169.イタリア遠征中ハンニバルはよく象に乗っていた。もし戦象を自在に使いこなせる武将がいたら、古代において無敵だろう。平野の会戦で勝てない。そういう意味では彼の戦術は完成していない。未完成だ。ハンニバルはもう一段、進化する可能性があった。象使いの武将になりたかったようだ。
167.ザマの戦いで、ハンニバルに勝機はなかったのか?いや、ある。80頭の戦象を時間差で左右斜めに走らせればいい。象がX字で戦列に突っ込めば、ローマは作戦行動が取れない。包囲殲滅戦は不可能だ。騎兵戦は何回やっても負けるだろうが、歩兵戦は乱戦となり、消耗戦に移行する。負けない。
166.スキピオはザマの戦いでハンニバルに勝ったが、単に包囲殲滅戦を真似しただけではない。カルタゴが用意した戦象80頭の対策もした。象で戦列を乱せば、有機的な作戦行動は取れないので、ハンニバルは勝機を掴めるが、スキピオは見抜いた。並の武将であればザマで敗れていた。準備こそ作戦だ。
164.ハンニバルとスキピオが完成した。明日出せる。連作構成になっている。第二次ポエニ戦争の前半がハンニバルのターンで、後半がスキピオのターンになっている。そもそも人と観点が異なるので、当方が歴史小説を書くと、毎回見た事も聞いた事もない話が飛び出す。霊的な観点で世界史を観ている。