Misaki Harada / 人事・経営コンサルタント

立教大学LDC4期生 社会人大学院や日々の気づきをまとめていきます https://…

Misaki Harada / 人事・経営コンサルタント

立教大学LDC4期生 社会人大学院や日々の気づきをまとめていきます https://lit.link/challengebychoice

マガジン

最近の記事

計画的偶然性理論:論文レビュー

こんにちは、原田です。 今回は、計画的偶然性理論を提唱した論文です。 計画的偶然性理論は、企業のキャリア研修で頻繁にみられる理論です。先日の授業にて、この理論を誤解していたことがわかり、原文を拝読するに至りました… 今日の論文 Planned Happenstance: Constructing Unexpected Career Opportunities 計画的偶然性:予期しないキャリアの機会を構築する Journal of Counseling & Develop

    • ダブルループコーチングによるリーダーシップ開発:論文レビュー

      こんにちは、原田です。 今回は、ダブルループコーチングによるリーダーシップ開発に関する論文です。 ダブルループ学習: 自己や状況に対する根本的な仮定、価値観、信念を問い直し、それを修正することで学習と成長を深めるプロセス。エラーを修正する際に表面的な行動や結果だけでなく、その背後にある考え方やフレーム(枠組み)そのものに焦点を当てることが求められる。シングルループ学習が特定の行動を改善することであるのに対し、ダブルループ学習は、状況に対する認識の仕方や、行動の裏にある前提

      • 臨床教育における学習者が主体的にフィードバックを求める文化の醸成:論文レビュー

        こんにちは、原田です。 今回は、臨床教育における学習者が主体的にフィードバックを求める文化の醸成に関する論文です。 学習者がフィードバックを求め、判断し、活用するプロセスにおいて、社会文化的な影響がどのように作用するかを議論しています。 今日の論文 Seeking a different angle on feedback in clinical education: the learner as seeker 臨床教育におけるフィードバックの新たな視点:学習者としての受

        • 医師のフォーマルなパフォーマンス評価フィードバックモデル「R2C2」:論文レビュー

          こんにちは、原田です。 今回は、医師のフォーマルなパフォーマンス評価フィードバックモデル「R2C2」に関する論文です。 この研究は、医師が自己評価を通じてフィードバックを受け入れ、行動に活かすプロセスを探求することを目的としています。 R2C2の語源は、フィードバックモデルの4つのフェーズを表す英単語の頭文字に由来しています。 Rapport and Relationship(関係構築) フィードバックの信頼性を高めるための関係性の構築 Reactions(反応) 受信

        計画的偶然性理論:論文レビュー

        マガジン

        • フィードバックの先行研究
          29本
        • 読書ログ
          1本
        • チームワークの先行研究
          1本

        記事

          医療教育におけるフィードバックの再概念化:論文レビュー

          こんにちは、原田です。 今回は、医療教育におけるフィードバックの再概念化に関する論文です。 今日の論文 The "Educational Alliance" as a Framework for Reconceptualizing Feedback in Medical Education 医療教育におけるフィードバックの再概念化のための「教育的アライアンス」というフレームワーク Academic Medicine, 2015年5月 S Telio, Rola Ajjaw

          医療教育におけるフィードバックの再概念化:論文レビュー

          医療現場での教育における自己評価と他者からのフィードバックの関係:論文レビュー

          こんにちは、原田です。 今回は、医療現場での教育における自己評価と他者からのフィードバックの関係に関する論文です。 今日の論文 I'll Never Play Professional Football and Other Fallacies of Self-Assessment 「私はプロのフットボール選手にはなれない」および自己評価のその他の誤謬 Journal of Continuing Education in the Health Professions, 20

          医療現場での教育における自己評価と他者からのフィードバックの関係:論文レビュー

          フィードバックがどのようにして効果をもたらすか:論文レビュー

          こんにちは、原田です。 今回は、学習者の反応から、フィードバックがどのようにして効果をもたらすか、のレビュー論文です。 教育現場における心理学的視点で書かれています。 今日の論文 "Toward a cohesive psychological science of effective feedback" 「効果的なフィードバックのための統合的な心理科学の追求」 Educational Psychologist, 2023 Naomi E. Winstone & Robe

          フィードバックがどのようにして効果をもたらすか:論文レビュー

          フィードバック文化を促進するための12の秘訣:論文レビュー

          こんにちは、原田です。 今回は、医療教育におけるフィードバック文化に関する研究です。 フィードバック文化: 学習者と教育者の成長を促進し、フィードバックを単なる技術的なやり取りとしてではなく、社会的・文化的な関係性を通じて行われる複雑なプロセスと捉える考え方。この文化の構築には、信頼関係や組織文化、受け手の成長マインドセットなど、様々な社会文化的要素が影響を与えている 今日の論文 Twelve tips to promote a feedback culture wit

