来住千保美 Chihomi Kishi

1991年からドイツ在住です。クラシック音楽を中心に様々なテーマでお伝えしたいと思いま…

来住千保美 Chihomi Kishi

1991年からドイツ在住です。クラシック音楽を中心に様々なテーマでお伝えしたいと思います。(音楽学/音楽ジャーナリスト。音楽専門誌など執筆多数。早稲田大学第一文学部ドイツ文学科卒業、ドイツ・ケルン大学法学部を経て音楽学・ドイツ文学・日本学で修士号取得。同大学音楽学博士課程中退)

最近の記事

情報:『音楽の友』10月号

本日発売された『音楽の友』10月号の私の記事は以下のとおりです。 ●Report バイロイト音楽祭2024(58〜60ページ)カラーページ ・全体のまとめ、《トリスタンとイゾルデ》新制作、来年の予定 ●海外レポート〈今月の注目公演〉(115ページ) ・エルル・チロル音楽祭2024から ●海外レポート・ドイツ(121ページ) ・バイエルン州立歌劇場の新制作、ヴァインベルク《パサジェルカ》 ・ミュンヘン・ゲルトナープラッツ劇場の《メリー・ウィドウ》 ・ドイツ劇場協

    • オペラ:バイロイト・バロック・オペラ・フェスティヴァル②、ヴィヴァルディ作曲《オルランド・フリオーソ》(狂乱のオルランド)、9月10日、バイロイト辺境伯歌劇場、 Bayreuth Baroque Opera Festival 2024, 10.09.24, Markgräfliches Opernhaus Bayreuth, Vivaldi "Orland Furioso"

      9月5日に続き、10日はヴィヴァルディ作曲《オルランド・フリオーソ》の新制作初日を観ました。 これはフェッラーラ劇場、モデーナ・パヴァロッティ劇場との共同制作です。 9月5日の公演については → 5日は真夏の暑さだったのですが、もう秋の風情で、上着や軽いコートなしでは寒い。 プログラム。 ヴィヴァルディといえば《四季》。これしか知らない人も多いと思います。 ヴィヴァルディは夥しい数の器楽曲を残し、ヴァイオリニストとしても有名でした。 しかし、ヴィヴァルディが生きた時

      • オペラ:バイロイト・バロック・オペラ・フェスティヴァル①、開幕公演、ポルポーラ作曲《アウリーデのイフィゲーニア》、9月5日、バイロイト辺境伯歌劇場、Bayreuth Baroque Opera Festival 2024, 05.09.24, Markgräfliches Opernhaus Bayreuth, Porpora "Ifigenia in Aulide"

        9月5日、バイロイト・バロック・オペラ・フェスティヴァルが始まりました。今年は9月15日までの開催です。 以前の投稿については以下をどうぞ → 今年の開幕公演はニコラ・アントニオ・ポルポーラ作曲《アウリーデのイフィゲーニア》、9月5日のプレミエを観ました。 辺境伯歌劇場 プログラム ポルポーラは当時、ナポリで歌手の教育者として高名でした。弟子にはあのファリネッリもいます。 J.ハイドンの先生でもありました。 ロンドンではヘンデルのライヴァルでした。 劇場内部 カ

        • コンサート:シャニ(指揮とピアノ)、ミュンヘン・フィル、Lahav Shani, Münchner Philharmoniker, 04.09.24, Isarphilharmonie, München

          24/25シーズンが始まりました。 私にとって23/24シーズン最後のコンサートは7月13日、ブロムシュテット指揮バンベルク響でした。この時聴いたのはブルックナー《交響曲第9番》でした。→ 24/25シーズン開幕コンサートは9月4日、シャニ指揮ミュンヘン・フィルで、こちらもブルックナー《交響曲第9番》です。 ブルックナーは1824年9月4日に生まれました。今年、生誕200年です。 つまり、その記念の年にあたる23/24シーズンは、私にとっては9番で終わり、24/25シ

        情報:『音楽の友』10月号

        • オペラ:バイロイト・バロック・オペラ・フェスティヴァル②、ヴィヴァルディ作曲《オルランド・フリオーソ》(狂乱のオルランド)、9月10日、バイロイト辺境伯歌劇場、 Bayreuth Baroque Opera Festival 2024, 10.09.24, Markgräfliches Opernhaus Bayreuth, Vivaldi "Orland Furioso"

        • オペラ:バイロイト・バロック・オペラ・フェスティヴァル①、開幕公演、ポルポーラ作曲《アウリーデのイフィゲーニア》、9月5日、バイロイト辺境伯歌劇場、Bayreuth Baroque Opera Festival 2024, 05.09.24, Markgräfliches Opernhaus Bayreuth, Porpora "Ifigenia in Aulide"

        • コンサート:シャニ(指揮とピアノ)、ミュンヘン・フィル、Lahav Shani, Münchner Philharmoniker, 04.09.24, Isarphilharmonie, München

