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小説、エッセイなど

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書いた小説、ちょっと長いエッセイをまとめています。感想いただけると飛び跳ねて喜びます。
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#愛

恋も揺れ、愛も揺れ。

恋も揺れ、愛も揺れ。

幸せになるために必要なものなんて、最小限のはずなのに。
それを抱きしめて生きることがどれほど難しいことか。

少し冷えた冬の日。
滲み始めた星が、風に吹き飛ばされそうな夜。
駅に向かうあなたの背中。追いかける私の弾む肩。
手を伸ばせばすぐに届く距離だった。
あなたのシャツの裾を握りしめるなんて、容易いことだった。

だから、手を伸ばさなかった。
そんな、理由で。
今では、もうどんなに手を伸ばしても

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君がひとつの空気になって

君がひとつの空気になって

あなたが顔をくしゃっとさせて笑うとき、いつもあなたの周りには春風が吹いていた。
あなたはいつも私の春だった。
あなたといれば、私も春の空気の一部になれた。
あたたかくて、誰も傷つかない世界の。

君とは、
つまらない、くだらないことでよく喧嘩したね。
だけどさ、根っこの部分、本当に解り合えない部分には、お互い棘を刺さなかった。
解り合えないことを分かっていたから、そこは目を伏せて、解り合えそうなこ

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歌を忘れたカナリヤ

歌を忘れたカナリヤ

それは、朝ご飯を食べた後、食器を洗っているときのできごとだった。

リビングにあるTVでは、録画してあった「BS日本・こころの歌」が流れている。祖父と祖母はまだ食事中で、2人合い向いになって座っていた。

湿度の高い空気が充満したキッチンに、水道から流れ出る水と食器が重なり合って複雑で繊細な音を立てる。

その合間に、一瞬祖母の声が混じった。

「もっと大きな声で…」

何か注文をつけるような言い

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コロナ禍において大切にしたい「個人の固有性」とは

コロナ禍において大切にしたい「個人の固有性」とは

 集団と個人。個人が寄り集まれば、集団になる。早朝、駅の改札から溢れ出してくる集団を俯瞰して見れば、それは名も知らぬ他者の集まりです。テレビカメラが遠巻きに映し出すのは、スーツを着て会社に向かう人たちでごった返す朝。

 スクランブル交差点ですれ違った、名も知らない誰かは、あなたにとっては誰でもよかった。代替可能な他者の1人でしょう。それはあなたがその人のことを知らないからです。特別な関わりを築い

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