          フィードバック文化を促進するための12の秘訣:論文レビュー

          フィードバック志向とフィードバック文化の影響:論文レビュー

          こんにちは、原田です。 今回は、フィードバック志向、フィードバック文化がフィードバックを取り入れるプロセスにどのように影響するかの論文です。 ロンドンとスミザー(London & Smither, 2002)の定義によると、 フィードバック志向: 個人がフィードバックに対して抱く総合的な受容性を指し、フィードバックに対する好意度、フィードバックを求める傾向、深く理解しようとする認知的処理能力、行動に結びつける責任感などが含まれる概念。フィードバック志向が高い個人は、自己認

          フィードバック志向とフィードバック文化の影響:論文レビュー

          フィードバック環境のメタアナリシス:論文レビュー

          こんにちは、原田です。 今回は、フィードバック環境のメタアナリシスです。 フィードバック環境とは: フィードバック環境は、上司‐部下や同僚間で日常的に行われるフィードバックの文脈的側面を指し、従業員が日々どのようにフィードバックを受け取るかに関する認識を反映。具体的には、フィードバックがどのように提供され、受け取られるかの雰囲気やプロセスが含まれ、フォーマルな評価会話ではなく日常のインフォーマルなフィードバックに焦点を当てた概念 根拠となる論文: ・Steelman et

          フィードバック環境のメタアナリシス:論文レビュー

          自己効力感とパフォーマンスのメタ分析(1977~1996年):論文レビュー

          こんにちは、原田です。 今回は、自己効力感とパフォーマンスのメタ分析です。 今日の論文 Self-Efficacy and Work-Related Performance: A Meta-Analysis 自己効力感と仕事関連パフォーマンス:メタ分析 Psychological Bulletin, 1998 Alexander D. Stajkovic, Fred Luthans サマリ このメタ分析では、114の研究を対象にして、自己効力感と仕事関連パフォーマンス

          自己効力感とパフォーマンスのメタ分析(1977~1996年):論文レビュー

          チームワークの科学の40年の進展:論文レビュー

          こんにちは、原田です。 今回は、チームワークの科学の40年の進展をまとめた論文です。 こちらで取り上げた内容はほんの一部です。気になる方はぜひ原文をご確認いただくことをおすすめします…!(面白かった…!) 今日の論文 The Science (and Practice) of Teamwork: A Commentary on Forty Years of Progress チームワークの科学(と実践):40年の進展に関するコメント Small Group Resear

          チームワークの科学の40年の進展:論文レビュー

          チームの心理的資本が新製品開発チームの適応性をどう高めるのか:論文レビュー

          こんにちは、原田です。 今回は、チームの心理的資本と新製品開発チームの適応性の関係についての論文です。 心理的資本(PsyCap)とは: 希望(hope)、自己効力感(self-efficacy)、回復力(resilience)、楽観主義(optimism)という4つの要素から構成される、個人やチームの肯定的な心理状態を指す概念。この概念は、従業員やチームのパフォーマンスを高める重要な心理的リソースとして広く研究されている 【参考文献】 Luthans, F., You

          チームの心理的資本が新製品開発チームの適応性をどう高めるのか:論文レビュー

          リーダーシップトレーニングの設計と効果に関するメタアナリシス:論文レビュー

          こんにちは、原田です。 今回は、リーダーシップトレーニングの設計と効果に関するメタアナリシスです。 今日の論文 Leadership Training Design, Delivery, and Implementation: A Meta-Analysis リーダーシップトレーニングの設計、提供、および実施: メタアナリシス Journal of Applied Psychology, 2017年 Christina N. Lacerenza, Eduardo Sala

          リーダーシップトレーニングの設計と効果に関するメタアナリシス:論文レビュー

          顧客関係管理(CRM)と組織行動(OB)の関係:論文レビュー

          こんにちは、原田です。 今回は、顧客関係管理(CRM)と組織行動(OB)の関係に関する論文です。 顧客関係管理(CRM): 顧客との関係を管理し、データを活用して顧客ニーズに応じたサービスを提供するための戦略的手法。CRMは、企業の製品やサービスの個別化、顧客エンゲージメントの向上、顧客満足度の改善を目的とする 組織行動(OB): 組織内での個人やグループの行動を研究し、組織全体のパフォーマンスを高めるためのマネジメント手法。OBは、リーダーシップ、モチベーション、チーム

          顧客関係管理(CRM)と組織行動(OB)の関係:論文レビュー

          リーダーのビジネスアキュメンの革新的行動への影響:論文レビュー

          こんにちは、原田です。 今回は、ビジネスアキュメンと革新的行動の研究です。 ビジネスアキュメン: ビジネスにおける様々な側面(市場、経済、財務など)を理解し、状況に応じた問題解決や意思決定を行い、企業の成果に貢献する能力 参考論文: Haines (2019) による「The Business Acumen Handbook」において、ビジネスアキュメンは企業の様々な状況に対応するために必要な理解力とスキルの重要性が強調されている。また、ビジネスアキュメンは心理学分野では

          リーダーのビジネスアキュメンの革新的行動への影響:論文レビュー