サルの群れでは、強い者が餌を支配する。弱い者は餌を充分とれずに、群を去る者もいる。 人間社会も同じだと思う。 社会という群に属するには、収入が高い、容姿が整っている、知性がある…といくつ条件があり、この様々な条件をクリアできた人がヒエラルキーの上位へ、できないものは群れを去ると。
サル学の先駆者の一人である河合雅雄さんは戦争に思いを馳せていた。 「第二次大戦直後、何で人間はこんなバカげたことをするのだろう」 そう思うと同時に、こんな結果をもたらす人間性の根源を知るには、サルまで立ち戻る必要があると考えた。そんな思いが日本のサル学の底には流れている。