日本の健康至上主義を問い直す~幸福な国々の死生観から見る健康~④
4章:「死」と共に生きる 2011年に発生した東日本大震災は「死」の重要性を我々に突き付けた大きな出来事であった。当時、辻(2012,p5)は東日本大震災について社会の大転換期であると述べていた。つまり、スウェーデンやブータンのように「死」を受け入れる社会への転換期であったのだ。しかし、東日本大震災から10年経った現在においても、社会は変わっていない。むしろ、新型コロナウイルスという新たな社会危機が拍車をかけ、社会は「死」を排除する方向に進んでいる。10年前の大転換期であった