マガジンのカバー画像

天使の黒い戯言

28
白衣の天使がお役立ち情報と毒舌をプレゼントします♪
運営しているクリエイター

#コラム

退院する時に病気のこと知らないで帰っちゃうの? の話

 今日も大事なお話。  もし貴方が何かしらの病気で入院したとします。そして治療のかいあって退院したとします。  その時に貴方はどれだけ自分の病気について知っていますか……という話。    入院するほどの病気の場合、退院後も気をつけなければならない点があります。  食生活だったり、運動制限であったり。そのことに留意しないと、再び同じ原因で入院することも大いにあり得ます。  じゃあそういった情報はどこから仕入れます? 今の世の中なんでもネットにのっていますが、私の知る方法にはか

¥100

そのドキドキ、恋じゃなきゃ病気かも

 心も心臓も何かあるとドキドキ 最近、息切れしません? 足のむくみひどくなったりしてません?   今日は心臓系の看護師から皆様へ注意喚起させて頂きます だって今日9/20は「心・血管病予防デー」 検診を受けることで血管に由来する様々な疾病を予防・発見する意識を高め、包括的に診断・治療することで、治療後の改善を図ることが目的。日付は主に高齢者を対象に心血管病予防の活動を行ってきたことから国民の祝日「敬老の日」(9月の第3月曜日)の前日とした。 そして世はコロナ禍。 私

¥100

一度は知ってもらいたい看護師の休養について

☆最後まで無料で読める有料記事になっています。読み終わって「面白かった」と思って頂けたら購入をお願いします☆  9/08は「休養の日」。休養の大切さを再認識してもらうために日本リカバリー協会が制定  看護師のお仕事は身体的疲労と精神的疲労、そして魂の疲労があるそうです。  命を守る仕事で魂を疲弊するというのも矛盾した感じですが、それだけ自己犠牲の側面が強い仕事なのかもしれません  もちろん患者様や御家族のお声掛けや笑顔だけでも回復することもあります  けど、それだけで足り

¥200

医師がコロナに曝される意外な理由

 今、コロナウィルスの話を聞かない日はありません。そして医療職は全国で文字通り戦いの日々を過ごしています  その中の主役の一人、医師が思わぬ理由でウイルスに曝される、というのが今日の話。また皆様へのメッセージも最後にお伝えします 病院を渡り歩く医師 意外と知られていないのは、医師が色んな場所でバイトをしているということ。 研修医は他の病院でバイトをしないと、生活がままならないそうです。それは前から、複数の研修医の方々から聞いていたので、知ってはいました。 しかし、いわゆる中

そうだ、循環器に行こう

1.はじめに もしあなたが恋をしたり、運動をした覚えがないのに胸がドキドキして苦しくなるとしたら。そして足に消えないむくみがでるようになったとしたら、それはひょっとしたら心臓が悪いのかもしれません。  今日はそんな方に循環器内科の受診をすすめるお話。少しでも心臓に不安がある方はぜひぜひ読んで参考にしてください。 2.生命の中『心』、心臓 そもそも心臓はどんなものだろう……というところですが、単純に言うと血液を全身に送る臓器です。それ故にここが障害されると、全身に血液(栄養や

看護師兼医療ライターの野望

 こんにちわ・こんばんわ。現役看護師兼医療ライターの水葉です。生活に役立つ医療情報を看護師の実体験を元にお伝えしています。今回は趣を変えて私の看護師兼医療ライターとして野望について書いていきたいと思いますます。 1.看護師兼医療ライターの野望とは 「医療による『余計な悲しみ・苦しみ』を防ぎたい、消したい」  これが私の野望です。大事なのは『余計な』という点。医療現場には悲しいとこやつらいことが溢れています。家族との死別や自らの死への恐怖が最たるものでしょうか。病気やケガに

白衣に吐かないようにするために         ~熱中症対策について~

 今日の話題は、油断するとあなたもこの夏に看護師に嘔吐してしまうことになる……というお話。  私自身はまだ幸い患者さんにかけられたことはないのですが、同僚が悲惨な目に合いました。その原因は熱中症とアルコールの飲みすぎ。同僚の話を元に、白衣に吐かないようにするため熱中症や飲みすぎに注意して欲しいことを書いていきます。 Ⅰ-1 ケース1 熱中症で嘔吐、体力自慢も程々に Aさんは体力自慢の40才代男性。土日のランニングを習慣としていました。真夏の暑い日中にも欠かさずに行っていま

