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ソーシャルワークひとりごと

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記事一覧

我々はみな、文化を創造する実践者だ

我々はみな、文化を創造する実践者だ

最近、ケネス・J・ガーゲンの「あなたへの社会構成主義」を読んでいます。

社会構成主義とは、私たちの心や文化、人間関係、障害などはすべて社会の中で構成されてきたと考えるものです。

わかりやすいのは障害です。発達障害って、目に見える障害ではない。社会の中で「こういう人や生きやすい」「こういう人は生きづらい」という枠組みが発生して、生きづらい方に分類されることです。

昔は発達障害という概念はなかっ

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初めての就活は26歳、ハローワークだった

初めての就活は26歳、ハローワークだった

3月もそろそろ終わり。

今年は大学で働き始めたせいか、4月〜3月のサイクルをとても意識する年でした。就活で悩んでいた学生たちも、自分の進路を決めて、無事に卒業していきました。良かった良かった。

感慨深いので、これを機に自分の就活について振り返ろうと思います。

***

私の就活は、2012年7月にハローワークに行ったところから始まりました。

その時の私はアメリカの大学院を卒業したばかりの2

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その感情は、私たちがつくった枠組みの中で起きる

その感情は、私たちがつくった枠組みの中で起きる

ケネス・ガーゲンとメアリー・ガーゲンの「現実はいつも対話から生まれる」を読んでいました。

心理学者であるガーゲン夫妻は、「社会構成主義」という考え方を提唱していて、私はその理論に沿って物事を考えることが多くあります。今回もいろいろ考えたので、シェア。

本はこちら

社会構成主義とは?

ざっくり言うと、社会構成主義とは「社会の様々なことは、人の頭の中でつくられたものである」ということです。私た

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「折り合い」に口を出さない、その2

「折り合い」に口を出さない、その2

過去にこんな記事を書いていて。

去年の1月6日は、修士論文の提出直前だったのですが、その時に思わず書いた記事です。

ソーシャルワーカーは、人の折り合いに触れやすい立場だなと思うのです。

自分が生きていくために、「本当はこうしたかった」と「現実」の間でゆっくりと折り合いをつけていく。

それは人間誰しもが行う作業なんだけど、障害があったり、環境的な困難があることによって、「本当はこうしたかった

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ピアアドボケイト

ピアアドボケイト

「第11回 全国ピアスタッフの集い」に行ってきました。

精神疾患を持ち、その経験を活かしながら活動している人たちは、自分自身を「ピア」と呼びます。その経験を支援に活かして働いている人はピアスタッフと呼ばれます。私は周りにピア活動をしている人たちが多く(なぜならピアスタッフ協会に出入りさせてもらっているから)、私が所属している権利擁護団体でも一緒に活動しています。

今回の集いでは、「ピアアドボケ

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社会と心は切り離せない あとがき

社会と心は切り離せない あとがき

最近、ある心理学会が開いた講演会に参加した。ゲストスピーカーである登壇者のファンだったので、会員ではないが準備会にまぜてもらった。

その学会は、人々が抱える問題の原因を、その心理的枠組みの中でのみ追求するのはおかしいと明言している。専門家の視点からのみの支援をする傾向に異を唱えている。そんなこともあり、臨床心理士の資格を持たない人でも学会員になれる(でもみんな資格を持っている場合が多い)。

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福祉×大学院Q&A(大学選び〜入学・授業編)

福祉×大学院Q&A(大学選び〜入学・授業編)

最近はずっと修士論文の話ばかりしている。

提出まであと2ヶ月半。調査が終わって、ここからドドドと書き始める予定でいる。この「あとちょっとだ〜書かなきゃな〜」とか言っている時が一番楽しい。

そんなこと言っているは私だけで、もう同期はみんなとっくに書き始めてる。状況は非常にまずいけど、それもまた楽しい。まずいって、楽しい。

社会人になってから学校に行くのは、充実した作業だった。もし、現在大学院進

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セルフアドボカシーを「Teachする(教える)」ということ

セルフアドボカシーを「Teachする(教える)」ということ

本日はソーシャルワーク関係の話。

現在私は、ソーシャルワークというより、「アドボケイト」という言葉を使うような現場にいる。相談室バオバブと、アドボケイト活動の2本立てで仕事をしているのだ。

アドボケイト(Advocate)とは、「権利擁護」と訳される。もう、英語ばっかりで嫌になっちゃう。「権利擁護」と訳されているせいで、すごく難しいことをしているような響きにもなる。

要は、弱い立場の人(子供

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権利をめぐり考察し、オロオロする。

権利をめぐり考察し、オロオロする。

「権利」とは、なんと難しいものだろう。

ソーシャルワーカー10年目、私は現在、精神科アドボケイトという活動をしている。

精神医療についての困りごと(退院できない、薬を減らせない、意見を尊重されないなど)を聞き、助言したり、面会へ行ったり、時には本人の希望を病院に伝えたりする。ケース会議に参加することもある。

患者さんがきちんと尊重されるように。治療に参加できるように。そう考える人たちと集まり

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なぜ私たちは、それをするのか

なぜ私たちは、それをするのか

こんにちは!濱田です。

今日は、日本社会福祉学会の発表がありました。
初めての学会発表!

研究初心者の私の発表は、すごい稚拙な内容なんですが

「大事な視点ですね」
「同じことを考えていました」
「その研究、ぜひ続けて下さい」

とコメントをいただけると、ありがたくて鼻血が出そうになりました。

私の中にはしっかりと承認欲求があり、それを思いがけず満たしてもらい(学会って、批判的なコメントばか

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声をきこう!一つ伝えたら、一つたずねる。

声をきこう!一つ伝えたら、一つたずねる。

こんにちは。はまだゆいです。

フリーランスのソーシャルワーカーとライフコーチをしています。

本日のつぶやき。

この池埜聡さんは大学の先生で、私は存じ上げなかったのですが

たまたまネットで発見して、見てみたら福祉にマインドフルネスを普及しようとされている方みたいで。素敵!と思って買ってみました。福祉業界に、心の探求がもっと広まればいいなー。

そんなわけで、本日はマインドフルな感じでnote

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「知ってるだけで、いいんだよ」の魔法

「知ってるだけで、いいんだよ」の魔法

こんにちは。ゆいです。

最近は、私の周りは空気の流れが変わってきたなと思います。みんな、良い方向に進んでいる。みんな、自分が楽になる方法を手にしています。

自分のことを大切にしている人と話すのは、気持ちがいいです。お互いが自分を尊重していると、相手のことも自然と思いやって、すごく温かい会話になります。

そんな私たちは、「こんな風に考えたら、元気になれる」とか、「その考えを手放したら、すっごい

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