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詩「密閉」

20230906

吐息がかかるビニール袋の中で
彼はパチクリとしながら物思いに耽る
何故この中に居たいのだろうか
考えてもわからないことは捨ててしまおう

頭をもいでゴミ箱の中に入れれば
千切った重要な書類と生ゴミの間で
物思いに耽ることになるだろう
考え事は捨ててもわからないままだ

ビニール袋で出来た寝袋の中で
彼の身体は頭を抱えている
その中にずっと居たいのは
窓の外で強すぎる風が吹いているから

台風が去ったら考え事も吹っ飛んで
ゴミ箱も寝袋も吹っ飛んでゆくだろうか
辿り着いた湖畔で再び出会う頭と身体は
ビニール袋を探して彷徨うことになるだろう

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