賢人ヒポクラテスが泣いている?   ~看護師がみたダメな医者1~

 医学の父と呼ばれる古代ギリシア人、ヒポクラテスはご存知でしょうか?かの大先生が遺した『ヒポクラテスの誓い』の一節がこちら。 「私は能力と判断の限り患者に利益すると思う養生法をとり、悪くて有害と知る方法を決してとらない」 「純粋と神聖をもってわが生涯を貫き、わが術を行う」  今から3000年近く前の言葉、しかし現代の医者にもよく読んでもらいたいと感じた今回のエピソード。療養病棟であった2つのケース。  こういう医者が、みなさんの周りにもいるかもしれません。 1 死ぬま

医者が言わないこと、看護師が伝えたいこと

「手術は無事に終わりました。傷を調子をみて、良ければ明日からリハビリをしましょう。早ければ2週間で退院です」  現役看護師天童水葉です。天使の黒い戯言20回目は「お医者様の言うことは信じるな」です。と言っても医者が嘘をついているわけではないです。ついてはいないけども、釣られるな……というお話。 Ⅰ 医者は多くは語らない、語れない 私の看護師人生の中で、患者様への説明がうまいと思う医者は数人しかいません。おそらく研修医を含めて100人以上の医者とお仕事をしてきたのですが、そ

戯言18 フルーツ摂りすぎ注意!? カリウムの甘い罠!

「カリウムって不整脈の原因になり得るの知ってる?」  果物がおいしい季節になりました。柿やら梨が並び、みかんもスーパーでよくみかけるようになりました。私も体質改善のためにバナナなど果物を食べない日はない……というくらい食べています。  果物いいですね!良質な糖分、豊富なミネラル、そしてなによりおいしい! 果物に囲まれていると想像しただけで幸せな気分になります。  ですが……そんな果物もある人達にとっては危険性を帯びてくるのです。  私は新人の頃を心臓系の集中治療室で過ご

黒い戯言17 病院は24時間営業中  看護師は5分だけ休憩中

「救急車くるんだもん、しょうがないよね」  先日、病院の救急担当の看護師A子さんが夜勤で勤務したときのこと。  A子さんの病院は地域密着型病院で二次救急(そこそこ重症な患者様も運ばれてくる)まで対応。夜勤は16:30~翌9:00。そして休憩は30分の食事休憩と1時間半は仮眠の時間となっています。  その日の夜勤はA子さんと直属の上司Sさんとの勤務だった。勤務開始から救急車がひっきりなしにくる。病院の経営方針はどんな患者様でも受け入れる……というものなので救急受け入れを断るこ

黒い戯言15 DON'T touch ……

「院内感染の媒体は看護師より医者なんだって」  先日感染対策のセミナーに参加した先輩が師長(婦長)に報告をしていました。看護師は一年に二回は半強制参加の感染対策の勉強会があったり、抜き打ちで手洗いチェックがあったりします。それでもやっていない人はいますし、ちゃんとやり過ぎて手が荒れている看護師もいます。でもこの5年~10年で看護師の間での感染対策の意識はどんどん高まっている気がします。院内感染の事例もテレビでよく放映されるようになってきていますしね。  それでも変わらないの

黒い戯言14 命の還るところ

「赤ちゃんのオムツを替えるのは簡単なんだけどね……」  赤ちゃんの寝相可愛いですね。なぜかゆるく手と足を曲げて、指をおしゃぶりしたりして。癒されます。体重も軽いから、おむつ交換もヒョイッとできちゃう。  人は加齢や病気で寝たきりになったときに手足を動かさないままでいると腕や足、首の関節が固まってしまう『拘縮(こうしゅく)』という現象が起きます。伸ばしたままの状態で曲がらない、もしくは逆に曲がってままで伸びなくなります。曲げ伸ばしをしようとすると棒のように硬く、また当人に強

黒い戯言13 大口病院事件で思うこと

「同じことが起こる」  以前『てんてきから身を守る』でも記しましたが、同じ事件は起こると思います。医療従事者である限り空しさや憤り、絶望・疲労にさらされます。それに耐え切れず、体を壊したり辞めていく看護師を何人も見てきました。その負の感情の発露の形のひとつが大口病院の事件だったのだと私は感じます。容疑者の元看護師が特殊、大口病院だけが特別……という方もいるかもしれません。ただ、看護師は約166万人(2016年)いて、病院は約178000箇所(2017年)あります。私にはこの