黒い戯言17 病院は24時間営業中 看護師は5分だけ休憩中
「救急車くるんだもん、しょうがないよね」
先日、病院の救急担当の看護師A子さんが夜勤で勤務したときのこと。
A子さんの病院は地域密着型病院で二次救急(そこそこ重症な患者様も運ばれてくる)まで対応。夜勤は16:30~翌9:00。そして休憩は30分の食事休憩と1時間半は仮眠の時間となっています。
その日の夜勤はA子さんと直属の上司Sさんとの勤務だった。勤務開始から救急車がひっきりなしにくる。病院の経営方針はどんな患者様でも受け入れる……というものなので救急受け入れを断ることは基本しない、できない。そうなると途端に救急のブースは戦場になる。患者様はその症状により内科・整形外科・外科といった科に振り分けられそれぞれの医師が担当する。そして心電図やレントゲン、採血などの指示(オーダー)を出す。念のためにもう一度書くと夜勤の看護師は二人。その二人で全てのオーダーをまわさなきゃいけない。中にはオーダーを手伝ってくれる医師もいるけども、オーダーを出すだけだしてあとは知らんぷり……という医師多いです。冷たい……。採血なんかパソコンでちょちょい、とオーダー出せるけど実際に採血するのはけっこう大変。痛がりの人、血管が出ない人、暴れる人……。
救急者の対応しているうちにも、歩いて病院を受診する方もいます。熱が出たり、飲酒しすぎて嘔吐が止まらない人、包丁で指を切った人。
その日は結局救急車は十台以上、患者数は30名近くなったそうです。
看護師の休憩は5分だったそう。仮眠なんてとれません。16時間半ほぼノンストップ。Aさんはさすがに倒れそうになり、上司に声をかけると
「救急車くるんだもん、しょうがないよね」
という返答だったそうです。確かにそうかもしれません。救急車でたらいまわしになった上に亡くなった方もいるのも事実。ただ、看護師も同じ命だと私は思うのです。看護師の命も大事にしてほしい
「『命だけは平等だ』と掲げるグループ病院がありますが、看護師の命も平等ですよね?」という今日の黒い戯言。
今日も読んでいただいてありがとうございました