獣性をもって生存競争を繰り返す地上は、神から見放された地なのだろうか?違うと思う。この世が弱肉強食の荒野であることを嘆くことができる内に、既に救いへの道標がある。互いを貪り喰いつつも、同時に慈しみの心が秘められている矛盾への葛藤の先にこそ、御心はある。
エゴイストでも自愛に満ちた人でもいい。誰にでも御心に沿ったつとめを果たすことができる。そもそも人も動物である以上、誰しも獣性を備えているものだ。己の卑しさを嫌悪して嘆くより、ただひたすらに神をあおぎ「どうか私のつとめを果たさせてください」と祈り働くのがよいだろう。