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UtaMochi/詩餅
2023年9月25日 13:03
20230925買ったはずないものの匂いがする部屋の中を見渡すとみかんが一つあるカビなどは生えておらず皮もハリがあるこれは何処からやって来たものだろう(たまに飲むスムージーに入れるオレンジは 炬燵の上が似合うコイツとは違うし きちんと冷蔵庫の中で眠っているよな)ぼんやりと考えながら皮を剥いて中を見る中には小さな人間が入っている歳はあまり変わらない驚いて口を半開きにしてい
2023年9月21日 13:45
20230921行き場のない想いが絡まっている場所で一人だけなんにも考えていないやつアイツが言っていた合言葉を忘れて今日も一人きりの夜が過ぎてゆくだけあんなことがあったこんなことがあった語り合う人たちは全員消えていった想いは掠れてゆく薄っぺらく伸びてゆくそれが似合う夜には何もかもが苦くなる合言葉を思い出し一人が嫌になってもあの場所には行かないアイツ
2023年9月19日 19:10
20230919原色の夢から覚め 枕元を見ると耳から流れ落ちた宝石がある触れると砂に変わってしまうのでじっと見つめた後 人差し指を近付ける瓶に砂を入れ 夢の数を数えるカラフルだが同じように見える瓶を置いた棚が崩れて仕舞えば良いそうすれば こんなことをせずに済む顔を洗い 歯を磨いた後に着替える口の中でミントの香りが弾ける支度を終え コーヒーをいれてくつろぐその間はソファ
2023年9月14日 18:43
20230913プレパラートの上透明な掛け布団をかけレンズが近づいて来たら目を閉じて睡魔を探る睡魔の正体が何かを覗き込む瞳が理解する時初めて溢れ出す感触が部屋の中を埋め尽くす白い壁の狭い部屋で小さき対象物と大きな観測者を一つの人間としてまとめ睡魔という名の毛布で包み込む対象物となるときには誰かに会いたくなるだろう観測者となるときには孤独を愛でて時を過ごすだろ
2023年9月13日 21:22
20230912角砂糖のエースは大丈夫だと言ったその言葉が嘘だったことがわかるまで世界の終わりが近づく頃に捲られた腹に描かれている刺青パンで出来た虚ろな目のジャックにも彼は騙されて金を奪われたペラペラな証言を頼りにして犯人に仕立て上げられた岩塩のクイーンは何もせずに眠るばかり寝息にまとうのは朝と夜の精霊瞳を開けば見るものを粉々にした彼も粉々にされた者の一人チーズで
2023年9月12日 19:01
20230912油絵泳ぐ 男には忘れた過去と 紙芝居不確かなのは 今の場所名画か何か 落書きかキャンバスの肌 反射した光を受けて 止めどなく流れる涙 拭うため潜水をして 溺れ死ぬ油絵泳ぐ 夜のこと彼の遺体の 絵画には値段が付いて 売られたら廃墟に飾る 老紳士背泳ぎをして 生き返る潜水をして 死に絶える彼は生き死に 繰り返す命の重さは 水滴だ頭の中に 巣食う虫一
2023年9月8日 23:16
20230908公衆便所の前のベンチに座って落書き見ながら君とキスをした時間がないから焦って舌を噛んでティシュを手渡す君の手が小さかった改札から人が押し寄せてきてあたりがぼやけて見えてきて夜になってゆくのが耐えられなくて誰かの煙草のにおいがしてきて公衆便所の落書きを見ながらベンチに座って缶コーヒーを飲む何年前の記憶だったのだろう君なんて居なかったのかも知れない改札
2023年9月6日 20:27
20230906吐息がかかるビニール袋の中で彼はパチクリとしながら物思いに耽る何故この中に居たいのだろうか考えてもわからないことは捨ててしまおう頭をもいでゴミ箱の中に入れれば千切った重要な書類と生ゴミの間で物思いに耽ることになるだろう考え事は捨ててもわからないままだビニール袋で出来た寝袋の中で彼の身体は頭を抱えているその中にずっと居たいのは窓の外で強すぎる風が吹いてい
2023年9月2日 13:25
20230901喋りすぎた夜に垂らした一滴の薬枯れた声 ぼやける視界朝になるまでは このままソファに座りながら鼻歌を歌っていようテレビの中で回り出す思い出全てが遠く 懐かしくてコップの中で 泳いでいる幻が映そうとしている これからの景色瞳をとじて眠ってしまおう未来など望まない 過去など縋らない悲しすぎた夏を放した狭い部屋は褪せた色に染まってゆく朝になるまでは
2023年9月1日 18:56
20230831死んでも良いと思える時はきっと正常な時計が回っている死にたくないと思える時はきっと異常な心拍数なのだろうどうせ腐っていくだけだならば綺麗に腐りたい悪態をついたって良い人に嫌われることなんて何でもないそれよりも自分を偽りこれで良いなんて思うことはないように真っ直ぐ前を向いているだけその先に何かが見えなくても生きていたいと思える時はきっと異常な世界が