女のことは、わたしは男なので、よくわからない 女性によって書かれたものや女性の話を聴いても 書いていること、言うことがバラバラである 相互に矛盾している けれども それぞれ「女として」の肉体と心と体験から 書き、発言している 真実でないわけがないと言わざるを得ない
女については、いくらデータを集めても、体系化できない こういうものは男の手には負えない 一方、男は、まったく単純だ 「男は、それぞれみんな違う」と言っている人もいるようだが どう違うかは示せない わたしの意見は、「男は、それぞれ、みんな同じだ」 とても体系化しやすい
男を論じてもあんまり単純にまとまってしまい 意味ありげな展開ができない だから、女を論じる人は、男女とも、古今東西、無数にいるが 男に関して真剣に考えたり論じたりする人はめったにいない 思い浮かぶのは 『「男」という不安』を書いた小浜逸郎氏 それから三島由紀夫氏くらいだ
小浜逸郎『日本語は哲学する言語である』(徳間書店) 情緒とは、身体の内外に起きるものごとが、直接的に主体自身の意識をざわめかせる表現となったもののことである。――p.73【手放しました】