詩「ハイライト」
20230908
公衆便所の前のベンチに座って
落書き見ながら君とキスをした
時間がないから焦って舌を噛んで
ティシュを手渡す君の手が小さかった
改札から人が押し寄せてきて
あたりがぼやけて見えてきて
夜になってゆくのが耐えられなくて
誰かの煙草のにおいがしてきて
公衆便所の落書きを見ながら
ベンチに座って缶コーヒーを飲む
何年前の記憶だったのだろう
君なんて居なかったのかも知れない
改札には人影もなくアナウンスだけ
耳に入っても何語かわからない
朝になってゆくのが耐えられなくて
吸い慣れた煙草のにおいを隠したくて
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