2021年9月の記事一覧
播磨陰陽師の独り言・第五十一話「ルビのこと」
noteにようやくルビが付けられるようになって喜んでいます。やはり日本語にはルビが必要たと思います。ルビのないものは、日本語らしくないとも思っています。
この〈ルビ〉と言う呼び名は外来語ではありません。新聞記事の〈ふりかな〉の活字サイズが、宝石の1ルビーと同じ大きさだったので、〈ルビ〉と呼ばれるようになったものです。もちろん、正式には〈振り仮名〉と呼ばれます。
振り仮名は、元を正せば片仮名が
播磨陰陽師の独り言・第五十話「本日の収穫」
毎晩、〈本日の収穫〉と思う文書ファイルに、その日の日付けを書いて、収穫のあった物事を記入しています。
収穫のあった物事とは、たとえば、
――◯◯と言う本を読んだ。
とか、
――◯◯の絵を描いた。
と言った、その日に出来た物事のことです。
毎日、書いていると、何かが出来あがって行くのを実感します。
今日、出来なかった物事に焦点を当てるのではありません。出来た物事にだけ注目するのです。一日
御伽怪談第二集・第一話「悲しき抜け首」
一
昭和の見せ物小屋では、チャチな作りのろくろ首が、三味線を爪弾きながら首を伸ばして見せてくれた。もちろん作り物に過ぎないが、本物のろくろ首の多くは、このような伸びるものではない。抜ける首が多いのだ。これを古くは〈飛頭蛮〉と呼んだ。この言葉は今では忘れられたもののひとつである。
抜け首は、死んだ者の霊魂ではなく、生霊のひとつだ。別名を〈離魂病〉と呼ぶ。生きながら魂が離れる病……だから、ろ