          情報:『音楽の友』9月号

          先日発売された『音楽の友』9月号の私の記事は以下のとおりです。 ●海外レポート〈今月の注目公演〉(99ページ) ・97歳になったブロムシュテットがバンベルク響とブルックナー《第9番》 ●海外レポート・ドイツ(105ページ) ・ゲルトナープラッツ劇場の《夢遊病の女》 ・ミュンヘン・フィルのシーズン終わる ♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪ インスタグラム @chihomi_kishi_kcmc_music カルチャー・コンサルティングについてのお尋ね、ご連絡は以下までどうぞ

          情報:『音楽の友』9月号

          ミュージカル:《ルートヴィヒ2》、03.08.24 Festspielhaus Neuschwanstein

          ドイツ観光の白眉ノイシュヴァンシュタイン城の近くにミュージカル劇場『フェストシュピールハウス・ノイシュヴァンシュタイン』があります。 ここは2000年4月7日、ミュージカル《ルートヴィヒII》で開場しました。 この《ルートヴィヒII》は1506回上演され、約150万人の観客を集めたのですが、それでも75%の座席占有率で、経済的に難しく一旦プログラムから外されました。 しかし2005年3月11日《ルートヴィヒ2》(2は二乗、つまり小さい2)として新制作を出したのですが、これ

          ミュージカル:《ルートヴィヒ2》、03.08.24 Festspielhaus Neuschwanstein

          オペラ(演奏会形式上演):R.シュトラウス《カプリッチョ》、ザルツブルク・フェスティヴァル26.07.2024, Salzburger Festspiele, Großes Festspielhaus

          7月26日、ザルツブルク・フェスティヴァルでR.シュトラウス《カプリッチョ》の演奏会形式上演初日を聴き(観)ました。 なお、日本では『ザルツブルク音楽祭』として知られていますが、伝統の《イェーダーマン》演劇など、上演は『音楽』だけではありません。『ザルツブルク・フェスティヴァル』とするのが翻訳上も正しいのですが、字数も多くなり、通りもよくないので、執筆する上で、そこはジレンマです。 この日も快晴に恵まれました。 開演時刻近くになるとVIPが到着、警備も厳しい。 プログ

          オペラ(演奏会形式上演):R.シュトラウス《カプリッチョ》、ザルツブルク・フェスティヴァル26.07.2024, Salzburger Festspiele, Großes Festspielhaus

          オペラ:バイロイト・フェストシュピーレ開幕、ワーグナー《トリスタンとイゾルデ》新制作、25.07.24 Bayreuth, Festspielhaus

          今年のバイロイト・ワーグナー祭は7月25日、新制作《トリスタンとイゾルデ》で開幕しました。夏日でしたが、殺人的な暑さではなく、助かりました。 開幕には政治家や各界の著名人が集まるため、厳重な警戒です。 昨年、ワーグナー人形が盗まれたため、このような看板がありました。 「アーティストの所有物。そのままにしておいてください。Ottmar Hörl(アーティストの名前)」 盗まれた事件に関する投稿はこちら → プログラム バイロイトも劇場改修に莫大な費用がかかり、毎年、話題

          オペラ:バイロイト・フェストシュピーレ開幕、ワーグナー《トリスタンとイゾルデ》新制作、25.07.24 Bayreuth, Festspielhaus

          オペラ:チャイコフスキー《マゼッパ》、エルル・チロル・フェスティヴァル Tiroler Festspiele Erl, 21.07.24

          7月21日、またまたエルル(オーストリア)でのチロル・フェスティヴァルに出かけ、チャイコフスキー《マゼッパ》を観ました。 人口1600人の村エルルには2つ劇場があります。 今度は7月初旬の《ニーベルングの指環》チクルスの劇場の隣に立つフェストシュピールハウスです。ここは2012年12月26日に開場しました。 隣接するパシオンスシュピールハウスを劇場の中から見たところ。 ここでは村人によるキリスト受難劇が6年に1度開催されます。 住民による受難劇は、10年に1度開催されるオ

          オペラ:チャイコフスキー《マゼッパ》、エルル・チロル・フェスティヴァル Tiroler Festspiele Erl, 21.07.24

          オペレッタ:レハール作曲《メリー・ウィドウ》、18.07.24 München, Gärtnerplatztheater

          7月18日はミュンヘンのゲルトナープラッツテアーターでレハール作曲のオペレッタ《メリー・ウィドウ》を観ました。 原題はドイツ語で《Die lustige Witwe》(ディ・ルスティゲ・ヴィトヴェ)。《メリー・ウィドウ》として広く知られているので《メリー・ウィドウ》と表記します。 この日は夏日。劇場建物の左側の壁には公演のポスターが。 プログラム。 世界初演は1905年12月30日。 この演出は世界初演当時に合わせたもので、美しく楽しいのですが、決してそれだけではありま

          オペレッタ:レハール作曲《メリー・ウィドウ》、18.07.24 München, Gärtnerplatztheater

          情報:『音楽の友』8月号

          本日発売の『音楽の友』8月号の私の記事は以下のとおりです。 ●海外レポート・ドイツ(125ページ) ・ドルトムント・オペラ《ラインの黄金》新制作 ・エッセン・アールトムジークテアターの新制作《ヴォツェック》 ・バイエルン州立オペラ《トスカ》新制作 ・リヒャルト・シュトラウス・ターゲ2024 ・6月のバイエルン放送響 ♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪ インスタグラム @chihomi_kishi_kcmc_music カルチャー・コンサルティングについてのお尋ね、ご連絡

