死にたくないが、生きたくもない~読書記録101~
2006年、評論家・小浜逸郎氏によるエッセイ。
小浜氏は昭和22年生まれの団塊世代。横浜生まれの横浜国大と、純粋な浜っ子だ。
この本が発行されてすぐに、当時の横浜市長、小池百合子の一番初めの秘書、中田何とかに請われて横浜市の教育委員会に。2008年。
丁度、息子が小学校に行けなくなり、学校長は「教育委員会に押し付ける」の方針だったもので、教育委員会と私が揉めていた時期でもある。
五木寛之先生だか、山田昌弘先生だかの本に引用されていたもので、借りたものの、ネット検索で「何年に横浜市教育委員会」の事実を知り、読まないで返却も考えたのだが、読んでよかった、面白い!!と言える本であった。
本と言うのは、先入観を捨てて、取り合えず読んでみるのが良い。
と言いつつも、↓人の本は読む気になれず。。。
五木寛之先生の本だからと借りたら、内容は古市との対談集で、斜め読みしてキャスやブログでも紹介しなかった。
小浜逸郎氏の言わんとするところ、同意しながら読んでいた。
そんなに年を取って元気になれるもんか。この本を執筆時の小浜逸郎氏は59歳。身体のあちこちに不調。やはり、寿命だけ延びても身体は確実に老いるのだ。よーくわかる。
「新老人」だの、「いつまでも枯れないで元気」だの言われていた時代でもあった。今は亡き聖路加国際病院の日野原重明医師のような「元気に趣味を持って」みたいな老後が一般とメディアがもてはやしたせいもあろうか。
私達はいつまでも枯れないのではない。本当は枯れかけているのに。その後もだらだらと生きてしまうので、「切れきることが許されない」だけなのだ。本書より。
この一文に著者の言いたい事は要約されると思う。
著者が語る「すべての人間は本質的に中毒存在だ」という主張には大いに賛同した。
著者は、最近の嫌煙権から語っていたが、健康だのビジネスだの全ては、中毒ではないか、と。
ウンウン。
私は、オカルトグッズを売りつける内科医とその信者らから「糖分は依存性があるから辞めるように」と言われていたのだが。彼らだって、「電子レンジがダメ」「水素水を飲むと良い」だの、教祖様の言う通り従い、依存しているではないか。
私の場合は、甘い物とカフェインが辞められないだけであるが、特にすぐに入院!とまではいかない。少し肥ってはきたが。
つまり!!
多くの人は何らかの依存性があり、そうでないと無気力にボーとしているような気がするのだ。
「家族の為に頑張る」「檀家さんの為に頑張る」だの共依存のどこが悪いのか。
馬車道十番館のライ麦パンを食べたいから頑張って働いて、生きる!
これも、ある種の中毒なのかもしれない。。。
ともかくも面白い書であった。
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