能「班女」(10/20矢来能楽堂/金剛流・漣の会)。蓮元早苗という女性のシテが演じた。小柄で不思議な存在感。恋に狂って旅にさまよう遊女の花子が、途方に暮れて涙ながらに扇を手に座り込む様は、時代を超えて、若い女性の苦悩する姿そのものだった。孤独感と秋の風の寂しさが伝わってくる舞台。