          情報:『音楽の友』8月号

          オペラ:ワインベルク作《パサジェルカ》、バイエル州立オペラ、16.07.24, Bayerische Staatsoper

          7月16日、バイエルン州立オペラのワインベルク作曲《パサジェルカ》を観ました。 プレミエとそれに続く上演は日本にいて観ることができず、7月の再演まで待たなければなりませんでした。 バイエルン州立オペラの23/24シーズンの、私にとっての最大の注目公演は《こうもり》と《パサジェルカ》でした。 作品と同様、演出家と指揮者の組み合わせが大きな理由です。 《パサジェルカ》、アウシュヴィッツを題材にしたオペラをどのようにステージにかけるか・・・。 《パサジェルカ》はポーランドの

          オペラ:ワインベルク作《パサジェルカ》、バイエル州立オペラ、16.07.24, Bayerische Staatsoper

          コンサートと旅:ブロムシュテット指揮バンベルク響、Herbert Blomstedt, Bamberger Symphoniker, 13.07.24, Kaiserdom Bamberg

          7月13日、ブロムシュテット指揮バンベルク響のコンサートを聴きました。プログラムは今年生誕200年を迎えるアントン・ブルックナー《交響曲第9番》、場所はバンベルクの大聖堂カイザードームでした。 プログラム。 コンサートについては『音楽の友』に執筆しますので、そちらをご覧ください。 ここではバンベルクの街を中心に紹介したいと思います。 バンベルクはニュルンベルクから電車で約45分、7つの丘はローマを思わせ、川の中心を埋め立ててつくった中洲はヴェネチアを思わせます。 世界遺

          コンサートと旅:ブロムシュテット指揮バンベルク響、Herbert Blomstedt, Bamberger Symphoniker, 13.07.24, Kaiserdom Bamberg

          オペラ:ワーグナー作《神々のたそがれ》、エルル・チロル・フェスティヴァル、10.07.24, Tiroler Festival Erl

          エルル・チロル・フェスティヴァルの《ニーベルングの指環》チクルスもとうとう最後の第3夜《神々のたそがれ》を迎えました(7月10日)。 プログラム。 ただ、この日、グンター役の予定だったマヌエル・ヴァルザーが前日の夜から声が出なくなり、急遽、ダニエル・シュムッツハルトが歌のみで登場しました(ヴァルザーは演技のみ)。 シュムッツハルトという名前が珍しいこともあり、私の記憶にありました。 あるオペラのプレミエ・パーティーに出演者でもないアンネッテ・ダッシュがいました。当時、彼

          オペラ:ワーグナー作《神々のたそがれ》、エルル・チロル・フェスティヴァル、10.07.24, Tiroler Festival Erl

          オペラ:ドビュッシー作《ペレアスとメリザンド》プレミエ、ミュンヘン・オペラ祭、バイエルン州立オペラ、プリンツレゲンテンテアター、09.07.24 Bayerische Staatsoper, Münchner Opernfestspiele, Prinzregententheater

          7月9日、ミュンヘン・オペラ祭の2つ目のオペラ祭新制作、ドビュッシー作《ペレアスとメリザンド》プレミエを観ました。場所はいつものナツィオナールテアターではなくプリンツレゲンテンテアター。 プリンツレゲンテンテアターは1901年完成、《ペレアスとメリザンド》の世界初演は1902年4月30日、パリ・オペラ・コミックでした。 ミュンヘン初演は1908年10月9日。 劇場入口。 中庭。 劇場はバイロイトの祝祭劇場とよく似ています。 この日はピットがとても深い。 プログラム

          オペラ:ドビュッシー作《ペレアスとメリザンド》プレミエ、ミュンヘン・オペラ祭、バイエルン州立オペラ、プリンツレゲンテンテアター、09.07.24 Bayerische Staatsoper, Münchner Opernfestspiele, Prinzregententheater

          オペラ:ワーグナー作《ジークフリート》、エルル・チロル・フェスティヴァル、08.07.24 Tiroler Festival Erl

          7月8日、オーストリアのエルルでのチロル・フェスティヴァル、ワーグナー《ニーベルングの指環》チクルス上演の第二夜《ジークフリート》を観ました。 エルルの場所。 プログラム。 連日、夏日が続いています。 エルルには劇場がふたつ並んでいます。 6年に一度、村人たちが行う有名な受難劇の場所はこの劇場です。 客席数1500人で、キャパが大きいので、《指環》上演はこちらの劇場でした。 その歴史もあり、「キリストのイバラの冠」のオブジェがあります。 通常の劇場と違い、緞帳があ

          オペラ:ワーグナー作《ジークフリート》、エルル・チロル・フェスティヴァル、08.07.24 Tiroler Festival Erl