたわけですし、彼らが蒔いた種がMicrosoftの隆盛、10年後にあたる95年のWindows95の誕生、20年後のシリコンバレーの活躍や、Yahoo! 、Google 、Appleの登場につながっていき、花開いたといえます。
英国もサッチャーの蒔いた種が10数年後のブレア時代にやっと実を結んだわけですね。それくらい経済対策の効果が目に見えてくるには時間がかかるんですね。
この時代、こういった経済事情を背景として、宇宙への情熱がスペースシャトル計画となり身を結び、宇宙が身近に感じられるようになりました。
テクノロジーの分野では、欧州の欧州原子核研究機構CERNの研究室でインターネット及びブラウザが誕生します。
これは、あまりにも広大な敷地に点在する拠点間の情報伝達のスピーディに行うための工夫から情報のネット化(蜘蛛の巣のような)につながり、インターネット誕生へと流れていきます。
文化・カルチャー
この時期、音楽、ファッション、TVドラマ、映画なども夢のある明るい、破天荒、ある意味では能天気なものがメインに躍り出ることになります。70年代とは違うカラフルな時代。特にアメリカがこのムーブメントの中心地となります。
この時期の流行をみてみると、「エイドリアーン!」という叫びが印象的な「ロッキーシリーズ」や、「戦場じゃ仲間がいた、それが国に帰ったどうだ、俺たちを邪魔者扱いしやがる」の「ランボーシリーズ」などがあげられます。
その他「プレデター」や「ターミネータ―」などもあり、これが実は、一般大衆があこがれるマッチョなアメリカンを体現していたりしていたわけです。
また、宇宙つながりでスピルバーグの夢のある「E.T」や「インディ・ジョーンズ」などの映画がヒットを飛ばし、
しまいには時間も超えて1985年に「Back to the Future」が登場。人口知能搭載の話す車も「ナイトライダー」というドラマで登場。
音楽でもニューウェーブの流れにある、マドンナ、シンディ・ローパー、リック・アストリーやシーナ・イーストン、オーストラリアのカイリー・ミノーグといった、まさにきらびやかなダンス・ポップの面々や、モータウンからでてきたマイケル・ジャクソン、プリンスといった、この時期のアメリカを象徴するようなアーチストが多数出現。
「Livin’ in America !」 とジェイムス・ブラウンが唄えば、
「Born in the USA」とブルース・スプリングスティーンが唄う
アメリカ人たちが「We Are the World」と唄えば、
イギリス人たちはライブエイドに集い、皆で「Let it be」を合唱していたわけです。
そして、90年にビバリーヒルズ高校白書がスタート。まさに世界はアメリカを中心として回っていたわけです。
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